希望＜ネガイ＞が現実＜ホント＞になるところ。それがらっかみ！｜リアクション

希望＜ネガイ＞が現実＜ホント＞になるところ。それがらっかみ！

【４】テオ＆ミラのにゃんにゃんもっふもふランド
　四月一日の朝、目覚まし時計の音で曖浜瑠樹は目を覚ました。少しの眠気が残っているのか。目を擦りながら上体を起こす。
「……誰だよぉ。鳴らしたのは～」
　その時、枕元に置かれたウサギの縫いぐるみのラピちゃんに目が留まる。肩を寄せて座っていたカプセルギアのラズちゃんとは色違いの姉妹のようであった。更に二体の脚には白猫のリコーダー入れのマティエが仰向けに寝ていた。
「そうだよぉ！　今日はエイプリルフールでウソが本当になる日なんだよぉ！」
　過去を思い出した瑠樹は興奮した様子でパジャマを脱いだ。長袖の服にお気に入りの半ズボンを穿いて髪を両手で整えた。
　眠そうな目を返上して輝く笑顔で言った。
「ラピちゃんもラズちゃんも、それとマティエも動いてしゃべって、今日をのんびり楽しめるんだよぉ！」
　ウソの効果は絶大で寝ていたマティエが起き上がる。後ろ脚で立って、やあ、と瑠樹に向かって手を挙げた。
　二体のウサギも立ち上がる。
　ラズはラズベリー色のスカートを手で軽く払う。皺になっている部分は両手を使って伸ばした。
「りゅーき、今日はなに？　ギアバトルではないみたいだけど」
「今日は皆でゆっくり楽しむんだよぉ。天気が最高なんだよねぇ」
「そのようね」
　円らな瞳を明るい窓に向けた。
「それで行く場所とかは決めてあるのかしら？」
「うん、ここから近い寝子ヶ浜海岸に行こうと思っているんだよぉ。ラピちゃん、マティエもいいかなぁ？」
　二体は揃って頷いた。
「それじゃあ、皆で出かけるよぉー！」
　部屋を出て玄関に向かう途中で白猫のまちかに出会う。おっとりとした歩き方で止まり、緑色の瞳を瑠樹に向けた。
「まちかも一緒にきて楽しむんだよぉ」
　耳にしたまちかは控え目に鳴いて仲間に加わった。
　ラズは改めて周りを見た。
「もっとたくさんいたら、もっと楽しめると思うわ」
「オレに任せてよぉ」
　靴を履き終えた瑠樹は頭を左右に振りながら、そうだねぇ、と何回か口にした。
「今日はいろんなゆるキャラが楽しめるよぉ！　これでどうかなぁ」
「いいと思うわ。賑やかになりそうね」
「サンマさんやマンボウくんも、楽しんでくれたらいいなぁ」
　緩い表情で一行は出掛けていった。