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耳福池のほとりの洞には、竹箒を手に懸命に花を掃き出す少女がひとり。
「こんにちは!」
狐耳に尻尾姿の少女の姿に海色の瞳を輝かせ、傍らを歩いていた
七夜 あおい
が元気いっぱい挨拶をする。その頭にはふかふかの三角耳、スカートの裾から覗いて揺れるはふさふさの尻尾。
「今日は」
あおいに倣って会釈をしつつ、黒髪の頭から生えた耳が気になった。自分の意思を反映してかぴこぴこ動く三角耳をつまむ
鴻上 彰尋
の仕草に、あおいがくすくす笑う。
「引っ張ったら痛い?」
「痛くは、ないかな」
束になったほおずきを片手に、ほおずき市を見て回っているときに急に生えて来た三角耳をちょっと引っ張ってみる。引っ張られる感覚があるのがとても不思議だった。
「尻尾、ふわふわだね」
言いながらあおいはひょいと手を伸ばす。ズボンから生えた尻尾をつつかれれば、知らず頬に熱が上った。
「私のもふわふわ?」
「うん、……ふわふわだ」
赤くなった頬を隠して頷くと、つられたようにあおいも頬を赤くした。尻尾を触った手をもう片手で抑え、ごめん、と照れたように笑うあおいに、彰尋は首をぶんぶん横に振る。
「子供たちに言われてほおずきを持ってきたんだ」
箒を手にした少女に伝えれば、少女は感心感心、と緋色の瞳を細めた。奥じゃ、と指し示す洞窟の通路にふわりふわり、蒼白い光が灯る。
光宿す石灯籠に導かれるまま、ふたりで進めば、その先には伏せた大狐とその世話をする子狐たち。
こんこんと咳をする度に周囲に舞い散る花々に目を奪われながら、彰尋はなんとなくの事情を察する。
「ほおずきは煎じたらせき止め、解熱、利尿作用になると聞いたことはあるから……」
きっと咳を止めたかったんだろうな、と呟く間に、浴衣姿に狐耳に尻尾つきの子らがわらわらと寄って来る。
ほおずきほおずきとねだられるまま、彰尋は手にしたほおずきを子らに渡した。
「悪戯することは良くはないと思うけど、まずはお父さんの具合が良くなることが第一だからね」
こくりと頷いた子狐たちは、ふたりの手を引いて大狐の枕元へと案内する。
「壱子ねえさま」
子らに壱子と呼ばれたのは、ほおずきの束を手にしてはエイヤと一瞬で乾かし、ぐらぐら沸き立つ湯の中へ放り込む作業をしている小麦色の長い髪をした少女。いくつもの鍋が周囲に置かれているものの、ほおずきはまだそんなにたくさんは集められていない様子。
彰尋がほおずきの束を渡せば、壱子はありがとうございますと深くお辞儀をした。
「何か手伝えるかな」
人手はあればあるほどいいだろうと申し出ながら、彰尋は大狐の周りでくるくると舞う二足歩行の狐を見遣る。柔らかな音色が笛を吹いて見たり、他の子狐たちと共にくるりくるりと舞ってみたりと、彼らなりに病床の父を元気づけようとしているらしい。
「弐郎にいさまもがんばってるの」
子狐が舞い踊る狐に声援を送る。壱子の手が足りているなら弐郎の笛に合わせて舞をしてみても良いかもしれないと思案しかける彰尋の服の袖を、あおいが小さく引いた。
「がんばろうね、彰尋くん」
「がんばろう、あおいさん」
それではと壱子が差しだして来たほおずきの束をふたりは受け取る。赤い外皮を破り、中の実を取り出して欲しいらしい。
「取り出したものはこちらの鍋に」
ぐらぐらと沸いているのは砂糖を煮溶かしたもの。さっとくぐらせ大理石のまな板の上で冷やして飴にするらしい。
「とうさまがお好きなの」
「あまくてすっぱいの」
子狐たちには難しいらしい仕事を任せられ、彰尋とあおいは顔を見合わせて腕まくり。
子狐たちにわらわらと見守られながらまずは真っ赤な外皮を破って中身を取り出す作業をひとつひとつ丁寧に行い始めるふたりのもと、
「こちらもどうぞなのですー」
純白のワンピースに包まれた細い両腕いっぱいに抱えたほおずきの束を差し出すのは、銀髪の少女
ゼロ・シーアールシー
。
ありがとうと受け取ってくれたふたりにぺこりとお辞儀を返し、ありがとうございますと微笑む壱子にもぺこりとお辞儀を返し、ゼロは布団に弱々しく横たわる壱郎太狐を煌めく銀の瞳に映す。
(ほおずき市も楽しかったのです)
