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寝子島神社のほおずき市
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ちりちりと夏風に鳴り渡る風鈴の音に三角耳をぱたぱた揺らしながら、浴衣の裾から覗くお揚げ色の尻尾を振りながら、幼子たちがキャアキャアと笑い転げながら駆けて行く。
「ほおずき持ってお池の洞まで寄っといで!」
境内に立ち並ぶほおずきの屋台から赤い実をひとつふたつ拝借しては小さな両掌に包み、妖の術で以て通りがかりの人々に狐の耳や尻尾を生やす。大抵の人間は自身の変化に気づかぬか、気づいてもお祭り由来の手品か催しの一環と思い込んでいる様子ではあるけれど、
「あ、こら子ぎつね共」
すれ違った途端に幼子たちの正体を看破し、
片夏 阿呂江
は下駄をカラコロ鳴らして足を早める。ほおずき市をそぞろ歩く間にあれもこれもと手にしてしまったほおずきやアクセサリーを落とさぬようにと気を取られているうちに小さな姿は人波に紛れて見失ってしまったが、
(お池の洞と言っておったな)
お社の傍に在る看板で子狐たちが口々に言っていた『お池』の位置を確認し、耳福池へと急ぐ。ほおずき市で賑わう境内を抜け、坂道を登ればすぐに見える池のほとりの山肌には、自然とひらいたらしい洞窟の入口。
昼間でもまっくらな洞窟に、浴衣姿の子らは恐れげもなく入って行くのを緋色の瞳に捉え、阿呂江は躊躇うことなく足を向ける。
「……ふむ」
ひやりとした空気に触れた途端、洞窟内にぽつぽつと並ぶ石灯籠に蒼白い狐火が音もなく灯った。それに驚くこともなく、悠々と奥へ進む。
ひとが行き来できるほどの通路の先には、伏せた椀状の空間が広がっていた。石灯籠に行灯に、眩しいほどの光に照らし出されたその央には、畳が何畳と敷かれている。畳の上には大きな布団、布団の上には焦げ茶色の毛並みも弱々しくくすんだ巨大な狐。
「こんなことになっておったとは」
意識朦朧とした大狐がこんこんと咳をする度、桜に椿に金盞花に、さまざまの花がぽんぽんと現れては地面に落ちる。むせかえるような花の匂いに混ざるのは、大狐の周りで子ぎつねたちが沸かすお湯の煙。
「ほおずき、もってきてくれた?」
「耳もしっぽも、しばらくしたら消えるから、ほおずきちょうだい」
「あれ、でもおねえちゃん、耳も尻尾もないの」
阿呂江の姿を見るなりわらわらと寄って来る子ぎつねたちは、ほおずきの実を煎じて大狐の薬にしようとしているらしい。
「ここは大狐殿の住処であったか」
「とうさま、大狐の壱郎太っていうの」
子狐たちの頭を順繰りに撫で、手にしていたほおずきを惜しげもなく手渡しつつ、阿呂江は人間の姿からあやかしとしての本来の姿──複数の尻尾を持つ妖狐の姿に戻る。
わっ、と驚く子狐たちに、阿呂江はちょっぴり難しい顔をして見せた。
「いくら治療のためとはいえ無関係な人間を巻き込むのは感心せんぞ子ぎつね共」
人間の技術は時にあやかしの術を超えることもある。
「甘く見ておると後が怖いぞ」
ゴメンナサイと素直に項垂れる子狐たちの頭をもう一度順繰りに撫で、阿呂江は今度は明るく笑った。
「これも狐と何かの縁、儂も手伝わせてもらうぞ」
わざわざ化かさずとも人間達から取り纏めてやるわ、と袂から得意げに取り出して見せるはこの前買ったばかりの携帯電話。
「すまーとほん! すごい!」
すまほすまほと大騒ぎする子狐たちをシィッと唇に人差し指を立てて黙らせてから、慣れた手つきで画面を操作する。
「任せておけ、子ぎつね共……お、妹の方か!」
電子音の呼び出しに応じた朗らかな声に、阿呂江は顔を綻ばせた。
『そうです、妹の方です』
「頼みたいことがあるのじゃ」
白灰の髪に空色の瞳の負けず嫌いな少女、
喜矢武 あいお
