【卒業式】青い空に想いを解き放ち、私達は今――｜リアクション

【卒業式】青い空に想いを解き放ち、私達は今――

　生徒会室に全役員が集まった。卒業式に関連する予算の割り当てを話し合う為である。和やかな出だしは数分で崩れた。個々で肩入れする部があり、舌戦の様相を呈してきた。
　会計の水上桜も積極的に意見を出した。その度に否定的な言葉で潰される。諦めずに有意性を語った。途中で喉が枯れて水を飲んだ。
「では、ホワイトボードに書き出した内容で決定します。特別予算の計上は会計の水上さんに任せます」
「わかりました」
　全員が疲れた顔で席を立つ。桜は額にハンカチを押し当てた状態で立ち上がった。力なく歩いて廊下に出ると自身の肩を掴んで軽く揉んだ。
「……やっと、終わった」
　首にもハンカチを当ててふらふらと帰っていった。

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