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【１０周年】吾輩は見た ～週刊かぎしっぽのねこねこ記者
●週刊かぎしっぽvol.XX130『大型ネコ科なおねえさまたちの秘密の特訓』
強さとは。
読猫諸兄も一度は考えたことがあるテーマにゃなかろうか。獲物を捕らえる強さ、つがいに認められるための強さ――吾輩たち猫族にとっては、強さとは生存に直結するものにゃ。
今号では我らと同じように強さに貪欲な人間たちを特集するにゃ！
やってきたのは九夜山山中にある落神神社。
やや。早速、「ヤアッ」「ハッ」と気合の入った掛け声が聞こえてくるにゃ。
稽古をつけているのは古武術道場の師範代、吉住 志桜里ちゃんと吉住 獅百合ちゃん。
組みあっているのは門下生の琴触 昴ちゃんと鹿園 斐美ちゃんにゃ。
黒夜叉、白夜叉に譬えられる志桜里ちゃんと獅百合ちゃんは互いをクロ、シロと呼び合うにゃ。
見た目も黒と白で対照的にゃ。
見ていると、古武術というのは剣道や柔道や空手みたいなところもあるけれど、そのすべてに通ずるより良い働きを成すための術を学ぶみたいにゃ。身体の使い方だけでなく、哲学みたいなものも大切みたいにゃ。
「古武術は武道とは趣を異にするもの。心身を鍛錬し、人としても成長すべく稽古するのです」
「はい、師範代！」
「肩は脱力させて、丹田に集中して。意識しなくても楽に動けるようになることが目標です」
「はい！」
基礎の型をさらったあと、稽古は激しくなって来たにゃ。
竹刀と素手で組みあったり、蹴りが入ったりとどれか一つの武術というより喧嘩殺法みたいなかんじにゃ。
あちらでは志桜里ちゃんと昴ちゃんが組み、こちらでは獅百合ちゃんが斐美ちゃんと組んでの稽古にゃ。
「いらっしゃいな、昴。あいにく手加減する気はないけれど」
「余裕ぶっていて大丈夫か。手加減せんのはこちらも同じだぞ」
竹刀を構えた志桜里ちゃんのほうが昴ちゃんより一回り背が高いけど、昴ちゃんは脚力を生かして志桜里ちゃんに向かっていくにゃ。志桜里ちゃんの竹刀が鋭く突き出される。身を屈めて避ける昴ちゃん。竹刀が尻尾みたいに結わえた髪を掠めたけど、昴ちゃんは気にせず低く足払いを掛けたにゃ。
後ろに跳んで躱す志桜里ちゃん。
竹刀を低い位置から打ち上げるようにして顎先を狙うも、昴ちゃんは軌道を読んで背を逸らせ躱す。
にゃにゃーっ。
白熱にゃあっ！
一方、獅百合ちゃんと斐美ちゃんのほうはというと……。
にゃにゃ、拮抗していたみたいにゃが、大型の獅子みたいな獅百合ちゃんの懐に、二回りは小柄な斐美ちゃんが飛び込んだにゃ。獅百合ちゃんの襟首をつかんで、てこの要領で、投げたーっ！
これはいわゆる巴投げにゃ！
獅百合ちゃんはどーんと地面に投げ飛ばされ、その振動であたりのスズメが一斉に飛び立ったにゃ！
「ハハッ、やるねえビビちゃん。私のことを投げ飛ばせる奴はそういないよ」
「おおきに！ なーんて浮かれてもおれへん。うちにわざと投げ飛ばされたやろ。わかっとるで」
「感覚を掴むのも大事だからね。それに、こっちが投げ飛ばされようとしても、並みの女子じゃ私の体は持ち上がらないものだよ。ちゃんと力点が分かっていないと。ビビちゃんはその点すごいのさ」
「子どもの頃から習ってた柔道が活きとるんやと思うわ」
たしかに獅百合ちゃんはめちゃくちゃ大きいにゃ。
たぶん大リーガーの『おおたにゃ』くらい大きいにゃ。
吾輩なんかがぶつかっても、どーんとしててぐらつきもしなそうにゃ。
そんな獅百合ちゃんを投げた斐美ちゃん、すごいにゃあ！
そんなこんなでしばらく組み合ったあと、「やめ！」の声が掛かったにゃ。
稽古は終わったみたいにゃ。
「あっつー。汗でべとべとや」
「そうだな。どこかで汗を流したい気分だ」
「スバルん、それや！ 帰り、温泉に寄ってこ！」
「師範代たちもどうだ？」
斐美ちゃんと昴ちゃんの提案にもちろん大賛成の志桜里ちゃんと獅百合ちゃん。
「それじゃあ鍛錬も兼ねて寝子温泉まで走って行こうか」
笑顔の志桜里ちゃんに、斐美ちゃんがぎょっとする。
「走っていく……って、山越えして砂掛谷の向こうまで？」
「そう。道は通じてるし、２～３キロくらいでしょ。軽いトレイルランニングよね」
トレイルランニングとは山道を走るトレーニングのことだそうにゃ。
「山道の２～３キロってけっこうやで！？」
「これ以上汗をかくのは御免だが」
昴ちゃんも抗議したけど、結局、強くなりたい四人は走って寝子温泉へ向かうことになったにゃ。
吾輩も追いかけるにゃ！
強さとは。
読猫諸兄も一度は考えたことがあるテーマにゃなかろうか。獲物を捕らえる強さ、つがいに認められるための強さ――吾輩たち猫族にとっては、強さとは生存に直結するものにゃ。