風鈴の音や呼び込みの声を耳にしながら、夏の熱に身体を晒して歩くのは楽しかった。楽しさにつられてたくさんのほおずきを買って、キャッキャ言いながら駆けて行く子供たちの後を追いかけて耳福池のほとりまで来てみれば、真っ暗な洞窟に佇む石灯籠にふわりふわり、不思議な光が宿った。子供たちの姿はいつのまにか消えていた。
それでも微塵も怖がることなく光についてきてみて目にしたのは病気に苦しむ大きな狐さん。
(ここは助けなければいけないのです)
ほおずきを渡して自由になった小さな手に、ゼロはゼロが作った謎茶と謎団子を取り出す。製法も材料も不明なそれは、ゼロがあくまでお茶と主張するナニカであり、お団子と主張するナニカだ。
「究極の完全栄養食品である謎団子と謎茶の前にはそんじょそこらの病気なんて一撃必殺なのですー」
興味半分、不審半分で寄って来る子狐たちにじゃじゃん! と掲げて見せてから、ゼロは壱郎太狐が咳き込むたびに現れる花で埋め尽くされたその場にしゃがみこんだ。花びらをまな板がわりに、謎団子を犬用液体おやつでコーティングにかかる。
「美味しいかゲロまずがかわからないものをそのまま食べさせるのはゼロも気がひけるのですー」
「おいしい?」
「ゲロまず?」
不思議そうな顔をする子狐たちに、ゼロは神妙な顔で頷いて見せる。究極の完全栄養食品である謎団子と謎茶にも弱点がある。ひとつひとつ、味が完全にバラバラなのだ。実際に口にしてみなくてはその味は分からない。
「……ゲロまず?」
小さなペットボトルの中でぽこぽこ泡立つ謎茶を遠巻きに眺める子狐たちの様子に、ゼロはゼロにもわからないのですと首を横に振る。
「謎茶はまぁ、謎団子だけでは効き目が薄かった時に飲ませればいいのです」
それにお茶を液体おやつでコーティングすることは出来ない。いざとなれば普通に飲んでゲロまずか天上の美味か試すしかない。
「……おいしい?」
謎団子を遠巻きにしつつも、液体おやつにどうしようもなく惹かれた子狐がゼロの前に正座する。お手でもしかねない態度に、ゼロはワンピースのどこかに隠し持っていた液体おやつを取り出した。
「普通に狐さんにも美味しいはずなのであげるのです」
封を切って差し出せば、子供の姿に化けていた子狐はあっと言う間に元の狐の姿となった。はっしとゼロの手を両前肢で抱え込み、必死の形相で液体おやつをぺろぺろと舐め始める。
「美味しいのです?」
返事をする余裕も無く食べ終えた子狐は、満足満足なうっとり顔でその場に引っ繰り返った。子狐のもふもふ柔らかなお腹を擦り、ゼロは謎団子を手に壱郎太狐の枕元に歩み寄る。
「大きな狐さんの病気がよくなったらなでなでもふもふなのですー」
壱郎太狐は大人数人分の大きさがある。いつか見たもふもふの猫又さんよりは小さいかもしれないけれど、それでもゼロが全身でぎゅーっと抱き着いても、全身を埋めてなでなでふわふわぽふぽふしても、ふわふわ受け止められるくらいに大きい。
「おくすりなのですー」
壱郎太狐がこんこんと咳き込んだ瞬間に、ゼロは謎団子をその大きな口に放り込んだ。ぱくり、と一口に呑みこんで、途端、壱朗太のお揚げ色の毛並みがぶわわっと逆立つ。かと思えば、しおしおと元通りになる。
どうやら効果が出るにはもう少しかかるらしいと読んで、ゼロは壱郎太の鼻面を小さな手でよしよしと撫でた。
「子狐さんにもなでなでぽふぽふなのですー」
とうさま大丈夫、と不安げに寄って来た狐の姿した子狐を、ゼロは小さな身体でぎゅーっと抱きしめる。ぴこぴこ動く三角耳ごと、その頭をなでなでぽふぽふする。
壱郎太狐の様子を見ながら、ゼロは枕元で笛を吹いては舞い踊る弐郎狐の輪に混ざる。笛を受け取り、元気の出る音を奏でては、
「きつねさーんきつねさーんなでなでぽふぽふもっふっふなのですー」
狐たちのために歌って踊る。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
23人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年04月09日
参加申し込みの期限
2022年04月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年04月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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