this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
3月、お別れの季節
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【七夕】鵲の翼を渡って ~七夕ゆかたまつり 1371~
<< もどる
1
…
20
21
22
23
24
屋台で買ったたこ焼きとお茶を手に、
佐藤 英二
は参道商店街を飾る笹や短冊、色とりどりの吹き流しや折り紙の七夕飾りをひと眺め。
(風流な感じで良いね)
黒い眼をのんびりと細め、たこ焼きをぱくり。途端に口いっぱいに広がる熱に目をぎゅっと閉じながらペットボトルのお茶を慌てて流し込む。
人心地ついて息を吐いて、今度は熱々たこ焼きをふうふう吹いて冷ましてもうひとつぱくり。
急がない足取りで、浴衣姿の人々で溢れる道を辿る。
(僕も浴衣にすれば良かったかな)
持っていないからといつも通りの服装で来てしまったけれど、浴衣姿のひとが多い中での普段着姿は逆に目立ってしまうかもしれない。
注目を集めるのが苦手な男子高校生はたこ焼きを頬張る振りをしてちょっと俯く。もぐもぐ食べて、空っぽになったパックをお祭り用にあちこち設置されたゴミ箱に捨てて、道の端っこで一息入れる。ゆっくり周囲を見回せば、自分以外にも普段着のひとは結構いる。
(うん、平気平気)
うっかり赤くなってしまった気がした頬を掌で擦って、お茶をもう一口飲んでもう一度歩き始める。とりあえず、お祭りの中心である寝子島神社まで行ってみよう。
夕暮れの風に揺れる笹の音に耳を澄ませ、お祭りを楽しむ人波の流れに逆らわず、道の左右に開かれた屋台を眺めつつ七夕祭りの道を辿る。焼きそばや果実飴、金魚すくいにくじ引き。定番の屋台に混ざって、レインボー綿あめやレインボーかき氷、和菓子や雑貨の屋台もある。
(後で型抜きとか射的にもチャレンジしようかな?)
色々な屋台の佇まいを楽しむついでに、神社にお参りした帰り道に寄りたい屋台の目星をつける。そうこうするうち、目に入ったのは鳥居の左右に掲げられた大きな笹。たくさんの短冊をさらさら揺らす笹の下、巫女さんから願い事をどうぞと短冊を手渡され、英二は生真面目に願い事を考えた。
高校三年生でもあるし、予定している木天蓼大学受験の事を願ってみるのもひとつではあるけれど、
(それは自分の力で何とかなりそうな気がする)
であれば、とペンを手にする。たくさんのひとたちがたくさんの願い事を綴ったのだろう長卓の上、英二が短冊に書いた願い事は、『とあるクラスメートの女の子が落第せずに無事高校卒業できますように』。
(そう言えば野々さんは受験するのかな?)
明るい笑顔が素敵なクラスメート──
野々 ののこ
のフツウな生活が高校卒業後もずっと続くようにと笹に願いを掛けて、短冊を結わう。薄紅、淡黄、薄紫、薄青、白──たくさんの短冊が笹の常緑と共に風に揺れる様子をしばらく眺めているうち、短冊を掛けたお礼にと巫女さんから懐紙に包んだ金平糖を差し出された。
ありがとうございますと受け取り、カサリと紙を開く。黄色と水色の金平糖の一粒を手に取って口に含めば、素朴な甘さがふわりと広がった。
(美味しいね)
何故だか楽しい気分になってきて、その気持ちのままもう一粒口に入れて、思わず首を捻る。
(何だろう)
自分の願い事を脇に置いて幸せを願った女の子の顔が浮かんできてしょうがなかった。それどころか、偶然ばったり会えそうな気がしてきたのに、
「あの! 良かったら七夕祭り一緒に回りませんか!」
声を掛けて来たのは知らない女の子。
「あ、ええと、その……ごめんね」
突然のナンパに焦るあまり逃げるようにその場を離れて、どきどきする胸をひええと抑えていると、
「見たぞ見たぞー!」
背中をバシバシ元気に叩かれた。振り返れば、いつもどおりの元気いっぱいの笑顔があって、思わずとても安堵する。同時にすごく嬉しくなる。
「野々さん」
「逆ナンされてたね」
「うん、……びっくりした」
「振っちゃったの?」
黄色地に猫が賑やかに踊る浴衣を纏ったののこが不思議そうに聞いてくるのが妙に寂しくて、英二は瞳を伏せる。ののことはクラスメートで、親しい友人で、それだけだ。確かに気にはなるけれど、気さくな今の関係が気に入っている、はずだ。
ふとなにごとか考え込む風の英二にののこはちらりと首を傾げた。片手に提げていた手提げ袋の中からカップ入り綿あめを取り出し、ふわふわちぎって英二の口にぐいと押し込む。
「わっ」
目を白黒させた英二がそれでもわたあめをもぐもぐして甘いと笑えば、ののこはまた笑った。
「お祭り、一緒に回ろ!」
「うん、いくつか屋台を見つくろったんだ」
「さっすが英二くん!」
太陽のようにぴかぴかの笑顔に、英二はつられて笑い返す。
ののこが笑ってくれれば、喜んでくれれば、何より嬉しくて楽しい。こんなフツウな毎日が続けばいいなと、英二は心から願った──
<< もどる
1
…
20
21
22
23
24
このページにイラストを設定する
あとがき
担当マスター:
阿瀬春
ファンレターはマスターページから!
大変お待たせいたしました。
七夕ゆかた祭りの一幕、お届けにあがりました。
いろんな浴衣や浴衣でのいろんな一場面が書けてとても楽しかったのです。
少しでもお楽しみいただけましたら嬉しいです。
あなたをあなたらしく描けておりましたら何よりです。
ご参加くださいまして、お読みくださいましてありがとうございました!
またいつかお会いできましたら幸いです。
↑ページトップに戻る
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【七夕】鵲の翼を渡って ~七夕ゆかたまつり 1371~
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
38人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年12月20日
参加申し込みの期限
2021年12月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年12月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!