今号では我らと同じように強さに貪欲な人間たちを特集するにゃ！
やってきたのは九夜山山中にある落神神社。
やや。早速、「ヤアッ」「ハッ」と気合の入った掛け声が聞こえてくるにゃ。
稽古をつけているのは古武術道場の師範代、吉住 志桜里ちゃんと吉住 獅百合ちゃん。
組みあっているのは門下生の琴触 昴ちゃんと鹿園 斐美ちゃんにゃ。
黒夜叉、白夜叉に譬えられる志桜里ちゃんと獅百合ちゃんは互いをクロ、シロと呼び合うにゃ。
見た目も黒と白で対照的にゃ。
見ていると、古武術というのは剣道や柔道や空手みたいなところもあるけれど、そのすべてに通ずるより良い働きを成すための術を学ぶみたいにゃ。身体の使い方だけでなく、哲学みたいなものも大切みたいにゃ。
「古武術は武道とは趣を異にするもの。心身を鍛錬し、人としても成長すべく稽古するのです」
「はい、師範代！」
「肩は脱力させて、丹田に集中して。意識しなくても楽に動けるようになることが目標です」
「はい！」
基礎の型をさらったあと、稽古は激しくなって来たにゃ。
竹刀と素手で組みあったり、蹴りが入ったりとどれか一つの武術というより喧嘩殺法みたいなかんじにゃ。
あちらでは志桜里ちゃんと昴ちゃんが組み、こちらでは獅百合ちゃんが斐美ちゃんと組んでの稽古にゃ。
「いらっしゃいな、昴。あいにく手加減する気はないけれど」
「余裕ぶっていて大丈夫か。手加減せんのはこちらも同じだぞ」
竹刀を構えた志桜里ちゃんのほうが昴ちゃんより一回り背が高いけど、昴ちゃんは脚力を生かして志桜里ちゃんに向かっていくにゃ。志桜里ちゃんの竹刀が鋭く突き出される。身を屈めて避ける昴ちゃん。竹刀が尻尾みたいに結わえた髪を掠めたけど、昴ちゃんは気にせず低く足払いを掛けたにゃ。
後ろに跳んで躱す志桜里ちゃん。
竹刀を低い位置から打ち上げるようにして顎先を狙うも、昴ちゃんは軌道を読んで背を逸らせ躱す。
にゃにゃーっ。
白熱にゃあっ！
一方、獅百合ちゃんと斐美ちゃんのほうはというと……。
にゃにゃ、拮抗していたみたいにゃが、大型の獅子みたいな獅百合ちゃんの懐に、二回りは小柄な斐美ちゃんが飛び込んだにゃ。獅百合ちゃんの襟首をつかんで、てこの要領で、投げたーっ！
これはいわゆる巴投げにゃ！
獅百合ちゃんはどーんと地面に投げ飛ばされ、その振動であたりのスズメが一斉に飛び立ったにゃ！
「ハハッ、やるねえビビちゃん。私のことを投げ飛ばせる奴はそういないよ」
「おおきに！ なーんて浮かれてもおれへん。うちにわざと投げ飛ばされたやろ。わかっとるで」
「感覚を掴むのも大事だからね。それに、こっちが投げ飛ばされようとしても、並みの女子じゃ私の体は持ち上がらないものだよ。ちゃんと力点が分かっていないと。ビビちゃんはその点すごいのさ」
「子どもの頃から習ってた柔道が活きとるんやと思うわ」
たしかに獅百合ちゃんはめちゃくちゃ大きいにゃ。
たぶん大リーガーの『おおたにゃ』くらい大きいにゃ。
吾輩なんかがぶつかっても、どーんとしててぐらつきもしなそうにゃ。
そんな獅百合ちゃんを投げた斐美ちゃん、すごいにゃあ！
そんなこんなでしばらく組み合ったあと、「やめ！」の声が掛かったにゃ。
稽古は終わったみたいにゃ。
「あっつー。汗でべとべとや」
「そうだな。どこかで汗を流したい気分だ」
「スバルん、それや！ 帰り、温泉に寄ってこ！」
「師範代たちもどうだ？」
斐美ちゃんと昴ちゃんの提案にもちろん大賛成の志桜里ちゃんと獅百合ちゃん。
「それじゃあ鍛錬も兼ねて寝子温泉まで走って行こうか」
笑顔の志桜里ちゃんに、斐美ちゃんがぎょっとする。
「走っていく……って、山越えして砂掛谷の向こうまで？」
「そう。道は通じてるし、２～３キロくらいでしょ。軽いトレイルランニングよね」
トレイルランニングとは山道を走るトレーニングのことだそうにゃ。
「山道の２～３キロってけっこうやで！？」
「これ以上汗をかくのは御免だが」
昴ちゃんも抗議したけど、結局、強くなりたい四人は走って寝子温泉へ向かうことになったにゃ。
吾輩も追いかけるにゃ！
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2022年06月09日
- 参加申し込みの期限
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- 2022年06月16日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2022年06月16日 11時00分
