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寝子島神社のほおずき市
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花のような和風ドレスを纏い、雪のような白灰の色した長い髪を夏風に躍らせ、双子のようによく似たふたりがほおずき市の境内を弾む足取りで歩いて行く。
(さっき鳥居のところで歌ってたふたりだ……)
ひごほおずきや透かしほおずきなどのほおずき細工を売る露店の前であれもこれもと手にとっては華やいだ笑顔を見せる彼女たちと、彼女たちにつられて明るい笑顔となる店員や周りの人々を横目に、
月原 想花
はキャスケット帽子のつばを目深に深く引き下ろす。
(明るくて人懐っこいひとはいいよね)
ふと思ってしまった途端、ネイビーブルーのタンクトップに引っ掛けた白いパーカーのフードも被って人目を避けてしまいたいような気分に陥って、肩に掛けたリュックサックの肩紐を両手でぎゅっと握りしめる。こんな気持ちになるのなら、
(……来なきゃよかった)
本当は参道商店街の古本屋に用事があって、猫鳴館から出て来ただけだった。何か面白そうな本はないものかと商店街に何軒かある古本屋を巡っているうち、偶然ほおずき市に出くわしただけだった。
ほおずき市自体に興味があったわけではない。
ただ、あちこちで鳴る風鈴の涼しい音に誘われた。
真っ赤なほおずきに溢れる神社の風景が、なんだか異世界に紛れ込んでしまえそうに思えてうっかりと足を向けてしまった。
人波と夏いきれに小さな溜息を吐きつつ、それでも境内に来てしまったからには一巡りして行こうと足を進める。ここで引き返してしまうのは、逃げてしまうことになる気がする。
(逃げたらだめだ!)
肩紐を握る手に力を籠め、ショートパンツから覗く白い腿にも力を籠める。スニーカーの足を出来る限り大きく踏み出して前に進めていて、
(……)
なんとなく目がとまったのは、ほおずきモチーフのアクセサリーを売る屋台。透かしほおずきのイヤリングにひごほおずきの簪、風鈴とほおずきのピアス。ほおずき市ならではなアクセサリーを見るともなしに眺めていると、
「お嬢さん、これどう?」
屋台のお姉さんににこにこと話しかけられてしまった。おどおどと口ごもっているうちにこれが似合うこっちも似合うとおだてられ、手に握らされ、気づけばなし崩しに千五百円もする髪飾りに加え、おまけに安くするよと言われて手折りのほおずきまで買ってしまった。
(……どうしよう)
古本であれば下手すれば十冊は買えるかもしれない値段の髪飾りと手折りのほおずきを手に、想花は途方に暮れつつ境内を歩く。
(猫鳴館のどこに飾ればいいんだろう)
それにしても、とピカピカに晴れた空を仰ぐ。
「暑い……」
「お三夜さま、狛猫さま」
ほおずき市を素通りして、
シオ・レイゼルオーク
がまず向かったのは寝子島神社本殿。賽銭箱にお賽銭を投げ入れ、鈴を鳴らして二礼二拍手。丁寧に両手を合わせ、琥珀の瞳に黒灰の睫毛の陰を落として端然と祈りを捧げる。
(いつも見守って下さりありがとうございます)
ちらりと視線をもたげて本殿の奥を見遣ってみるものの、麗しいお三夜さまの姿は見えない。明るく人通りが多い時間であるからか、ほおずき市が立っているからか、それとも他の理由があるのか、凛々しい狛猫さまたちも動き出す気配はない。
それでも、本殿の奥に可愛らしい黒猫のご祭神が居ますと信じて、こちらを見ていてくれると信じて、シオは背筋を正す。
(皆さまの健やかなお姿を日々の励みにがんばります)
手を合わせたまま、つらつらと話しかけてみる。
(皆さまはほおずき市でお忙しいでしょうか?)
お祭りがてらで己はお参りさせてもらいはしたけれど、ご祭神や狛猫であるお三夜さまや一之助や二右衛門はかえって忙しかったりするのかもしれない。
(今日はどう過ごすのでしょうか)
もしも彼らがほおずき市に繰り出すとするのなら、どんな着物を纏うだろう。
(ほおずき由来の素敵なものでしょうか? どの柄にするか狛猫さん達がまた会議だったでしょうか)
こちらが良い、いやこちらがお似合いにござる、侃々諤々、人間の姿となればおかっぱ頭に振袖の少女姿となるお三夜さまに似合う着物について議論する狛猫たちの姿を思い浮かべ、シオはくすりと唇を綻ばせる。
(本当はどんなお服が着たいでしょうか)
永い月日を過ごすお三夜さまも、きっといつもと違う衣装を纏いたい日もあるだろう。もしかしたらフリルでいっぱいのドレスでおめかししたかったりするかもしれない。島のこどもたちのように動きやすい服装で走り回ったりしたかったりするかもしれない。
(でも今日はイベントなのであんまりラフにもできませんね)
お三夜の夜にのみ現れるという寝子島神社のご祭神の日々について、シオは思いを馳せる。
(お時間がとれたらゆっくりしてくださいね)
祈りの手を解こうとして、
(そう言えば)
ふと思い出した。
(以前お話ししたこと、覚えてらっしゃるかな~)
寝子島にアクア・アルタの現象が起こった不思議な夜に、寝子島神社でお三夜さまたちと夢のようなひとときを過ごしたことがあった。
──お星さまでいっぱいの天の川の中に入って、思う存分遊んでみたいものにゃ
祀られている場所からほとんど出ることのないお三夜さまは、ちょっとした願掛けのようにそう言っていた。
それを叶えて差し上げたいとあれこれ考えはするけれど、今のところどれも決め手にかけているのが現状だ。
(星の川を再現するなら)
あのときのように水面に映る夜空ならば近いだろうけれど、お三夜さまは水に濡れることを嫌うかもしれない。
(SFのように本当に宇宙旅行とか)
壮大!、と伏せた瞳がこどものようにきらきらと輝く。
その輝く瞳のまま、シオはお三夜さまに語り掛ける。
(今はどうですか?)
願い事は変わっていないだろうか。
もし変わっているとすれば、今はどんなところでどんな風に遊びたいだろうか。
語り掛けても語り掛けても、お三夜さまからの応えはない。それでも、シオの柔らかな表情は変わらない。
(こんな風にあれこれ思いを馳せてお話しするのが楽しいのかもです)
彼らについて考えるだけで唇が綻んでしまう。いろんな楽しいことが思い浮かんできてしまう。
(お三夜さま、狛猫さま)
だいすきです、と想いを告げて、今日の参拝を切り上げる。一礼して顔を上げたとき、本殿の奥を黒猫の尻尾が過ったように見えて、シオはふわりと微笑んだ。
踵を返し、境内のほおずき市を一眺め。ひとと会う約束をしてはいるものの、約束の夕方まではまだ時間がある。
ほおずき市を一巡りしましょうか、とのんびり歩き出しながら、シオは頭でひよひよ揺れる三角耳に指先で触れてみる。
(ところでこのケモノ耳、明日にはなおるのかしら)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
23人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年04月09日
参加申し込みの期限
2022年04月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年04月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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