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6月の雨の中
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●
八神 修
の部屋――星ヶ丘寮なので一般の感覚とはやや趣が異なるが――では、小さな同居者達の合唱がこだましていた。
増えに増えた5匹の仔猫に、犬が一匹。皆、かわいいさかりだ。
一番の甘えん坊なのは、最初に修の部屋にやって来た白い仔猫のミルク。
ミルクは机に向かう修のスラックスの裾を、たすたすと前足でつついたり、鼻先を擦り付けたりして、猛アピールしてくる。
「うん? ミルクどうした……ああ、もうこんな時間なのか」
修が視線を向ければ、白い尻尾を一層ピンと立てて、愛らしい鳴き声をあげる。
猫が尻尾を垂直に立てるのは、小さい頃に母猫にお尻を舐めてもらっていた頃の習性。尻尾を立てる事によって自分の存在を主張し、構ってもらいたいという意思表示であると言われている。
当然、深い親愛の情を表しているもので、飼い主への信頼と好意に他ならない。
「そう言えば朝から勉強詰めで、休日なのにあまり構ってやっていないな」
すまないな、ミルクと頭を撫でれば、気持ち良さそうに目を閉じる。
桃色の唇は、心なしか笑っているようにも見えて、小さな体を抱き上げた。
「散歩にでも行くか?」
顔を近づけて問い掛ければ、柔らかな舌でペロリと頬を舐められた。
(ああ……ペロペロしてきた)
ほっこりしつつ運転手に車を出すよう指示し、ちょっぴりよそ行きの服へ。
出かけるの? と、じっと見上げてくる他のペット達の頭も、一撫でする。
「皆、順番に連れて行くから、いい子で待っててくれな」
目指すは、旧市街でウィンドウショッピング。
せっかくの予定の無い休日だ、午後はミルクとデートと洒落込もう。
修と同じく星ヶ丘から旧市街に向かっていた
御巫 時子
は、ふと学校前で足を止める。
(尚輝先生も、今日はお仕事はお休みですよね……ふふ、明日またお会い出来ますよね……?)
そっと女性らしい ふくよかな胸に手を当てて目を閉じれば、チチチ……という
五十嵐 尚輝
教諭の、頭の上の鳥の囀りが聞こえる気がした。
ポツリと弾けた雨粒に、時子は瞼を持ち上げる。
「あら、雨……? どうりで、鳥さん達が見当たらないはずですね……」
遠ざかる校舎に後ろ髪をひかれながらも、トレードマークである ゆったり編んだお下げ髪を揺らしながら、時子は小走りに駆ける。
しかしアスファルトには、すぐに暗い染みが広がって。このままでは彼女の艶やかな髪も、ふんわりしたスカートも、水を含んで重くなるのは時間の問題だろう。
「はぁはぁ……どうしましょう……」
ポシェットから羽根の刺繍のハンカチを取り出すと、頬や肩を濡らし始めた露を押さえる。
息を切らせながら、時子は諦めて雨宿り出来る場所を探した。
と。時子を追い越した高級車が、パッパッと軽いクラクションを鳴らして停車し、後部座席から顔を覗かせた少年が、声を掛けてきた。ミルクを膝に乗せた、修だ。
「御巫、だよな? どこへ向かってるんだ?」
「まあ、八神修さん……? ええ、私、旧市街にお買い物に……突然降って来て……」
困ったように微笑む ほんわりとした印象の時子が、自分を覚えていてくれた事に、修は嬉しい驚きを感じつつ車に乗るよう勧めた。
「それは、助かります……お言葉に甘えて、宜しいのでしょうか……?」
「ああ、勿論だ。スペースは十分にあるし、いくら夏とは言え女性が濡れたままなのを放っておくのでは、男が廃るからな」
「ありがとうございます……」
深々と頭を下げる時子を、後部座席のシートに招いてしばらく走れば、
後木 真央
からのメールが修のスマホに届く。
『修ちゃん修ちゃん、今日は外に出るとほっこり気分になれるのだ♪ 是非、外のお散歩お勧めするのだ♪ 真央ちゃん駄目元で、これを薫ちゃんとマダムちゃんに教えてくるのだ♪』
目を通した修の唇に、微笑が浮かんだ。
そう言えばさっき、友人の
霧生 深雪
が何故か
ロベルト・エメリヤノフ
と手を繋いで歩いているのを見かけた。
ロベルトの尋常ならぬ幸せそうな顔に、邪魔をしては悪いのかと思って、挨拶するのを遠慮してしまったが……声を掛けた方が良かったろうか?
