this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
寝子島神社のほおずき市
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
14
つぎへ >>
「ほおずきいかがですかー」
「かご入りほおずき、ひごほおずき、色々揃ってございますー」
風鈴の音に混ざり、ほおずきを売る露店の呼び込みの声が聞こえる。
夏風と人いきれの中、
青山 絢
と
水谷 真優理
は肩を並べて歩く。
手折りの真っ赤なほおずきの並ぶ店でふと足を止める絢、風に揺れる風鈴を仰いで瞳を細める絢、汗ばむ額をハンカチで抑えて小さく息を吐く絢。レモンイエローのシンプルなワンピースに柔和な面差しはよく似合う。
「ううん、絢ちゃんが着て似合わない服なんてあるのだろうか?」
至極大真面目に口走りながら、真優理は手にしたスマートフォンのカメラ機能で従妹の姿を撮影しまくる。
「真優理さん真優理さん」
「七夕祭りの時の浴衣もいいけど、こういう正統派なワンピース姿も良く似合う!」
周りの人目を気にした一回り年下の絢がそっと窘めても、真優理は一向に気にしない。それどころか、そういう憂い顔も可愛くてイイネと連写撮影までしてくる始末。
(残念無念……)
今日だってノースリーブのシャツにハイウェストのスカート姿で、黙っていれば美人で大人な雰囲気なのに、それを大裏切りに裏切る言動をする従姉に写されるがままにされながら、絢は心の中でそっと息を吐いた。ふたりで出掛けるたびに写真を撮られまくり続けてはいるけれど、未だに慣れない。慣れたつもりになったこともやっぱりない。
(本当に今年で三十一歳になるひとなのかな)
いつものように写真を撮られながらいつものように思ってしまうけれど、真優理の天真爛漫さやてらいのない好意に救われていることも少なからずある。
(……ある、はず)
「あっ、絢ちゃん、海開きの時の水着姿見る? 今うっかり見つけたんだけどやっぱり素敵! もちろん今日の絢ちゃんもとっても素敵!」
「……み、見せなくていいから。人通りも多いし、スマホ仕舞って」
キャアキャアと騒いだ挙句、この前の水着姿の写真を見せようとしてくる真優理を今度こそ絢は叱った。
「今日も今日とてフォトジェニックな絢ちゃんなのに……」
しょんぼりと肩を落として一旦は大人しくスマートフォンをバッグにしまい込みながらも、呟く台詞から鑑みて反省の色はほとんど見受けられない。
またしばらくすれば何かのきっかけを見つけて大好きな絢ちゃん写真撮影会に突入するだろう従姉の様子を窺いながら、絢はとにかく一時の平和なほおずき市を味わうことに決める。
日除けにと露店から露店へ渡された竹簾に吊るされては夏風に揺れる数十数百の風鈴、店先に山と積まれた鮮やかな朱色のほおずき。
「色々な種類のほおずきが売られてるのね」
鉢植え、軒先からつるすことが出来る風鈴つき籠入り鉢植え、手折りの枝のままのほおずき、竹ひごに提灯のようにひとつだけほおずきの実がついているひごほおずき──
「高校生の時と大学生の時に売り子のバイトをやってたんだよね」
絢の視線を追って店先のほおずきを眺めやりつつ、真優理がふと思い出して口にする。
「そうなの?」
「高校の友達が園芸店やってて、夏になるとほおずき市にほおずきの屋台を出して」
懐かしそうに微笑む真優理の横顔を絢は見遣る。一回り齢の離れた従姉は、物心ついた頃にはもうお姉さんだった。大人の女性──
(……ではなかったよね)
ホテルコンシェルジュの仕事をしているときには立派な大人の女性の顔をしているその癖、仕事から一歩離れると途端にお調子者で大雑把な残念無念な美人になってしまう従姉は、昔も今もそんなに変わっていない気がする。
絢のまなざしをどう受け取っているのか、真優理は小さく思い出し笑いをする。
「売り子のバイト募集してたからね、その友達の紹介で高校三年間と大学二年生の時までほおずきの売り子をしてたんだ」
夏空を飛び交うほおずき露店の呼び込みの声を耳にすれば、今もはっきりと売り子の呼び声を思い出す。
