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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
トライアド・ディフェンダーズ
【ネコナキの塔・２】
ネコナキ付近の森の防衛隊は絶体絶命であった。
原因は山火事。
小山内 海と後木 真央が放った火矢がゴブリン戦車に引火して行動不能に陥らせたまでは良かった。
だが、その火を使ってゴブリン達も火矢を真似てこちらへ向けて撃ってきたのがまずかった。
後木が仕込んでいた油壺にゴブリンが放った火矢が運悪く命中。
その油に引火して、あたりは見る見るうちに火の海と化していく。
伝令の兵士もこの火事で迂闊に近づくことができなくなってしまい、彼らは孤立してしまう。
「真央ちゃん五分リン？の食糧になるのも丸焼けになるのも猫鳴館白アリ倒壊もヤなのだ！」
既にカナリア超特急情報で、亜人の目的が捕食だと聞き及んでいる彼ら。
桜庭の埋め込んだ爆弾も、ゴブリン弓兵のデタラメな火矢のせいで先んじて爆発してしまい失敗。
ゴブリンが手先が器用なのが災いした。
「まずいね、早く退かないとボクたちも戻れない……！」
しかし、退路は既に火の海だ。
桜庭は自身のろっこん『ブレイブハート』の幸運に賭けるかどうか迷っていた。
自分が助かっても、他の仲間まで幸運が及ぶとは限らない。
リミットオーバーで自分のそばの仲間にも幸運が及ぶようにしようとも考えるが、実際、自身のろっこんがどこまで範囲が広がるかも未知数。
危険すぎるため、後退する決心が付かずにいた。
既に敵軍は指揮官のゴブリンシャーマンも到着し、火の玉を杖から打ち出して更に山火事の被害を拡散してしまう。
「おい、桜庭！ どうするんだコレ！？」
クロウディア・Wはろっこん『MachineDoll』で純白のロボとなり、ゴブリン戦車の１台を破壊しながら指示を仰いだ。
だが、桜庭は「とにかく、下がれるところまで下がる！」としか言えない。
「もーっ、熱いーっ！ 魔獣はウザイしサイテー！」
花村 チカは徒手空拳で魔獣と対峙していた。
背後は燃え盛る炎。飛び掛る魔獣に体当りされながらも、八極拳で無理矢理魔獣を後ろの炎の中へ叩き込んだ。
そこへ発射されるシャーマンの火炎魔法！
灼熱の大気が花村の頬を焼き焦がしていく。
兵士たちも既に五体満足なのは半数以下。
負傷者を治療したくても、その備えを怠っていたのも痛恨である。
彼らの誤算は２つ。
転送先が最初から各塔であると勘違いしていたため、移動時間や相談の時間を考慮できていなかった点が１つ。
もう１つは地上と地下に分かれるため、人数がどうしても他の防衛隊より小規模になってしまう。
まして物量でせめて来る相手に少数精鋭で向かうのは無理がある。
ゲリラ作戦を行うにしても、罠を仕掛ける人数が圧倒的に少なかった。
確かにブッシュトラップやゲリラはゴブリンたちをかき乱し、最初こそ数を上手く減らせていった。
しかし、テイマーの駆る虎のような魔獣は森の中を縦横無尽に駆け巡る。
敵が素直に登山道を使用するとは限らない。
防衛隊の思考の穴を突かれた結果、罠を警戒したゴブリン達に進軍ルートの迂回を許してしまっていたのだ。
更に敢えてトラップを雑兵に踏ませ、クリアになった道を魔獣がどんどん突き進んでいく！
加えて、設置した罠の殆どが置き去り無駄になってしまったことも大きい。
つまり、地上班の作戦は失敗し、敗走しているのが現状だ！
「にゃふー！ 漁民は水軍の裔なのだ戦任せろなのだ！」
後木がめげずに応射するが、素早い魔獣と森の木々が障害物となり当たらない！