深雪の身の安全的な意味で。
「ふむ……まあ、深雪は強いからいざという時は、自分でどうにかするだろう」
「どうかなさったんですか……? あら、あれは茂さん……?」
どつき漫才の様相を呈しながら、
海原 茂
と
鷹取 洋二
の二人が手を繋いで歩いていた。
「どうして手を繋いでるんだ……? 止めてくれ、この先は歩く。連絡するまで、自由に過ごしてくれればいい」
「修様、傘を」
「ああ、ありがとう」
ミルクを抱っこしたまま、運転手から2本の傘を受け取り、1本を時子に手渡し自分も傘を差す。
「ありがとうございます……あの、もし差し支えなければ、この傘、茂さん達にお貸ししても……?」
「勿論だとも。返すのは、いつでもいいよ」
ぺこりと頭を下げた時子と、共に茂達の方へ向かえば、屋根のある場所を選んで歩く上級生達のコントが聞こえてきた。
「いい加減にしてくださいよ、先輩」
「だから、さっきから俺の傍に寄るなと言ってるだろう」
「申し訳ないんですが、先輩の気持ちにはお応え致しかねますし」
「人の話聞け、ワカメ」
マイペースな洋二に、茂の青筋がヒクヒクしている。
だが洋二は、そんな茂を哀れみの目で見つめた。
「僕に嫉妬してるんですね、先輩。無理も無いですが、先輩には先輩のいいところがありますから、そう落胆しないで欲しいな」
「……お前と話してると、時々すごく疲れる」
(ああ神魂か)
先ほどの真央からのメールの “ほっこり” の意味を悟る、修。
一方、時子は二人を仲良しと信じて疑わない。
「茂さん、洋二さん、こんにちは……お二人は、とても仲がよろしいんですね……」
穏やかに笑いかけながら、時子は話しかける。
「! 御巫……買い物か?」
咳払いする茂、洋二は片手を軽く挙げた。
「ええ、お茶の葉を買いに……。茂さん達はどちらへ……?」
「俺は主に食材を買う予定だ。重くなりそうなんで、鷹取にも来て貰ったんだが」
視線が気になるのか、茂は珍しくムキになって手を引っぺがした。
「実害は無さそうですが、困ったもんですね」
修が苦笑した。
「……そっちは、どうして平気なんだ?」
仔猫と傘で両手が塞がっているから、ともとれなくもないが……。首を捻る茂に、修は横向きになって見せる。
「ああ、実は俺も繋いでるんですよ。ほら、見えますか?」
注目すれば、小さな前足が修の指をしっかりと押さえているのが、見て取れる。
くすりと笑う修に、なるほどと茂は頷いた。
「茂さん、あの……傘を……。宜しければ、お買い物、ご一緒しませんか……?」
控えめな時子の提案を、茂は快諾した。
「良かった、嬉しいです……。以前、お買い物を
手伝って
頂きましたし、何かお手伝いが出来たらと、思っていたんです……」
「そ、そうか。ああ、傘は俺が持とう」
近づいて傘を受け取った茂の手が、空いた方の手で時子の手を握った。
時子はそれを茂の優しさと受け取り、素直に礼を言ったが、後輩男子二人はそれを茂の下心と受け取った。
(生徒会長……今の、絶対わざとだろう……)
確かに、時子と手を繋いで手に傘があれば、洋二と手を繋がずに済むし、何より愛らしい少女と手を繋げるなんて、役得以外の何ものでもない。
海原茂、あなどれない男。
やがてたどり着いた商店街で、彼等はあれこれと品定め。
ペット入店お断りだったため、修はミルクと屋根のある所で、買い物が終わるのを待っていた。
するとどうやって嗅ぎ付けてくるのか、どこからともなく猫達が集まってきて、足元に擦り寄りながら修を見上げる。
「ん? ああ、もしかしてお前達も手を繋ぎたいのか?」
尋ねれば、ナァーンと長い声。
