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【七夕】鵲の翼を渡って ~七夕ゆかたまつり 1371~
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『こら花遊、人間だってバラすなよ……』
『えー、いーじゃーん』
少し離れた廊下まできちんと追いかけて来た花遊に、幸次は猫の顔をしかめっ面にして怒るもどこ吹く風と聞き流され、幸次は最後の手段に出た。
『もし言ったら月に一度の猫カフェでたのむ無添加こだわり猫用ササミ、今月分無しにするからな』
ニャッ、と花遊は悲鳴を上げる。
『お、鬼!』
『鬼じゃないニャ、猫ニャ』
うにゃうにゃと話す二匹の周りには、いつのまにやら観客じみた猫たちが集まっている。猫集会の真ん中に放り込まれた心持ちになってきて、幸次は猫背を出来る限り伸ばした。
『えーっと、寝子島から二匹来ましたニャ』
近づいて来て鼻先を寄せてくる猫たちに挨拶を返す幸次の脇では、花遊がカワイイ雌猫に粉をかけている。
『眺めのいい温泉に入りたいニャ』
いつもと言えばいつも通りな花遊の後ろ頭に猫パンチを食らわせれば、ナンパされて困っていたらしいカワイイ雌猫が廊下の先にある階段を天辺まで登るといいわよと教えてくれた。
『行くぞ、花遊』
『ええー』
ごねる花遊にもう一度猫パンチを炸裂させ、教えてくれた道順を辿る。階段を上った果てには、広い屋上に設けられた露天風呂があった。視線を遮るかたちで配置された植物の間には、猫用に小さく浅めに作られた湯舟が幾つも置かれている。
二匹並んで温かなお湯にお腹を浸けて空を見る。
『天の川ニャ、花遊』
『牛乳の川みたいだ』
昔、プラネタリウムで見たような天の川がはっきりと夜空に見えて、幸次は今更思い出した。
『今日は七夕だったニャ……』
温かくなった身体をぷぷぷと振って水気を切っていると、さっき見たのとは違う女の子ふたりがブラシを手に屋上露天風呂へとやって来た。
ニャアニャアと群がる猫たちの毛並みがつやつやになるまで丁寧にブラッシングしてゆく手際に見惚れ、思わずふらふら近づいてから、
『やっば』
幸次は足早にその場を離れる。流石に、同学年の女の子にブラッシングをしてもらうわけにはいかない。
(スキー合宿の二の舞はゴメンだ……!)
慌てて離れる灰虎猫の背中がちらりと見えて、夏朝は首を傾げる。
「ブラッシングは好きでない猫さんかな?」
視線で追いかけようとして膝に乗った猫にニャアと催促され、夏朝は再び丁寧なブラッシング作業に戻る。でもその前にひとこと、
「他にやってほしい事があるならそっちでもてなすよ!」
好きではないことを無理にする気はないけれど、その他にも出来ることはきっとあるはず。たとえば撫でて欲しいとか、一緒に温泉に入るとか。望むなら腕枕だって腹枕だってやぶさかではない。
「素敵な猫達、ブラッシングは好きかな?」
寄って来る猫たちに声を掛けては優しい手つきでブラシを動かしている夏夜もきっと同じ気持ちだ。
つやつやになった猫たちがふたりの周りをぐるりと囲んで寛ぎ始め、夏朝と夏夜は一仕事を終えた職人の顔で笑みを交わす。浴衣の膝の上に乗って来た猫に請われてつるつるつやつやの背中を撫で始めれば、わたしもわたしもと他の猫たちがまた寄って来た。
「沢山撫でるよ」
「長い毛並みも短い毛並みも、それぞれ良い物だね」
猫たちが望むままに撫で続けながら、夏朝と夏夜は瞳を細める。温泉には猫たちの毛並みを良くする成分でも入っているのかもしれない。更にブラッシングも済ませた猫たちは、みんなみんなとても良い撫で心地で、撫でている掌も指もとても気持ちが良かった。
存分に撫でられて満足した猫たちが一匹また一匹と立ち上がる。尻尾ご機嫌にぴんと立てて向かうのは、屋上の端っこに設けられた猫用の湯舟。屋上の端に沿って長細く造られた湯舟には、浅くはあれど足湯に見えなくもない。