こうなると白兵戦がモノを言う。
弓兵に特化していた後木が、物陰から突如現れたゴブリン兵の槍で負傷！
肩を貫かれ、弓を持つことが出来なくなり継戦不能となる。
苦悶の表情を浮かべる後木を助けようと、小山内が兵士たちにスケッチブックで号令を掛けた。
『うって！』
兵士の弓の先には、小山内のろっこん『アクセラレイトライン』で描いたライン付きの照準が付属されている。
これにより正確且つ高速で矢を射ることが可能だ。
兵士たちの矢は後木を避けるようにゴブリン兵に命中。
小山内は後木を抱えて後退し始める。
だが、そこへ魔獣を駆るゴブリンテイマーが小山内と後木を鋭利な爪で切り裂いた！
燃え盛る木の幹に２人は叩き付けられる！
「このぉ！！」
友の危機に、桜庭が矢避けの盾を捨てハルバードを振るう。
そのまま突進、まずは目潰しにと香辛料の入った袋を緩めて魔獣の顔にぶつけた！
刺激物をモロに浴びた魔獣はその場で暴れだす。
「これでどうだー！？」
魔獣の首元に得物の刃先を振り下ろし、ひと思いに命を刈り取る。
次の瞬間、桜庭は咄嗟に身を伏せ横に転がった！
魔獣の騎手の短剣が桜庭の頬の皮を切り裂き、桜庭を狙って火矢が次々と突き刺さる！
「ろっこんがなかったら危なかったねー……」
安堵する桜庭に、シャーマンの火炎弾が次々に着弾！
火の手の周りが早くなる！
気が付けば、完全に炎が周囲を囲んでいた。
これでは塔に帰還できない。
ゴブリン達は火の手を回避しつつ悠々と迂回をし、一部が塔に向かって進軍し始めている。
桜庭たちは既に死に体と看做されたのだ。
完全敗北がこの時点で決まった。
「せめて、戻って危機を知らせないと……！」
桜庭がリミットオーバーを決意したその時だった。
ネコナキ付近の森の防衛隊は絶体絶命であった。
原因は山火事。
小山内 海と後木 真央が放った火矢がゴブリン戦車に引火して行動不能に陥らせたまでは良かった。
だが、その火を使ってゴブリン達も火矢を真似てこちらへ向けて撃ってきたのがまずかった。
後木が仕込んでいた油壺にゴブリンが放った火矢が運悪く命中。
その油に引火して、あたりは見る見るうちに火の海と化していく。
伝令の兵士もこの火事で迂闊に近づくことができなくなってしまい、彼らは孤立してしまう。
「真央ちゃん五分リン？の食糧になるのも丸焼けになるのも猫鳴館白アリ倒壊もヤなのだ！」
既にカナリア超特急情報で、亜人の目的が捕食だと聞き及んでいる彼ら。
桜庭の埋め込んだ爆弾も、ゴブリン弓兵のデタラメな火矢のせいで先んじて爆発してしまい失敗。
ゴブリンが手先が器用なのが災いした。
「まずいね、早く退かないとボクたちも戻れない……！」
しかし、退路は既に火の海だ。
桜庭は自身のろっこん『ブレイブハート』の幸運に賭けるかどうか迷っていた。
自分が助かっても、他の仲間まで幸運が及ぶとは限らない。
リミットオーバーで自分のそばの仲間にも幸運が及ぶようにしようとも考えるが、実際、自身のろっこんがどこまで範囲が広がるかも未知数。
危険すぎるため、後退する決心が付かずにいた。
既に敵軍は指揮官のゴブリンシャーマンも到着し、火の玉を杖から打ち出して更に山火事の被害を拡散してしまう。
「おい、桜庭！ どうするんだコレ！？」
クロウディア・Wはろっこん『MachineDoll』で純白のロボとなり、ゴブリン戦車の１台を破壊しながら指示を仰いだ。
だが、桜庭は「とにかく、下がれるところまで下がる！」としか言えない。
「もーっ、熱いーっ！ 魔獣はウザイしサイテー！」
花村 チカは徒手空拳で魔獣と対峙していた。