の顔を思い浮かべ、阿呂江は頷く。電話の後ろで聞こえているのはさっきまで耳にしていたほおずき市の賑わいと、あいおの『姉』である
アイオ・キャンドライト
の声。
寝子島で出会ったのはアイオの方が先で、阿呂江の郷がある霊界に何度も遊びに来ているのもアイオの方ではあるものの、アイオは星幽塔の住人。電子機器の一切が使えない星幽塔と連絡をとるためには、寝子島の住人でアイオと繋がりのあるあいおを挟むのが早い。とは言え今日は折よくふたり一緒に、しかも現場であるほおずき市に来ているらしい。
「渡りに船というやつじゃな」
『……なんです?』
「いや、こちらの話じゃ」
病床の父親狐を治すべく子狐たちがほおずきを必要としていること、けれど下手を打って人間に捕まらないか心配であることを手短に告げれば、
『それは大変ですねぇ……』
あいおの声が電話口で心配げに小さく沈んだ。かと思えば、
『もしかしてあいおシスターズにほおずき集めをしてもらおうと思って電話してきたんですか?』
あいおとアイオ、寝子島に暮らす少女と星幽塔に暮らす猫獣人とでMewTuber『あいおシスターズ』としてアイドル活動をしている目立ちたがりの少女の言葉に、阿呂江は肯定の返事をする。
「すまぬ、頼めるじゃろうか」
『いいえ全然! 構わないですよぉ』
ほおずきを集める手段と場所を一通り聞き、阿呂江は緋色の瞳を細める。
「では、集まったころ狐の子たちを遣わす、頼むぞ」
『それにしても阿呂江はもうスマホを使いこなしてるんですねぇ』
「うむ」
『人間の作ったものもなかなかいいでしょ──』
あいおの言葉を最後まで聞くことなく、人はあやかし以下の存在と公言しつつも寝子島に入り浸る妖狐は言い募る。
「儂は別に人間の文化に染まってはおらぬ! このスマホもあったら楽という程度じゃからな!」
ぷっ、とスマホの通話を切った途端、三角耳にふわりと柔らかくてくすぐったいものが触れた。
「ぎゃーっ」
敏感な耳に触れた花びらを悲鳴と共に手で払い、阿呂江はこんこんと花を吐く大狐を見遣る。
「難儀な病じゃな……」
埋もれて窒息してはかなわん、と壁際に立てかけられていた竹箒を手に花びらを外へと掃き出す仕事に取り掛かりつつ、手早くスマホを操作してMewTubeの配信画面を映し出す。袂から無線イヤホンを取り出して片耳に付ければ、ほおずきの集まり具合を逐一確認する準備は完了。
頃合いを見て子狐らに知らせてやろうと考えながらも、地面を埋める花を掃き出す手は止めない。
(……父上)
病に伏せる大狐壱郎太を見ていると、霊界にいる父を思い出してしまう。病に臥せっているわけではないけれど、老齢の父は一日のうちでも眠っている時間の方が圧倒的に長くなってきている。
(儂は、……)
子狐達のやり方には疑問があった。それでも、親孝行には変わりないのだろう。
(何か孝行しておったか?)
今回寝子島に遊びに来ているのも、父が寝ている隙に郷を抜けだして来たからだ。そう思えば、知らず小さな溜息が零れて落ちた。
箒を動かす手を止めることなく、阿呂江は大狐を見つめる。そこに父の姿を重ねる。
(この件が片付いたら、一度父上と話をしてみるか)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
23人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年04月09日
参加申し込みの期限
2022年04月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年04月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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