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浴衣の裾が夕風に揺れる。黄色い鼻緒の下駄が踏み出すたびにカランカラン鳴る。
「屋台に風鈴にほおずき♪」
それだけのことが楽しくて、
宮祀 智瑜
は思わず鼻歌交じりになる。うきうき弾む胸のまま、向かうは友人の
古家 日暮
一家と待ち合わせた神社の鳥居の前。
「ちゆー!」
石段を上って境内に向かう人の流れの中、小さな歩幅でカラコロと忙しなく響く下駄の音が近づいてきたかと思えば、
「わっ」
「ちゆ!」
子猫柄の浴衣を纏ったおかっぱの幼女が飛びついてきた。
「こばわ、ちゆ!」
「こんばんは、こんちゃん!」
「ああもう、危ない言うとんのに……」
「大丈夫ですか」
追いかけて来た浴衣姿の日暮と夕にも、智瑜は朗らかに笑いかける。
「日暮さん、夕さん、こんばんは!」
そうしながらこんをぎゅーっと抱きしめれば、こんは嬉しそうにキャアと歓声を上げた。
「今日も可愛いっ」
「ちゆもかわいいっ」
ご機嫌なこんと手を繋ぎ、智瑜は宵となってますます賑わうほおずき市へと瞳を伸ばす。ほおずき売りの呼び声も、食べ物の屋台から流れてくる美味しそうな匂いも、射的の音も風鈴の音も。何処を見ても楽しそうで、こんと一緒になってあたりをきょろきょろしてしまう。
「ちゆ、音きれいね」
「風鈴ですね」
あちこちからちりちりと聞こえる風鈴の音に誘われ、竹簾にたくさんの風鈴が飾られた風鈴の傍へと足を向ける。売り物でもある風鈴は、朝顔やほおずきが描かれたもの、透明なものに青色のもの、さまざまなものが揃っていてそのどれもが涼やかに鳴っている。
「可愛いし綺麗な音……」
青色の硝子に金魚の絵が描かれた風鈴に智瑜は目を止める。今買ってしまおうか、他を回ってみてから決めようか、
(買われちゃうかな)
迷う智瑜の目前、日暮の腕が伸びた。
「智瑜んちにはほんま世話になっとるさけ」
遠慮する智瑜の手にもう買ってしまったからと風鈴を手渡し、日暮は淡く笑う。
「ありがとうございますっ」
「気にせんといて」
ひらりと手を振る日暮に深く頭を下げてから、智瑜は考える。向こうで売っているほおずきのアクセサリーをお礼の贈り物にしようか。
(夕さんに似合うかも)
耳元で赤くキラキラ揺れるほおずきのイヤリングやピアスも可愛いし、リボンの真ん中に硝子のほおずきが付いている髪留めも可愛い。
(むむむ)
悩む智瑜の浴衣の袂をこんが引く。お腹が空いたと訴えられ、智瑜は笑った。
「何食べますか?」
「たこやき!」
「いいね、たこ焼き!」
ぱちん、小さな両手とハイタッチして近くのたこ焼き屋台の行列に並ぶふたりに、先に別の屋台に並んでいた日暮と夕がりんご飴を差し入れる。食べやすいようにカットしてカップに入れられたりんご飴を皆で分けて楽しんでいれば、行列の待ち時間なんてあっと言う間。
屋台の間に設けられた休憩所のベンチに並んで座り、青のり無しで仕上げてもらったたこ焼きを皆でぱくり。カリッと香ばしく焼き上がった生地からとろっと溢れる出汁の香とぎゅむっとした蛸をはふはふ言いながら食べては熱い熱いと笑いあう。
日暮が買って来た苺味とレモン味のかき氷も皆で分け合う。たこ焼きで熱くなった口の中を冷ましてから、
「買うものを決めました!」
智瑜は浴衣の裾を揺らして元気いっぱい立ち上がった。待っていてくださいと駆けて行ったかと思えば、カラコロと下駄を鳴らして帰って来た智瑜の手には硝子のほおずきがついた髪留めのゴムが三つ。
「夕さんとこんちゃんに」
お小遣いで買える可愛い値段の可愛い髪留めセットのうちふたつをふたりにプレゼントして、智瑜は顔を綻ばせる。
(付けたら三姉妹に見えるかな?)