背後は燃え盛る炎。飛び掛る魔獣に体当りされながらも、八極拳で無理矢理魔獣を後ろの炎の中へ叩き込んだ。
そこへ発射されるシャーマンの火炎魔法！
灼熱の大気が花村の頬を焼き焦がしていく。
兵士たちも既に五体満足なのは半数以下。
負傷者を治療したくても、その備えを怠っていたのも痛恨である。
彼らの誤算は２つ。
転送先が最初から各塔であると勘違いしていたため、移動時間や相談の時間を考慮できていなかった点が１つ。
もう１つは地上と地下に分かれるため、人数がどうしても他の防衛隊より小規模になってしまう。
まして物量でせめて来る相手に少数精鋭で向かうのは無理がある。
ゲリラ作戦を行うにしても、罠を仕掛ける人数が圧倒的に少なかった。
確かにブッシュトラップやゲリラはゴブリンたちをかき乱し、最初こそ数を上手く減らせていった。
しかし、テイマーの駆る虎のような魔獣は森の中を縦横無尽に駆け巡る。
敵が素直に登山道を使用するとは限らない。
防衛隊の思考の穴を突かれた結果、罠を警戒したゴブリン達に進軍ルートの迂回を許してしまっていたのだ。
更に敢えてトラップを雑兵に踏ませ、クリアになった道を魔獣がどんどん突き進んでいく！
加えて、設置した罠の殆どが置き去り無駄になってしまったことも大きい。
つまり、地上班の作戦は失敗し、敗走しているのが現状だ！
「にゃふー！ 漁民は水軍の裔なのだ戦任せろなのだ！」
後木がめげずに応射するが、素早い魔獣と森の木々が障害物となり当たらない！
こうなると白兵戦がモノを言う。
弓兵に特化していた後木が、物陰から突如現れたゴブリン兵の槍で負傷！
肩を貫かれ、弓を持つことが出来なくなり継戦不能となる。
苦悶の表情を浮かべる後木を助けようと、小山内が兵士たちにスケッチブックで号令を掛けた。
『うって！』
兵士の弓の先には、小山内のろっこん『アクセラレイトライン』で描いたライン付きの照準が付属されている。
これにより正確且つ高速で矢を射ることが可能だ。
兵士たちの矢は後木を避けるようにゴブリン兵に命中。
小山内は後木を抱えて後退し始める。
だが、そこへ魔獣を駆るゴブリンテイマーが小山内と後木を鋭利な爪で切り裂いた！
燃え盛る木の幹に２人は叩き付けられる！
「このぉ！！」
友の危機に、桜庭が矢避けの盾を捨てハルバードを振るう。
そのまま突進、まずは目潰しにと香辛料の入った袋を緩めて魔獣の顔にぶつけた！
刺激物をモロに浴びた魔獣はその場で暴れだす。
「これでどうだー！？」
魔獣の首元に得物の刃先を振り下ろし、ひと思いに命を刈り取る。
次の瞬間、桜庭は咄嗟に身を伏せ横に転がった！
魔獣の騎手の短剣が桜庭の頬の皮を切り裂き、桜庭を狙って火矢が次々と突き刺さる！
「ろっこんがなかったら危なかったねー……」
安堵する桜庭に、シャーマンの火炎弾が次々に着弾！
火の手の周りが早くなる！
気が付けば、完全に炎が周囲を囲んでいた。
これでは塔に帰還できない。
ゴブリン達は火の手を回避しつつ悠々と迂回をし、一部が塔に向かって進軍し始めている。
桜庭たちは既に死に体と看做されたのだ。
完全敗北がこの時点で決まった。
「せめて、戻って危機を知らせないと……！」
桜庭がリミットオーバーを決意したその時だった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2013年10月19日
- 参加申し込みの期限
-
- 2013年10月26日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2013年10月26日 11時00分
