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寝子島電鉄霊界線 赤朽葉駅(1)
小鬼どもは、『あまんじゃく』といった。いわゆる天邪鬼、何にでも異議をとなえるひねくれ者や素直じゃない態度を指す言葉の語源となった妖怪だ。その祖をたどれば、日本神話における女神の一柱へたどり着くが、ここではさておこう。
問題のあまんじゃくは風船めいたまんまるボディで、大きさはバレーボールほどだろうか。はりがねのような細い手足に二本の角、無邪気な笑顔はまるでイタズラ好きな子どもといった風情である。
実際このあまんじゃくはイタズラ好きであり、人間やおばけにとり憑いては、思ったことと反対の言葉をしゃべらせてしまうという困った性質を持っているらしい。そんなのが数え切れない程の数、ここ寝子島シーサイドアウトレットの敷地内にわらわら広がっているのだから大変だ。
「あっはっはっは!」
そんな状況に巻き込まれ、
水上 桜
もやけっぱち気味に叫んだ。
「フツウ大好き!」
無論のこと本心ではないのである。
桜ほど日常を愛し非日常を憎む女子高生もおるまい。寝子島におけるいわゆる『フツウ』な現象にさんざ巻き込まれ、翻弄され、すっかりやさぐれてしまった。フツウ許すまじ、ファ○キンフツウである。
そんな彼女の頭には今二本の角が生えており、口から勝手に飛び出すのは思考とは真逆の言葉ばかり。
「フツウ大好き! おばけとか最高よね! 寝子島が荒れ放題で、なんて楽しいのかしら! はっはー!!」
まいった。桜は頭を抱えた。
発する前向きな言葉の羅列に反して、ふつふつと煮えたぎる怒りが湧き出してくる。マジギレ寸前だ。
「……ふっ……最高だわ(訳:冗談じゃねえ)」
原因は分かっているのだ。目の前をすてててと軽やかに駆けてゆく、このボールのような小鬼。こいつだ。こいつらが悪いのだ。悪の枢軸なのだ、誅すべき巨悪の根源なのだ。
聞けばシーサイドアウトレットの片隅に停車中なあの電車、魔行列車とやらに乗せてやればいいらしい。
「いっぱい遊びましょうね、小鬼さん」
に゛ーっこ゛り゛♪
隠しきれない感情が滲む凄絶な笑みに、さしものイタズラ小鬼も泡を食って逃げ出した。
何もあまんじゃくの存在に依らず、言葉と感情は別物だ。時に人は心にもないことを口走り、方便を口にする。心ないウソも優しい嘘も、人間の心の作用としてごく当たり前の働きなのだ。
「まう、猫きらい」
「まうまうも、猫はきらい」
とはいえ、である。
二人の
穂現 まう
は、悲しそうにへにょりと眉を下げ、見つめ合う。
「まうまう、きらい」
「まうまうも。まう、きらい」
「……猫、いないといいね」
「うん……猫なんて、見たくないよね」
まう自身も、ろっこんで現れるまうまうも、猫又となっていたのは嬉しかった。互いの姿を目にして心が躍った。
しかし次の瞬間口から飛び出した言葉には、端的にいってヘコんでしまった。嘘と分かっていても、口にするだけでも心が沈んでしまう。
「でも……」
「うん」
まうまうはまうの分身であり、まうはまうまうにとって等しい存在だ。双子の姉妹よりも近しい相手だ。
互いの信頼に揺るぎないことは、二人にとっての救いとなった。
「まうまうなんて、信じてないから」
「うん。まうのこと、信じない」
そっと、それぞれの額にぴょこんと生えた角に手を伸ばす。
途端に、ぽんっ! 二体のあまんじゃくが飛び出して、すててと駆け出した。うっかり逃してしまいそうになるが、そこは猫又の瞬発力が活きて、すぐにむぎゅっと捕まえることができた。
無邪気な顔のあまんじゃくたちに飴玉をやると、喜んで魔行列車へ戻ってくれた。
それを見送り、まうとまうまうはうなずき合う。
「みんな、困ってるよね」
「うん。行こうか」
「うん。行こう」
あまんじゃくたちはまだまだたくさんいる。心ないことを口走ってしまい、傷つく人もいるだろう。悲しい思いをしてしまう人もいるだろう。
二人は駆けだした。
まうが跳んで、角に触れる。あまんじゃくがぽんととび出し、まうまうがそれを捕まえる。
抱き締めながらに飴玉ひとつ、あまんじゃくは上機嫌。嬉しそうに弾んで列車へ帰ってゆくし、そうでないやつは投げ入れてやればいい。やっぱり嬉しそうに飛んでいった。
そうして二人は、あまんじゃくに憑かれた人々を救ってゆく。
「……まう。あの人は?」
二人の脇をずどどどどっと走り抜けていったのは、桜だった。
「小鬼ちゃん可愛いわね、最高! おばけ最高! もうフツウって最高ー! 寝子島がずーっとフツウならいいのに! あーっはははははは!」
笑っているが、笑っていない。何とも形容しがたい形相で、次々にあまんじゃくをひっつかまえては魔行列車へぶん投げてゆく桜の姿に、まうとまうまうは顔を見合わせる。
「助けてあげよう」
「うん、そうだね……あっ」
「まだまだ遊び足りないわ! どんどん来なさい小鬼ちゃん! どんとこい! フツウどんとこーーーい!! はははははははーーーー!」
笑っているが、哭いていた。そうしてあっという間に走り去ってしまった。
「……大丈夫そうだね」
「うん。強い人だね」
桜はきっと大丈夫だ。今日の経験を糧に、明日の寝子島でも強く生きて行けるだろう。
そう納得して、まう、まうまうは再びあまんじゃくを追う。桜は走り続ける。
まだまだ、夜は長い。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ホワイトシナリオ(100)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
コメディ
バトル
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
67人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年03月14日
参加申し込みの期限
2021年03月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年03月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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