一緒に浸かれとばかり顔を見上げて繰り返し鳴かれ、夏朝と夏夜は顔を見合わせる。
「うん、でも」
「うん、そうだね」
折角だし、とふたりは湯舟の縁に並んでちょこんと腰を下ろす。湯屋の灯りに照らし出されているのは、眼下の中庭。見上げれば折り重なるように連なる青銅の屋根や空中に突き出した部屋が見えて、ふたりは湯屋の建物の複雑な設計に目を瞠る。
ふたりを挟むようにずらりと並んでお湯にお腹を浸し香箱を組んで寛ぐ猫たちの身体からはふわふわと毛が流れ出てしまうけれど、夏朝は気にしない。
「仕方ない、猫さんだからね」
足にくっつく猫毛に小さく笑う夏朝が楽しそうで、だから夏夜も猫の毛は気にしない。猫や夏朝が心地よさそうならそれで良い。
温泉から上がった後は、ぽかぽかになった身体を覚ますために星空の下に筵を敷いた休憩所で一休み。
眠る猫たちに腕枕を提供し続けてみたり、目覚めた猫と一緒に遊んでみたりしながら、夏朝は楽しくて仕方がない。
「猫さん達が沢山喜んでくれたら僕達も嬉しい」
痺れた腕も何のそのと笑う夏朝に、夏夜も微笑みを返す。猫たちのこともそうだけれど、
(夏朝が喜んでくれたなら僕も嬉しい)
猫たちも、猫たちと遊ぶ夏朝も、写真に撮りたくなるけれど、
(猫達がOKな時以外は我慢だ!)
今はぐっとこらえる。
遊び疲れた猫たちがふたりの周りでぽてぽてと横になり、たちまちすうすうと気持ちよさそうな寝息を立て始めて、ついでに夏朝もつられたようにころんと転がって、夏夜は初めてスマートフォンを取り出した。
(こんなことになるなら)
デジタルカメラも持ってくれば良かったと思うけれど、持っていないものは仕方がない。眠っている猫たちの邪魔をせぬよう、フラッシュ機能もシャッター音代わりの電子音も切って猫たちの姿を記録する。
「楽しい七夕」
猫たちに塗れながら微笑む夏朝を撮り、
「そうだね、今日は七夕」
屋根のあちこちに飾られた笹も写す。屋根の上まで行くことはできないものの、屋上の端っこにも五色の短冊を掛けた笹が飾られていた。
「猫さん達と、夏夜ちゃんと一緒の七夕」
夢見るように囁きながら、夏朝は頭上高くに見える星空に、星空に輝く天の川に両手を伸ばす。
「あとで、短冊に願い事を書こうか」
「そうだね、書こう」
猫がじゃれて楽しめるかも、と隣にそっと寝転がってくる夏夜に、夏朝は笑いかける。
「夏夜ちゃんはどんな願い事を書く?」
「僕は、……」
夏朝の心の片隅に生まれて、いつ頃からかずっと願っていた強い願いはもう叶った。
夏朝とは別の身体を得て、夏朝の隣にこうして一緒に居ることが出来ている。
「夏朝や皆が幸せに過ごせますように、かな」
「いい願い事だね」
「夏朝は?」
「僕はね、」
夏夜と同じに、願い事は色々と叶っている。だから、願い事はひとつ。
「猫さん達や皆が幸せに過ごせますように」
「……いい願い事だ」
よく似たふたりはよく似た願い事が嬉しくて笑みを交わす。まだまだ、出来るだけ長くここで猫たちと過ごしたいけれど、
(帰るときには手を振ろう)
そっと、またの出会いを願って手を振ろうと夏朝も夏夜も思う。そうしてふたりで言おう。
──楽しかったよ……それじゃ、また
──それじゃ、またね……素敵な温泉郷と猫さん達!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
38人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年12月20日
参加申し込みの期限
2021年12月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年12月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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