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【七夕】鵲の翼を渡って ~七夕ゆかたまつり 1371~
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両手いっぱいの食べ物を休憩処で平らげ、満ちたお腹で元気いっぱい石段を登ってみれば、鳥居の左右にたくさんの短冊が掛けられた大きな笹。
(七夕だもんねぇ)
お願い事をどうですか、と鳥居の傍に立っていた巫女さんから薄紅色の短冊を手渡され、真白は夕風に揺れる笹を仰ぐ。
すぐに思いつく願い事はないけれど、折角だから何か書いてもいいかもしれない。
鳥居をくぐってすぐのところに設けられた短冊を記す用の長卓の前に立ち、ペンを手にしてから、
(でも何を書こう)
真白は改めて悩む。
(んー……)
しばらく考えて思い浮かんだのは、熱を上げているカードゲームのこと。そろそろ次のパックが販売される情報は掴んでいるものの、どんなカードが封入されているかは完全に運次第。箱買いしてレアカードを引き当て率を上げるのも悪くはないけれど、それはなんだか真白のゲーマー魂に響かない。
(レアカード祈願?)
七夕さまにお願いしてみようかなと思ってペンの蓋を引っ張って、
(あ、でも)
思いとどまる。
思案するのは高校三年生という己の年齢のこと。海外を飛び回って滅多に家に帰ってこない両親は先のことについてそんなにうるさく言って来ないけれど、真白は真白で考えている。
(私ももう高三なんだし)
受験の祈願した方がいいかな、と唇を引き結ぶ。先々を考えて読む力も、カードゲーマーの資質のひとつ。運が絡みもするとあって神頼みもするものの、戦略を立てることはカードゲームにしろ人生にしろ、重要要素だ。
(うん、そっちにしよう)
薄紅の短冊に書くのは、『受験合格!』の四文字。
(浪人はしたくないもんね)
くすりと小さく笑い、書き終えた短冊を手に大きな笹の下へと向かう。小柄な身体でよいしょと背伸びして低い位置にある笹を引き寄せ、少しだけ苦労して短冊を結わえ付ける。
ぴょんと戻る笹の葉に頬を撫でられ思わず笑っていると、巫女さんが懐紙に包んだ金平糖をくれた。
「金平糖、甘くておいしいから好きなんだよね。いただきまーす」
人懐っこい笑みを浮かべて包みを受け取り、次はどこへ行こうかと考えながら金平糖をひとつ口に入れる。
「あまーい」
くすくす笑う真白の目に映るのは、真剣な顔で短冊を掛けるお団子頭の少女とそれを見つめながら照れくさいような嬉しいような顔をしている長い黒髪の少女。
(恋愛かな、友情かな)
少女が笹の葉に掛ける願い事をなんとなし考えながら、真白は金平糖を含んだ頬をまた緩めた。
(あまーい)
参道商店街から境内へと至る石段に、女の子たちの賑やかな声が響く。
浴衣がどうの、髪飾りがどうの。手にした巾着がどうの、下駄の鼻緒の模様がどうの。
「はいはい、火花散らすのはやめようね?」
「ですが先輩」
「でも先輩」
自分を間に挟んでことあるごとに火花を散らす二年の浅見柚乃と一年の霧生愛に、三年の
羽生 碧南
は明るい笑顔を見せて仲裁する。
「二人とも可愛い浴衣着てるんだし」
朝顔をあしらった可愛らしい浴衣姿の柚乃と水色地に芥子花柄が爽やかな印象の浴衣姿の愛を左右交互に見遣りながら褒めてやると、ふたりはほぼ同時に照れた。俯く柚乃と浴衣の肘に抱き着いてくる愛に、華やかな椿柄の浴衣を纏った碧南はそっと安堵の息を吐く。参道商店街で待ち合わせをして歩き始めてからここまで、ずっと言い争っていた二人をやっと止めることが出来た。
(互いに競争心があるのはいいんだけど……)
結果的とは言え、三人が所属する寝子高バスケ部でのここ最近の柚乃と愛の成長は目覚ましい。このまま成長してくれれば、寝子高女子バスケ部の将来を担う存在になるのは間違いないと碧南は信じている。
(とはいえ、……)
顔を合わせる度にどんなことにつけ自分の方が優れていると示そうとするのはいかがなものか。ふたりの間に立つことの多い碧南にとってふたりの仲が良くないのは悩みの種だ。
(仲良く競い合うわけにはいかないのかな)
いつだったかにプレイした乙女ゲームでは、攻略対象の男の子たちはみんな仲が良かった。主人公の愛を射止めた男の子に対しても素直な祝福の声を掛けていた。あのゲームみたいにみんな仲良く出来ないものかと思うものの、最近遊び始めた乙女ゲームに於いて攻略対象の男の子たちは割と簡単に死ぬ。主人公の愛が向けられることに嫉妬したライバルに刺されたり毒殺されたり魔物を差し向けられたり失脚させられたり。
(うーん……)
最近手出ししながら現実の忙しさにあまり進められていない乙女ゲームの殺伐さに悩む碧南の肘を、柚乃と愛が両側から引っ張った。
「先輩、鳥居の前に笹があります」
「短冊が掛けられるみたいですよ、先輩」
こっちが先に見つけたんだから、先輩に教えたんだから、と言いあいを始めそうなふたりに、碧南は交互に笑みを向ける。行ってみよっか、とふたりの手を引く格好で石段を登る。
ふたりより先に石段のてっぺんに辿り着き、ふたりに先んじて巫女さんから三人分の短冊を貰う。ふたりが喧嘩しないためには、結局のところ先輩である自分が一番に行動するしかないのでは、というのが最近の碧南の見解だ。
鳥居の左右に掲げられた大きな笹を仰いでから、ふたりに短冊を配る。柚乃が薄紫色、愛は水色、碧南は薄紅色。
短冊を書く用の長卓に顔を突き合わせてバスケ部女子三人がそれぞれの短冊に書く願い事はただひとつ。
『寝子高校女子バスケ部優勝!』
揃って書いた短冊を笹の葉に仲良く並べて結わえ付け、三人一緒に手を合わせて祈る。
「インターハイですね、先輩」
「頑張りましょうね、先輩!」
来月中旬に迫ったインターハイに、寝子高女子バスケ部は出場を果たしている。
後輩ふたりの真摯なまなざしに、碧南は真剣な顔で頷いた。今年度のインターハイは、碧南が高校三年間を捧げたバスケットボール競技の集大成だ。しかもキャプテンとして臨むとなれば、プレッシャーも重くのしかかる。
(でも)
普段はのんびりおっとりとしている碧南の栗色の瞳に、コートに立つときのような強い色が燃え上がる。
(こういう感じ、嫌いじゃない)
浴衣祭りの今日が終われば、明日からはまた練習の日々が再開する。インターハイが終わって部活を引退するときが来ても、すぐ後に大学受験が控えている。ゆっくりはしていられない。
(手を抜くつもりはないから)
瞳に燃え上がった闘争心の炎は、けれど夕風に揺れる笹の葉と短冊の音を耳にして、今は鎮まる。
(乙女ゲー、また積ゲーになっちゃうか……)
うっかりつくづくと考えてしまう自分をそっと内心で笑ってから、
「さ、屋台巡りしよっか!」
碧南は後輩ふたりに笑いかける。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
38人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年12月20日
参加申し込みの期限
2021年12月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年12月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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