【卒業式】青い空に想いを解き放ち、私達は今――｜リアクション

【卒業式】青い空に想いを解き放ち、私達は今――

　桜花寮に帰るなり、恵御納夏朝は机に向かった。開いたノートに『卒業生を送る会の出し物』と見出しを付ける。
　思い付くままにペンを走らせた。書き出した内容を改めて眺める。パペット劇にペン先を向けてコツコツと突く。
「ハッピーエンドがいいよね……ハルくんを活躍させたいから猫かな」
　腕を組んで大まかな内容を呟く。
「忘れないうちに」
　困難を乗り越えた猫達が旅立っていく。卒業生の姿と重ねながら書き込んでいった。
「演奏は……アコーディオンだよね！　前のイベントで評判が良かったし」
　顔いっぱいの笑みを見せた。
「あとは立食パーティーだから、手作りのお菓子を持っていこう」
　お菓子と書き足した。少し考えて『レアチーズケーキ、クッキー』と二種類に絞る。
「材料を買わないと」
　立ち上がると急いで着替えた。