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夏霞の赤い月 Ghost Festival Moon
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夏! 海! お祭りっ!
世間の皆様にも定番かも知れませんが、もう一つ定番の物がありますよね?
そう、それは乙女ゲーム!!
羽生 碧南
はぐっと拳を握りしめ、眼前に広がる露天の前にセリフ枠が投影されている気がしてきた。
学園もので1年ないし3年をプレイする物なら季節イベントとして言わずもがな、ファンタジー世界でも夏の解放感を煽ってか出てくるし、歴史物でも夕涼みや花火大会は外せないイベントだ。
さらに今ならっ! この、けも耳カチューシャが特典で付いてきます!
(ツンデレ後輩なら猫耳でしょ、クール眼鏡なら豹かな? ああっ、わんぱく男子の犬も捨てがたい……!)
夏限定衣装に特殊アクセサリーをオンオフできるだなんて垂涎物だ、これに萌えぬ乙女ゲーマーなどいないと言い切ってもいいくらいだ。
「碧南先輩、そろそろ戻ってきて下さい」
苦笑する
浅見 柚乃
は、セレブ感溢れるボルゾイのような垂れ犬耳をつけていて、碧南はまだ幻影が見えているのかなと瞬いて
霧生 愛
を見る。
「そうですよ……これ以上は、ちょっと他人のフリしたくなります」
そっと目線をずらす愛は、凜とした耳がショートヘアとも相まってドーベルマンのように格好良い。
慣れた二人は碧南の考えていそうなことがわかって、同時にため息をつく。
「碧南先輩も、つけてますからね?」
「もっふもふの狼っぽい耳ですよ」
「そ、そうだったね~」
ふにゃりと笑って、自分の両手を頭に添える。確かに、この祭りへ来たときに耳付きパーカーなんて着ていなかったから入り口で貰ったんだ。
(……
あの人
なら、何の耳が似合うかな?)
本人に聞けば何でも似合うと言い切りそうだなと笑う碧南が彼を思い出したのは、本当になんとなくだった。
乙女ゲームの妄想の一環でとか、ここには居ない彼に思い馳せてとか、まして思い返して心が痛まないかなんて考えてのことではなく、今回に限りはたまたま偶然だったのだ。
けれど、その思い返している顔を他人が見てどう思うかはまちまちだ。
例えば碧南に思い寄せる柚乃ならば、少し憂いを帯びた微笑みに切ない恋をしているのだと思うだろう。
その一方通行の矢印をうっすら感じ取っていた愛には、表情云々よりもその矢印が明確になったことで不毛だと思うだけだった。
「……浅見先輩も一緒に不抜けた顔してないで下さい。二人の世話なんて見切れませんよ?」
「ちょっと! 誰が不抜けた顔してるって!?」
適当に露店の食べ物を貰おうと先を行く愛を追いかける柚乃は、碧南から見て変わらないようにも見える。
「変わってもらわないと困るなぁ」
それは部活の今後のために仲良くして欲しいことだったり。
……憧れではない視線を投げかけてくるようになったことだったり。
(後者は、私がハッキリさせなきゃいけないことだよね)
彼女の気持ちを受け入れるにしても断るにしても、まだ自分の心が整理しきれていない。
彼がそうしてくれたように、不誠実なことだけはしたくないと思っているのに。
(股がけプレイが許される乙女ゲームもある、けど)
ここは現実で、失敗したからとリセットはできない。火の付いた爆弾は、自分でどうにかしないとお助けアイテムもなければ簡単な謝罪で好感度も復活しない。
選ばなきゃいけない。これはマルチエンドではない現実なのだから。
急いては事をし損じる。それでも、悠長なことをしてたらまたタイミングを逃して失敗する。
(答えを、出そう)
碧南はしっかりと、前を見据えた。
「碧南先輩! はぐれたかと思ったじゃないですか」
「ごめんごめん、ちょっと考え事しちゃって!」
「適当にもらっておきましたけど、碧南先輩も何か取りに行きます?」
そうは言っても、二人の手には運動部女子の胃袋が相手とはいえ、結構な量が抱えられている。
ソースの香ばしい粉ものから、フルーツのたっぷりのった杏飴に綿飴、ドリンクまで。しょっぱいから甘いまで揃っていて口飽きせずに食べられそうだ。
「十分だよ、足りなかったらまた寄ってみよう」
瓶ビールの空き箱を積み上げて板を乗せただけの簡易テーブルに、二人は戦利品を広げる。
特別変わったメニューでもないのに、こうして潮風を浴びながら食べると美味しく感じるのは何故だろう。そんな魅力に誘われて、ついつい手が伸びながら話すのは部活のことだ。
県代表として臨んだ
インターハイ
