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紫陽花の古本市
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◆
少し、太陽が西に傾き始めた頃。
ようやく見つけたお目当ての本――海外の絵本とフランス語の小説を前に、
十文字 若菜
は悩んでいた。
欲しいものは沢山ある。欲を言えば、全部買ってしまいたいくらいだ。しかし、彼女にそこまでの予算の余裕は無かった。
(バイトで稼いだお金出し、そんなにたくさんは買えないし……)
悩みに悩んだ結果、それぞれ一番気になるものを一冊ずつ計二冊を買うことにした。
「これください!」
これでようやく一息つけると自販機でジュースを一本買い、座れる場所はないかとうろうろ。
すると、とあるテーブルに見覚えのあるメガネをかけた知的な印象の男子が座っているのを発見した。何故見覚えがあるかと言えば、本を観るのに夢中になりすぎてぶつかってしまったから。
(どんな本買ったんだろう)
ふと、そんな興味がわいて。
「相席、いいかな?」
気づいたら、声をかけていた。
「ああ、構わな――、あの時ぶつかってきた女子か」
どうやら向こうも覚えていたらしい。これはかえって都合がいいかもしれない。
「あれはごめんね! 本に夢中になっちゃって」
顔の前で手を合わせ精一杯謝罪の意を示す若菜。すると彼は、
「そんないつまでも気にはしていない。ただ、周りには気をつけてくれ」
「これからは、もっと気をつけるね。ところでさ、あなたは今日どんな本買ったの?」
「推理小説と参考書だ」
丁度ついさっきまで目を通していた小説を取り上げ、表紙を見せる。
「……そちらは何を買ったんだ?」
「私はね、外国の絵本とフランス語の小説!」
鞄から戦利品を取り出し、テーブルの上に置いてみせる。ほう、と男子は興味深げな声を漏らした。
「少し興味がある。軽く目を通してみてもいいか?」
「いいよ! じゃあさ、君のもちょっと見せてもらっていい?」
「それは構わん」
お互いに、戦利品に目を通し合う。あらすじや冒頭を見ているうちに、若菜はつい推理小説の犯人が気になってきて後ろの方――つまりネタバレ部分に目を通してしまう。
そして、そういうつもりは全く本人にはないのだが。
つい、犯人の名前を口にしそうになり――、
「待て、推理小説のネタバレなど正気か! 犯人を言うんじゃない!」
「へっ!? あ、ごめんねそういうつもりじゃ!」
「……わざとそういうことをするタイプではないと思うが、だからこそ一層気をつけてくれ」
「ご、ごめんねー……」
周りから見ると、若葉のサイドテールが心なしかしぼんだように見えたかもしれない。
「まあいい。ところで素朴な疑問だが、これは読めるのか?」
彼の言う「これ」とは、若菜の買った二冊の本のことだ。小説の方はもとより、絵本の方も文は未訳である。
「読めないなら、簡単に訳してやるが」
「大丈夫、これでも勉強してるから!」
その言葉に、意外そうな表情が返される。
「フランスに留学したくてさ。それで、フランス語の勉強にもなるから読んでるの。今はすっかり趣味にもなっちゃったんだけど」
「なるほど……。しかし留学か、一体何のために?」
「ステンドグラス職人になりたくて、それでなの」
「つまりは夢のため、か……」
ほんの一瞬彼の若菜を見る目が、まるで眩しいものを見るかのようになる……が、若菜はそれには気づかない。彼は気付かれないうちに話を変えようと思ったのか、ブリッジを押し上げメガネの位置を調整すると、
「そういえば、名前は? 俺は
弓弦原 譲
と言う。寝子高の一年だ」
「え、一年? じゃあ、後輩だね」
「先輩だったのか!?」
先輩だとは露も思っていなかったらしい。随分と驚いた様子の譲に、ついくすくすと笑ってしまう。
「そ。私は寝子高二年の
十文字 若菜
。よろしくね」
「あ、ああ、よろしく。……そうか、先輩だったのか」
「私そんなに先輩っぽくない?」
いや落ち着きがあまりないようだったからでな決して子供っぽいとか失礼なことはと言い続ける譲の姿に、若菜はまた笑ってしまうのだった。
◆
綾辻 綾花
が気づいた時、外はすっかり夕方になっていた。
「もうこんな時間……そろそろ帰らないとですね」
結構な数の店に足を運んだつもりではあるが、それでも回れなかった店もそれなりにある。次の機会はあるのだろうか、とそんなことたたまれていく店を見ながらふと思う。
(またあれば来たいですね。次もお客さんとして)
視線を前に戻すと、同じく帰ろうとしているところであろう
八神 修
に出くわした。
「修くんも、今からお帰りですか?」
「綾辻か。買った本をうさぎ屋で見ていたんだが、いつのまにか夕方になっていてな……」
そう言う修の鞄は、随分とぎっしり中身が詰まっているように見えた。
「……鞄、重そうですね」
「結構、腕にズシリと来る。……だが、幸せな重さだよ」
ふっと笑った修の顔は、とても満足しているように見えた。
「なんだかいいですね、そういうの」
つられて綾花も笑う。
「ああ、いいものだ。そういえば、綾辻は今日何を買ったんだ?」
「私ですか? えっとですね――」
今日の思い出話に花を咲かせ、二つの影は夕暮れの古本市から遠ざかっていった。
◆
店の片付けをしている人たち、楽しそうに話している話している人たちを見ながら、
御巫 時子
は帰路につく。
(鳥さんの本も買えましたし……、またあるなら来てみたいですね……)
「あなたは、どうでした……?」
肩の鳥に、そっと撫でながら問いかける。答えはないが、どうやら今日一日を思い返しているようだ。
「一緒に帰りましょうね……」
せっかくこの子が気になっていた本を買ったのだ、寮でゆっくりと読んであげたい。
回顧の途中でもしっかりと時子の声は聞こえたようで、頷くように首を何度も縦に動かす。
その姿に、時子は嬉しそうに微笑みかけた。
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あとがき
担当マスター:
風雅宿
ファンレターはマスターページから!
梅雨の晴れ間の古本市は、いかがでしたでしょうか。
久々のリアクションでまた多々至らぬところがあったかとは思いますが、もし楽しんで頂けたのであれば幸いです。
また別のお話をお届けすることがありましたら、その時もどうぞよろしくお願い致します。
本シナリオにご参加いただいいた、すべてのプレイヤーの皆様に感謝を。
それでは、失礼致します。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月17日
参加申し込みの期限
2013年09月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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