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#彼女の曖昧な考察 ~ブラック・ナイト~
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【ずれ】
管理棟はごく簡素な構造で、ユグドラシルSEIT部門とやらが日本で打ち上げを敢行するために仮設された施設であるようです。
「真っ暗だねぃ」
「やっぱり電源が落ちてるみたいだな……」
異形たちの合間を縫うように進み、ここへたどりついた
呉井 陽太
と
志波 武道
。慎重に慎重を期し、並ぶ資材に身を隠しながら様子をうかがうと、管理棟には明かりのひとつもありません。
「陽太くん、そのへんに発電機とか無いかな? 俺たちで電源入れられないカナー」
「OK、ちょーっと待ってねぃ」
目的はロケット、そのペイロードハッチ内部にある『なにか』。武道が先ほどまで同行していたヒロの調べによれば、ハッチの開閉は電源に依存しているとのことで、このままでは貨物室の謎の物体を拝むことはできないようです。
陽太のろっこんは依然継続中。視界を共有した兎のウー君を動かし、周囲を捜索するも、それらしいものは見当たりません。
ウー君はコンテナの上を跳ね、管理棟内部へ。
「どーお?」
「んーっと、こっちかなぁ? わっ」
共有した視界が青く染まり、陽太は思わずのけぞります。
球電と呼ばれる現象はばりばりと、なにかを求めるように周囲へ電弧の腕を伸ばし、暗い施設内をさまよっています。
「これじゃ、近づけないねぃ……。おっ? 予備発電機」
「それDA!」
「けど、どうやって動かすんだろ? これ」
黄色と黒の縞模様、それにイナズママークに彩られたいかつい機材は、手動レバーらしきものもなく、どうやって動かしたものやら、素人にはさっぱりです。いくつか開けるパネルのようなものはあるものの、ウー君がくいくいと引っ張っても開かず、鍵がかかっているようです。
陽太は腕組み、思案します。
「ふム。武道君、オレ、考えたんだけどさぁ。こんなやり方はどうかなぁ?」
ひた。ひた。ひた。
「管制室は……こっちかな。こっちだよね」
白 真白
の構えたペンライトの明かりなど、ものの役にも立ちはしません。
少なくとも深い闇へ人が本能的に抱える恐怖を振り払うには到底、足りはしません。
ひた。ひた。ひた。
「うん、こっちみたい。たぶんこっち。こ……こっち、だよね」
ひた。ひた。ひた。
暗闇。暗闇。闇。闇。どうしてこんなにも恐ろしいのだろう。いつも飄々としてマイペース、楽観主義の真白が、こんなにも。
ひた。ひた。ひた。
「暗い……暗いなあ。明かりは……明かりはないの?」
ペンライトを振ってみたところで光が強くなるわけでもなし、闇は闇のまま。
「……あった! 管制室!」
ひた。ひたひたひた。
部屋へ飛び込み、電気系統のスイッチを探します。
「明かり。明かりはどこ? どこなの!?」
ペンライトを忙しなく動かしながら、ひたひたひた。パネルや計器のひとつひとつをひた、確認して、ひたひた、ひた。
並ぶスイッチやレバーをやみくもに操作しながら、真白の胸には焦燥と疑念が満ちています。
どうして、こんなにも?
本能が闇を恐れる? 本当に、それだけ?
「! 点いた!!」
ごうんと施設が重たくうねり、ばちりと配電盤をひとつスパークさせてから、天井の電灯が息を吹き返し、ひた、ひた、ひた。
ひた。
「…………」
いつも前向き、明るく臆することもない真白が、振り向くことさえできなくて。
「い、やッ」
ずるり、ずるると、絡みつかれて。
「イエイやったZE、陽太くん!」
「上手くいったねぃ」
ぱちんとハイタッチ。
陽太の策は大胆かついささか乱暴ではありましたけれど、見事読み通りとなったようです。
陽太はろっこんの粘土人形を囮に使って球電を誘い、予備発電機へぶつけたのです。ショック療法も良いところではありましたけれど、球電は首尾よく発電機の中を巡り始め、施設には真昼のように明るい光が満ち満ちました。
ウー君の視界には、あの青白い輝きは見えず。目に痛いほど明るく、けれど馴染んだLED照明の光に導かれるまま、管制室へ。
「よーし、これでここからほかのみんなを援護できるゼイ、おわあっ!?」
「ど、どしたのん武道君!?」
武道が跳び上がったのは、コンソールパネルの並ぶデスクの下へ倒れ伏す、人の姿に気づいたからです。
作業着姿。中年の男でした。うつぶせに倒れているのを武道が抱え起こすと、蒼白な顔は完全に白目を剥き、口元には泡。
「あれ? この人、どこかで」
「テレビで見たよねぃ。確か……」
襟元に輝く、六本指の記章。
アンソニー・コヤマ。ユグドラシルSEIT部門、そして今回の打ち上げの責任者その人でした。
「な、なにがあったのん?」
「分からないけど、このまま放っておけないな。えーっと、コヤマさん? 聞こえますか? コヤマさん?」
ユグドラシル。その社員である彼は、『六本指』となんの関係があるのか。なんのためにロケットを打ち上げるのか。格納庫にはいったい、なにが収められているのか。問いただすべきことはいくらでもありました。
肩を揺さぶり、二度軽く頬を叩いてみたところで、
「……何故ですかあ!!」
「わっ!?」
武道が抑えなければ勢いあまって折れてしまいそうなほど、コヤマ氏の身体は強く跳ね、瞳には光なく、なにごとかをわめき続けるのみ。
「言われたとおりにやったじゃないですかあ!! 載せました!! ちゃあんと!! スタッフの目を盗んで、やりきりました!! なのに、なんでぇ!! こんなぁ!!」
「ちょ、コヤマさん、落ち着いて……」
「会社にもにらまれて!! 部下にも怪しまれてぇ!! もうどうしたらいいか!! 本当に本当に!! 私だけは助けてくれるんでしょうねえ!! ねえ!?」
ぷつり。糸が切れたように彼は意識を手放し、床にごとんと頭を落としました。
武道と陽太は、顔を見合わせます。
「会社ににらまれて、部下にも怪しまれて……?」
「この人……もしかして」
どうして、こんなにも。
答えは真白の内にありました。
「……わすれたままなら、よかったのに」
ずるり。ずるり。ひた。ひた。ずるり。
狂気に囚われた真白の瞳はもはや今を映さず、意思はかき消え、意識はおぼろげ。
ずるり、ずる。真白を捕らえた針金めいて細い触腕が引き戻すのは、とうに抜け出たはずの闇。
「だって、
あんなの
……ただの夢だって……」
スーツを着た顔のない顔の男は真白の記憶へずるり入り込み、ほじくり、引きずり出しました。
真白の内に刻み込まれた痕跡を。傷跡を。
暗い悪夢が見せた恐怖を。狂わなければ耐えがたいほどの苦悶を。
「私……そう信じて……」
真白の意識はぷつりと途切れ、ずるり。ずるり。ひた。ひた。ずるり。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年06月20日
参加申し込みの期限
2020年06月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年06月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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