も決勝戦まで出場できた。最後の大きな試合でキャプテンとして臨んだ碧南には何度労っても足りるものではないし、優勝を掴めなかったことをぐちぐちというわけでもないけれど、この夏の共通の思い出としては一番大きな物だろう。
では個人としての思い出はと言えば。柚乃が振り返る思い出には、そのどこにも碧南がいた。
練習の合間を縫って
海
にも
ゆかた祭り
にも行って。……そのどちらでも愛と衝突しては上手く碧南が間を取り持ってくれたようにも思うけれど、それも残り僅かだ。
(このお祭りが終われば夏は終わって、そうしたら)
碧南の引退も目前。
なんだかんだ卒業までは顔を出してくれそうな気もするけれど、それでも受験で忙しくなるのに今と同じようにはいかないだろう。いつまでも一緒にというわけにはいかない。
それが、先輩として憧れるだけであれば後ろ髪引かれながらも送り出せただろうけれど、今の自分はそれだけでなく……憧れで、目標で、少しでも近づきたいと思っていた想いは
恋になった
。
あの一件から何日も悶々と考えて、その度に唇の感触がじんわりと胸に熱を灯す。困惑はしているけれど、きっとこの想いをそう呼ぶのだと……確信は、したのだけれど。
(碧南先輩、またあの目……)
キスをしたことがあると、教えてくれた。
思い返していただろう時に見せたあの瞳は、今も相手を想っているということだろう。
そしてそれが、一筋縄ではいかない状況なのも察することができて、悲しみと喜びがドロドロと混ざり合う。
(……最低だ)
好きな人の幸せを願えないなんて。
自分にもチャンスがあるかも知れないなんておこがましく思ってしまうなんて。
(それでも)
気づいた想いに嘘をつくことだけは、したくなかった。
(いつから、だったかな)
時折物憂げな碧南を、柚乃が切なく見つめているなと思い始めたのは。
愛は意味も無くドリンクをかき混ぜ、氷がぶつかる音を聞いていた。そうして一歩離れた所から二人を見て、冷静に確認したかったのかもしれない。
(たぶんインターハイ前後……最近だ)
典型的なスポーツ少女の自分でも、表情の機微に気づかぬほど鈍感ではない。
この二人は恋をしている――碧南は自分の知らぬ誰かを、柚乃は視線の先にいる碧南を。
きっと、柚乃自身もそれに気づかないほど愚鈍ではないと思うけれど。
(あんなトンマな先輩……別に心配なんかしないんだから)
だからそう、これは自分のちょっとした興味だ。
「碧南先輩って、たま~に物憂げになりますよね。もしかして恋でもしたんですか?」
「えっ? ……ええっ!?」
「ちょっと、そんな碧南先輩を困らせるようなこと」
「浅見先輩は黙っててくれますか? 私は碧南先輩みたいに素敵な人がどんな恋愛するのかなと思って」
いくら愛が誰にでも物怖じせずに言葉を紡ぐ性分だったとしても、空気を読まないタイプではない。
だからこの質問には碧南も柚乃も動揺を隠せずにいた。
(だっておかしいじゃない)
誰がどんなタイミングで誰を好きになろうと自由だし、同性で恋をすることだって今時珍しくもない。
例えば碧南が自分には理解しがたい乙女ゲームの男性たちにしか興味が無いとわかっていて、柚乃が恋慕し始めたのなら哀れんだ目で失笑したかもしれないけれど、そうじゃない。
碧南に本当の意味で想い人がいるとわかった上で、柚乃が報われない片思いを選ぶなんて……そんな馬鹿げた話があってたまるものか。
「うーん……恋の仕方は人それぞれだよ。聞いてほしくなったらちゃんと話すから」
今は聞かないで欲しいと言い含めて、碧南は笑う。その様子に、柚乃は決定打を押されなかったことに安堵したように息を吐くのに、胸の前でぎゅっと拳を握りしめていた。
(どうして?)
恋は誰もを幸せにするキラキラした物だなんて信じてないけど。
わざわざ傷つくのがわかっていて踏み入れる、不毛な始まりなんてあるものなのか。
「……残念だなぁ、参考にしたかったのに」
けれどこれ以上は無理に聞き出せない。本人がそれでいいとわかった上で選んだのなら、何も。
心配なんてしていない。ただ割り切れない思いがモヤモヤするだけだから。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年06月11日
参加申し込みの期限
2022年06月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年06月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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