「ほおずきはいかがー、厄除け、無病息災を願う縁起ものだよー。さあどうぞ、今年もいいほおずきが揃ってるよー」
十年以上前とは言え鮮やかに残っている記憶を頼りに、当時の抑揚もそのままに呼び込みの声を再現してみせる。
「って、こんな感じかな」
いい声だ、バイトやっていかないかい、と真優理の声を聞いた露店の老店主に愛想よく手招きされ、真優理は人懐っこい笑顔でいえいえと手を振った。
人見知りする傾向にある絢はそんな真優理の人懐っこさを少し羨ましく思う。誰とでも気兼ねなく話すことが出来るのは、きっととても良い強味だ。
「絢ちゃん絢ちゃん!」
老店主と話し込むついでにほおずきの品定めにかかっていた真優理に呼ばれ、絢は沈みそうな思考を振り払う。
「これ一山買っちゃう?」
「どこに飾るの……」
抱えきれないほどの手折りのほおずきの山を示してはしゃいだ声を上げる真優理をまた窘め、こっちはどう、とひごほおずきを示す。
「それもいいけど、ひとつだとなんだか寂しくないかな」
「でもさすがに一山は買えないし」
肩を並べてあちらのほおずきこちらのほおずきと品定めをしながら、絢はさっきの真優理の呼び込みの声を思い出す。
「ほおずきって無病息災や厄除けを願う縁起ものなのね」
隣の店にも向かいの店にも真っ赤なほおずきが山と積まれている。一日限りとはいえこれほど盛大にほおずきを商うということは、それほどまでに求めるひとが多いということ。ほおずきに願いを掛けるひとが多いということ。
「そうそう、厄除け無病息災ー」
呼び込みをもう一度口にしてみせる真優理と笑い合ってから、ふたりが選んだのは風鈴付きのかご入り鉢植え。
一緒に暮らしているマンションのベランダには、夏の初めにつるした風鈴が揺れているけれど、
「別にいいよね」
「ほおずきが枯れるまでの間は先住風鈴ちゃんは外しておくわ」
絢の手の中でちりんちりんと涼し気な音をたてる風鈴に真優理が瞳を細める。
「……とてもいい音色よね」
微笑む真優理に頷いてみせて、絢は籠入りほおずきにまなざしを落とす。聞いているだけで涼しくなってきそうな気がして伏し目がちに微笑めば、その瞬間、スマホのシャッター音が耳に響いた。
「っ、……真優理さん」
「物凄く絵になるんですけどー!」
振り向いた途端、再びのシャッター音。
陶然とした顔でスマホを構え、指先で画面の撮影ボタンを押しまくる真優理のやはりというかまたかというかな姿に、絢は窘めるのも今日は諦める。とはいえそれでも恥ずかしいものは恥ずかしい。
「これぞフォトジェニック!」
写真を取りながらキャアキャアと歓声を上げられれば頬も赤くなろうというもの。
(やれやれ……)
困ってしまいはする。けれど、スマホのカメラ越しに向けられるのは純然たる好意だ。それに従姉が撮ってくれる写真の中の己は大抵いい表情をしているのも確かだ。
それはきっと、従姉が己のことをずっと見つめていてくれているから。
気遣って、応援し続けてくれているから。
「真優理さん」
「なあに、絢ちゃん」
「屋台を見て回ろう」
「そうね、ほおずきのアクセサリーとか買っちゃおう!」
夏の陽射しのもと、真っ赤なほおずきが並ぶ屋台の中に佇むワンピース姿の絢に向け、真優理はもう一度スマホのカメラを向ける。
「絢ちゃん、笑って!」
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
14
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
寝子島神社のほおずき市
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
23人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年04月09日
参加申し込みの期限
2022年04月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年04月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!