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【七夕】鵲の翼を渡って ~七夕ゆかたまつり 1371~
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住居部分でる二階から作業場と化している一階へ降りる。元々は土蔵であったおかげか、初夏の頃となっても室内が涼しいのはありがたかった。
窓からの光が差し込む作業場の端に据えた丸卓の上、小さな瓶に入ったお神酒を供え、出掛けてくると伝える。返事に似てチンチンと鋼の風鈴のような音がする方を見遣れば、古びた箪笥の天板に小さな妖たちの姿があった。
元家具工場に置き去りにされていた古道具が化けた付喪神たちが、小さな七つの水盤に何かの葉を浮かべたり縁を叩いて漣を立てたりと忙し気に動き回るのをうっかりしばらく眺めてから、
神代 千早
はこの春から住処にしている家を出た。
まだまだ色を残す紫陽花の小径を辿り、住宅街を抜ける。猫又川にかかる橋を渡って旧市街に入ると、浴衣を纏った人々の姿がちらほらと目についた。
(七夕ゆかた祭り)
参道商店街入口付近の電柱に貼り付けられたポスターの文字を読む。視線を延ばせば、商店街のあちらこちらの軒先には緑も鮮やかな笹や色とりどりの七夕飾りが掲げられ、道には賑やかな屋台が並んでいる。
夕風にさらさら揺れる笹の葉の音に誘われ、祭りの人波にふらりと足を踏み入れる。参道商店街の先に見える赤い鳥居を眺め、
「……ん」
茜空に細めた視界の端、白い猫の尻尾を見た気がして目で追って、
「……ん?」
眼鏡の下の目を瞠る。
見慣れた参道商店街の景色が、一瞬のうちに違うものとなっている。足元には緩やかな石段、左右には青々とした葉桜、そうして石段の果てには弁柄と柿渋の朱、青緑の錆が覆う銅屋根の巨大な建物。咄嗟に来た道を振り返っても、見知らぬ石段の道がどこまでも続くばかり。白い石段を登って来るのは、ひとではなく猫ばかり。
にゃあ、と脛に胴を擦りつけてすり抜けて行く三毛猫を視線で追う。猫たちが向かうのは、階の先の建造物。
「こんな建物があった記憶がないな」
思わず呟く。数年住んで見知らぬ筈もないし、と首を捻る。
違法建築じみていっそ芸術的なほどに重なり連なる屋根の上には、細工の凝った吹き流しや網飾りに紙衣、巾着にくず籠、折り鶴。それから五色の短冊で飾られた無数の笹が立てられている。
何故あんなところに、とますます首を傾げる千早の耳に、
「よう起こし」
柔らかな訛を含む声が触れた。シーサイドタウンに越して来た春から時々顔を合わせるようになった声の主──
古家 日暮
を見遣る。
「いやあ、よう来てくれた、助かった」
浴衣姿の背や頭、両腕にも猫を抱えた不思議な格好で情けない顔をする日暮から、此処が『ねこ温泉郷』であること、今日が人間がお猫さまを接待する『浴衣デー』であること、とにかく文字通りの人手が足りないことなどを聞き、千早は浴衣姿ではない己の恰好を見下ろす。
「かまへんかまへん、あっちに着替えも着替える場所もあるよって」
頼みます、と頭を下げる日暮に頷き、千早は石段を登り始める。もたげた視線の先にあるのは、猫たちが次々に潜って行く観音開きの立派な扉と、その上に掲げられた『湯屋』の扁額。
「ここ、……ねこ温泉郷!?」
「ねこ温泉郷……」
後方では嬉しそうな声が聞こえている。どうやらまた、『人手』候補が迷い込んで来たらしい。
「日暮さんも久しぶり!」
周囲を見回す
恵御納 夏夜
と手を繋ぎ、
恵御納 夏朝
は猫まみれな日暮に挨拶をする。
「元気にしてたなら嬉しいな」
「おおきに、おかげさんで元気にしとるよ」
以前は、温泉郷の奥に住むという巨大な白猫『猫又さん』に連れられたおかげで猫たちがいっぱい寛ぐ楽園のような温泉を訪れることができた。その際にも顔を合わせた日暮の返事に、夏朝は淡く瞳を細める。
日暮から『浴衣デー』についての説明を聞きながら、夏朝は久しぶりのねこ温泉郷を見遣る。
(そうだ)
隣で真剣な顔つきで日暮の言葉に耳を傾ける夏夜の手をぎゅっと握る。
(夏夜ちゃんと来れたのは初めてだ!)
以前に来たときは、願いが叶うという噂のある『猫又さんの寝床』で、本物と見紛うばかりの夏夜の幻と一緒に過ごした。あの夏夜はほんものではなかったけれど、それでも嬉しかった。
しかも今回は、ほんものの夏夜と一緒。手を繋げる、顔を見合わせて笑いあえる。
「夏夜ちゃん」
「ん?」
「一緒に来れて嬉しい……!」
栗色の瞳を輝かせる夏朝に、夏夜は頷いて返す。
「僕も、夏朝と並んで来れて嬉しい」
ところで、と夏夜はほんの僅かに厳しい顔をする。
「『浴衣デー』というもののために呼ばれた、という経緯でいいのかな」
夏朝に危険が及ばぬか警戒する夏夜に、日暮はのんびりと頷く。
「うん。危ないことは何もないさけ、心配いらん。お猫さまにこき使われるだけ、……あ痛! すんまへん、すぐ温泉まで抱っこして連れて行きますよってに……!」
頭の上の白猫からぺしぺしと猫パンチを食らわせられて『湯屋』の建物へと急ぎながらも、日暮は浴衣と更衣室のある建物の場所をふたりに示す。
「ほな頼んます……!」
「可愛い猫さん達に楽しんでもらえるなら、よろこんで!」
「猫をもてなす役目を果たすとしよう」
大変そうな日暮を羨ましそうに見送り、夏朝は夏夜と並んで石段を駆け登る。猫用の大扉から少し離れた、人間サイズの勝手口からちょうど出て来た藍染浴衣姿の青年に会釈し、中が空であることを確かめて衣装室兼更衣室へ入る。
十畳ほどの小部屋には作り付けの天井まであるさまざまの浴衣が詰め込まれた棚と、姿見や化粧台が置かれていた。
化粧台に山積みにされた髪飾りにも惹かれつつ、夏朝が選んだのは橙色の猫柄浴衣。夏夜が選んだのは夏朝と対になるような空色に猫柄の浴衣。
お互いに手伝いながら浴衣を纏い、お互いの可愛い浴衣姿に顔を見合わせて微笑み合って、ふたりは張り切って猫たちをもてなす仕事に取り掛かる。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
38人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年12月20日
参加申し込みの期限
2021年12月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年12月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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