こんちゃんが末っ子で、夕さんはお姉さんみたいな妹で。日暮さんは親戚のお兄さん。今日はみんなでほおずき市。
考えただけで楽しくて、智瑜はこんと一緒にその場でぴょんぴょん跳ねた。
「たのしいね、ちゆ!」
「楽しいね、こんちゃん!」
浴衣姿の女の子たちの華やかな笑い声を耳にしながら、
森篠 琳子
は黒い瞳を伏せる。
赤いほおずきに溢れた景色から一転、瞳に飛び込んでくるのは涼やかな薄荷色に咲く朝顔の浴衣。踏み出す度に裾から覗く下駄と裸足の爪先がなんだか気恥ずかしくて、ますます視線が落ちる。それもこれも、
「どないしたん?」
傍らから覗き込んでくる浴衣姿の男性──秋沢 覚。先月の海開きの日に初めてデートをして以来、今回が二回目のデートのお相手。
初めて出会ったのは寝子祭だった。クリスマスにお正月、さまざまな時間にさまざまなかたちで出会って縁を重ね、そうして今年の春、就職した寝子島信用金庫の同期として再会した。
新人研修を終え、テラーと呼ばれる窓口係として勤務し始めて数ヶ月。仕事にも慣れて少し余裕が出て来た頃、同期でありさまざまに縁のあった覚と恋人としてお付き合いをすることになった。
(自然な形、……よね?)
恋愛に疎い琳子にとって、『恋人』も『お付き合い』も、下手をすると『デート』も、未だにどうにも慣れない単語だ。
高校一年生のときに父を病気で亡くして以来、母と九歳年下の妹の三人で暮らしてきた。生活の助けのため、放課後はバイトや家事に励み、女子高生らしい恋愛事に手を出す余裕なんてなかった。だから、
(デートってこんなのなのかな)
正しい『デート』がどういうものなのかさっぱり分からず、並んで歩くだけでもまだ少しぎこちない。
(……でも、今回は海開きと違って服の面積もあるし)
水着姿でのデートの始まりはもうどうしようもなくドギマギしてしまったものの、今回はそんなに恥ずかしくない、気がする。
夏の陽射しよりも熱を帯びた息をそっと吐きだし、傍らで歩調を合わせてくれている覚を見遣る。
海開きの浜辺で水着姿を見せてくれた覚は、今日はさらりとした生地の浴衣を纏っている。
(……細マッチョ……)
初めてのデートで目にした覚の、筋トレで鍛えたという上半身や足の筋肉がうっかり頭に浮かんで、琳子はぱたぱたと首を横に振った。
(はしたない)
「琳子ちゃん?」
覗き込んでくる覚と目が合った途端、ふわりと頬に熱が上って、琳子は思わず両手で顔を覆う。
「何でも! 何でもないです……!」
軽薄な口調に慣れ慣れしい態度。出会った最初の頃は好意など抱いてもいなかった。どちらかと言えば一歩も二歩も引いた態度を取っていた。話しかけられてもお愛想程度の相槌を返すばかりだった。
それなのに。
気が付けばこうして並んで歩いている。歩調を合わせてくれる優しさに気づくようになっている。浴衣を纏った涼やかな姿を好ましく思うようになっている。
(でも、私は)
隣を歩く覚に相応しい恰好だろうか。
浴衣を着てはいるけれど、きちんと似合っているだろうか。
「あの」
夏宵の暑さのせいか、覚の視線のせいかも分からず上気した頬のまま、琳子はほおずきの屋台を楽し気に見遣っている覚に声を掛ける。屋台からの声に己の小さな呼びかけが紛れてしまう気がして、覚の浴衣の袂をそっとつまむ。
「ん? どないしたん?」
「……この浴衣、似合ってますか?」
ほおずき市を行き交う人々の声を避けるように覚が顔を寄せてくる。極く自然に近づく覚の顔が思ったよりも近くて、そんなことを聞いてしまう自分がやっぱりはしたない気がして、琳子はますます恥ずかしくなる。
「や、やっぱりいいです」
「よう似合てるよ」
袂を掴んだ手がひょいと軽く引き寄せられる。人込みにはぐれぬようにと優しく手を握られ、覚の掌の大きさと温かさに、琳子は小さく息を飲んだ。
「琳子ちゃん、今日は二人だけの時間楽しもうな」
「っ……」
恥ずかしい、と思ってしまうのは何に対してだろう。
(……分からない)
恋愛初心者な琳子は、だから彼氏である覚がそういう己の態度を可愛いなと思っていることなんてさっぱり気付かない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
23人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年04月09日
参加申し込みの期限
2022年04月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年04月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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