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【七夕】鵲の翼を渡って ~七夕ゆかたまつり 1371~
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梓 智依子
が寝子島に住み始めたのは、十四歳の頃だった。
(もう四年になるのね)
白地にレトロ柄の浴衣姿で、智依子は夕暮れ色に染まる参道商店街を眺めやる。夏の始まりを思わせる強い日差しが沈み、海からの風が流れ来れば、商店街に飾られた笹の葉は涼し気な音を立てて揺れる。
色とりどりの飾りや人々が結んだ短冊が笹の葉と共にさらさらと揺れるさまが楽しいのか、手を繋いで隣を歩いている四歳になる娘の楓の足取りはご機嫌だ。
舌ったらずな声で歌う七夕の唄が可愛らしくて、水色の金魚柄の浴衣を纏った小さな身体が愛おしくて、思わず薄墨の瞳を細める。
祖父母に呼ばれて寝子島に移り住んで来た四年前は、娘はまだ乳飲み子だった。地主である祖父母が優しくしてくれたお陰で経済的には不自由はしなかったが、娘を育てるために一心不乱だった。十四歳から十七歳までは遊ぶ余裕など微塵もなかった。
まだまだ七夕祭りの続く寝子島神社を振り返る。
娘がある程度聞き分けてくれるようになって、高校にもまた通えるようになった。祖父母は無理をするなと言ってくれるけれど、せめてもの恩返しがしたくて始めたバイトも、紆余曲折はあったもののシフトも徐々に埋められるようになってきている。
おまつりたのしかったねえ、と娘が笑う。
「そうね、楽しかったね」
ゆかた祭りは、娘を出産してから初めて心身に余裕のある状態で迎えられたイベントだった。
一緒に寝子島神社の七夕祭りへ行った友人たちが夕暮れの街で手を振っている。幼い娘を連れて行っても嫌な顔ひとつせず、可愛い可愛いと一緒に遊んでくれた。笹に願いごとを書いたり、屋台を巡ったり、路地の奥にあるレトロカフェでお茶を飲んだりしてくれた。
あとでお邪魔するね、と笑う彼女たちに、待ってるねと手を振り返す。
七夕祭りを楽しんだあとは、智依子と楓が住んでいる旧市街の家の庭で花火をする約束になっている。
「はなびたいかい、しよーねー!」
元気いっぱいに手を振る娘に、花火いっぱい持って行くからね、待っててね、と口々に声を掛けてくれる友人たちに感謝の笑顔を向け、智依子は楓と手を繋いで一足先に家路を辿る。
きっと祖父母も『花火大会』のために色々と準備をしてくれている。
西瓜を切らなくちゃ、麦茶もたくさん沸かさなくちゃ、と智依子と楓が七夕祭りに出かける前からうきうきと忙し気にしていた祖母の顔を思い出す。祖父も花火を買いに行くのだと張り切っていた。友人たちが家を訪れる前にふたりを手伝いたいと思うと同時、ありがたさに頬が緩んだ。
打ち上げ花火の類はほとんど手に入らなかったとしょんぼりする祖父の肩を、楓が小さな拳でとんとんと叩いている。
祖母が用意した西瓜や水ようかんに歓声を上げていた同級生たちは、今は手持ち花火をそれぞれ手にキャアキャアとはしゃいでいる。
いつもは静かな庭の夜闇に色とりどりの花火の花が咲くのがとても美しくて、同級生たちに誘われた楓が弾けるような笑顔で駆けだしてゆくのが嬉しくて、智依子は祖母と縁側に腰掛けて微笑む。
最初はおっかなびっくりだった楓も、一本二本と花火を手にするうちにあっという間に慣れた。
「きれい! はなびきれいねえ!」
瞳を輝かせて笑う娘の笑顔が何よりも素敵で、母である智依子の笑みは深くなる。
(……私は、この子を守る)
たとえ自分がどんな目に遭ったとしても。
バイト先で遭遇した理不尽な暴力を思い出し、知らず眉間が強張る。怪物にもた似た元凶は今回は駆逐されたけれど、この先もまた同じような目に遭わないとも限らない。
「どうしたの?」
ほんの一瞬見せてしまった険しい表情を見逃さず、膝元に駆け寄って来て心配してくれる娘に、智依子は笑みを浮かべて首を横に振る。なんでもないのよと優しく頭を撫でる。
(……そうよ、私はあきらめが悪いんだから)
四歳の娘を膝の上に抱え上げ、その小さくて柔らかな身体をぎゅっと抱きしめる。
なによりも愛しい子。
自分よりも大切な子。
(この子を立派に育てる、と決めたんだ)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
38人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年12月20日
参加申し込みの期限
2021年12月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年12月27日 11時00分
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