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偶発的な事故だけどノーカウントを主張するか悩ましい
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「こんなんじゃ疲れなんてとれない……」
財布を握りしめて、ぐったりと自販機にもたれかかる
羽生 碧南
はシャワーから出たばかりというのにさっぱりした様子は欠片も無く。けれど同じように朝から部活を頑張った
浅見 柚乃
も気持ちはわからなくはない。
「疲労回復と言えば……、食事、睡眠、マッサージ……」
「大きいお風呂っ!」
桜花寮では、C棟は個室にお風呂やトイレがついているがほどほどのサイズ。A棟とB棟は共用のシャワー室しかない。
そんな寮生の味方なのが、
銭湯ねずの湯
。温泉気分とまでは言わないが、桜台墓地の近くという立地は桜花寮生にはとても利用しやすく、部活後や足を伸ばしてじっくり汗をかきたい時には最適なのだ。
「あー……熱い湯が五臓六腑に染みわたるぅ~」
「碧南先輩、湯船は飲んではいけませんよ?」
「のんでませーん……ふふ」
まるで酔っ払いの回答のようにふにゃふにゃと笑う碧南は、伸び伸びと両手足をリラックスさせている。柚乃も自身が背の高い方だという自覚はあったが、碧南は心持ち自分より背が高いのに引き締まって見えて……こんなにスタイルが良い人でも『あの人』は同じ理由で振るのだろうかと、そんな苦い思い出がよぎった。
「そういえばさ、理事長が変なこと言ってたじゃない?」
部活前の自主トレーニングで寮の周辺を走っていた二人は、騒ぎの元凶を目撃していた。
碧南は関係ないなと聞き流していたけれど今、冷静になって思い悩んでいる。
「キスの日ってさ、そういうのに流されちゃったり、事故から始まる……ってありかな?」
往々にして、少女漫画や乙女ゲームの強制的な流れを作るために使用されるテンプレ展開。
せっかくキスの日と呼ばれる日なら、キスがテーマの作品に触れてみるのも悪くない。
「碧南先輩、いつの間にそんな……」
「へ? あ! ち、違うからね? 今日の話じゃ無くてっ」
「でもキスはした、と」
「したことは……まあ、ないとは言わない……かな」
ゲームのことを考えていたはずなのに、柚乃が神妙な面持ちで返すから思い出してしまった。
決して
パーティ
の空気にのまれたわけじゃない。
毎日会えるからと先送りにして、卒業式ならと思ったのに踏み切れなくて。やっとの思いで踏み切ったときには、言葉より先に故意な事故を起こしてしまっていたけれど。
(でも……)
ぶくぶくと顔を半分湯船に沈め、碧南は考え込む。
事故から幸せな始まりを迎えなかったけれど、誠実な彼の気持ちを知れた。
これがゲームならいつまでも待ちますと答えて、一行後には幸せな未来が約束されていたかもしれないけれど、彼に対してはゲームのように考えられなかった。
「……大事な思い出なんですね」
「そう、思ってていいのかな?」
碧南の困ったような顔を見て、柚乃は苦さを含む思い出なのだろうと察することができた。
ここで一方的に聞き出そうとするのも、フェアじゃないだろう。
「私は中学1年の時に失恋して以来、恋の類いは避けてきたので……碧南先輩の戸惑いとか、全部わかるわけではないですが」
それでも、と言葉を選ぶように柚乃は続ける。
「碧南先輩が、悲しくて辛くなってしまう思い出でないなら、相手に遠慮せず大事にしていいと思いますよ!」
「柚乃~っ、ありがとうっ! というか、こんな良い子が失恋するって何事!?」
「はは……『俺より背の高い女は嫌い』って、けっこうバッサリ」
まだ吹っ切れないような困った笑顔で笑うものだから、碧南は申し訳なくなって項垂れる。
「ごめん、過去の傷をえぐっちゃったかな……」
「……いいえ」
傷の深さは、振り返ればわからないほど気にならなくなってきている。
柚乃は心配いりませんと、朗らかに笑った。
「失恋のヤケで始めたバスケで先輩に出逢えたから、悪くないですよ」
「嬉しいなぁ! 私も中学で一気に背が伸びちゃってさ、2年の時なんてね」
きゃあきゃあと失恋話から中学校の苦手な先生の話になったり、たくさん笑った。
笑えたから、碧南は「あの事故」を「ちょっと失敗した好きな人とのキス」と思えるようになった。
「そろそろあがろっか、さすがにのぼせる……」
「はい……碧南先輩、足下気をつけて下さいね」
火照った身体に、床のタイルが気持ちいい。これなら、脱衣所で扇風機の風を浴びたら爽快だろうな。
足取り軽く浴室から出て、マットで足を拭くのもそこそこに碧南は扇風機を目指す。
「わ……っ!? っと、」
「碧南先輩!!」
「へっ、ちょっ、ゆの……!」
塗れた足で床を踏み、転倒しそうになった碧南はなんとか踏みとどまった――つもりだった。
けれど、咄嗟に助けようと手を伸ばした柚乃が同じく塗れた足で追いかけたものだから、盛大に滑ってしまい、碧南はそれをキャッチして再び踏みとどまろうとするけれど、さすがに二度は無理だったようで。
見事なぐらいの床ドンと共に事故チューの完成である。
(……あれ、思ってたほど痛くない)
衝撃に備えて目を閉じていた柚乃は、うっすら目を開けて状況を少しずつ確認していく。
碧南を下敷きにしてしまったようで申し訳ないと身体を起こしかけ、あまりの顔の近さにドッと全身で脈打つ音が聞こえた気がした。
(この距離って、じゃあ、今……唇が触れてるのって)
離れなきゃとわかっているのに、見入ってしまって顔が反らせない。
碧南の瞼が震えている、目を覚ますまであとわずかだ。
「……?」
ゆっくり開いたと思ったら、数回驚いたように瞬く碧南と目が合い、柚乃はようやくばつが悪そうに顔を離した。
「あはは、のぼせちゃったねぇ。立てる?」
「あ、はいっ! すみません……」
お客さんの少ない時間で良かった。誰も二人の事故を目撃はしていない。
「せ、先輩……その、これは……ごめんなさい!」
「ん? 事故だよ、じーこ! ほら、今度はちゃんと拭いて、床に気をつけよう」
先にロッカーへ向かい、碧南は扉で顔を隠すようにして赤い顔をなんとか落ち着かせようとした。
(そっか……ちゃんとしたキスって……そっかぁ)
やっぱり思い出の物とは違うけれど、あれはあれで特別だから。
このキスは――どう扱おうか?
碧南は一人一人、大切に向き合っていくことに決めた。
(碧南先輩は事故ってフォローしてくれたけど)
――事故から始まる……ってありかな?
そんな話をしたことを思い出し、柚乃はもうキャパシティを超えていた。
(始まっちゃうの? 確かに私の「はじめて」……先輩に捧げちゃったけど!)
恋とはどんなものだっただろう。少し距離を取り過ぎたためか、刺激が強かったからか、柚乃は普段より少し冷静さが欠けていたかもそれない。
自室に戻って、ベッドに突っ伏す頃にはドキドキも火照りも幾分か治まったけれど、それでもどうやってここまで帰ってきたのか記憶にないくらい、唇の感触が忘れられない。
「碧南先輩……」
憧れていた、それは確か。
好きだった、親愛や敬愛として。
じゃあ、今は?
ゆらゆら、ゆらゆら。一滴の雫で大きく変わる心の天秤。
傾くのは、どちらのほうへ?
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年05月01日
参加申し込みの期限
2022年05月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年05月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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