そうか、とミルクを抱えたまま屈みこみ、手を伸ばせば、それぞれ「お手」のように前足を乗せてくる。
中には両足を乗せて直立し、ピンと尻尾を立ててドヤ顔で鳴いて見せる猫までいて、つい笑ってしまった。
(かわいいな……)
左手のミルクに目を落とせば、修の指をしっかりと押さえたまま、ごろごろと喉を鳴らしている。
目を細め、後でミルクのために何か買ってやろうと、心に決める修だった。
「茂さん……きゅうりは、太さが均一のものがいいですよ……」
「む。じゃあ、この曲がったものは、避けた方が無難か?」
値段が安いワケあり商品のパックを手にとって吟味していた茂は、アドバイスを聞いてそれを戻しかけたが、時子はゆるりと首を横に振った。
「いいえ……太ささえ均一であれば、真っ直ぐでなくても構いませんよ……。まあ、そのきゅうり、たくさん入ってお買い得ですね……。余ったら、お漬物にしてもいいかもしれません……お弁当に入れられますし……一品増えれば、食卓も華やぎますから……」
「なるほど! さすがだな、御巫。俺だけでは、そこまでの判断は出来なかった。本当に助かるよ」
茂の賛辞に、時子は はにかむ。
「あ、茂さん……後でお茶屋さんに寄っても良いでしょうか……?」
「そうだったな。俺はこの店で揃うから、すぐに寄らせてもらおう」
「お荷物……私にも持つのを手伝わせてください……」
「いや、重いしこれは俺達で……」
会計を済ませて、店を出た彼等。申し出を丁重に断ろうとする茂だったが、時子の寂しそうな瞳に胸を射抜かれて、手にしていた ごく軽い葉物野菜の袋を手渡した。
「じゃあ、これを頼んでいいか?」
「任せてください……」
嬉しそうな時子に、頬が緩んだ時。
修が頭や肩、背中まで猫に乗っかられて、猫まみれになっているのが目に入った。
一寸、呆気に取られるが、助けた方がいいか、と猫を一匹ずつ離してやった。
そうして気を取られているうちに、茂と洋二はまた手を繋いでしまい、苦虫を噛み潰す。
「仲が良い事は、良い事ですよ」
片手では荷物が持ち辛かろうと、修も買い物袋に手を伸ばす。
そうして買い物を済ませ、彼等は修の車で帰路につく。
猫鳴館で別れる際、時子は購入した煎茶とほうじ茶を、茂にプレゼントした。
「良かったら、お食事の時にでも……。でも、コーヒーの方が、良かったでしょうか……?」
「いや、和食の時に飲ませてもらうよ、ありがとう。八神も助かったよ」
「なんのこれしき、お安い御用ですよ」
「それじゃ、また明日学校で」
「はい……今日はありがとうございました……」
見送る彼らに手を振って。時子はその手を、じっと見つめる。
兄のように慕っている茂が、繋いでくれた手の温もりを思い出し、にこりと微笑んだ。
「さて、次は誰とデートするかな」
「まあ、たくさん猫ちゃんが居るんですか……?」
「ああ」
疲れてしまったのか、膝の上で丸くなって眠るミルクの背をそっと撫でながら、修は破顔する。
「皆、大切な家族だよ」
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グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年10月28日
参加申し込みの期限
2013年11月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年11月04日 11時00分
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