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#彼女の曖昧な考察 ~ブラック・ナイト~
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【抵抗】
「んっふふふふふふ」
「あはははははは!」
暗闇をつんざくような狂笑は、
仙藤 蒼
の背筋を凍らせました。
「ど、どうしたのふたりとも……!?」
「くそっ、なんてこった! 秘子ちゃんとヒロが可笑しくなっちまった!」
マサの言葉どおり、秘子とヒロは棒立ちのまま焦点の定まらない瞳で虚空を見上げ、ただただ笑いをこぼします。
「ああ。テレビが哭いています。かわいそうに、お寂しいのでしょう。いいえそんな時のため、ほうらわたくし、ステップを踏んで差し上げます。さ、1・2・3、1・2・3、ごいっしょに、んふふふふ。あら? まあ? おとうさん? んふふ、おとうさん?」
「陰謀だ、僕らは既に洗われているんだ! そうまったくもって丸洗いだ、ちょっとの汚れも残らない、環境に優しいクリーンな素材でできています。僕らはみんな生きています。ああ、おかしいぞ、おかしい、おかしいな? 月の光が届かない、なにかが遮っている。月の光をなにかが遮っている!」
頭上の月のまぶしさが異様に目について、蒼は思わず目を細めます。
けれどすぐに、ふたりの歪んだ笑いの理由を知りました。
「あ……あんなにたくさん」
彼らはどうやら、うっかりと監視領域へ踏み込んでしまったようです。
空をたゆたう、人。人。人の形。都市伝説のいわれはさておき、今この場においてあの浮かぶ異形たちは、監視の役割を果たしているようです。
「あ、うっ。うあ……!」
蒼の脳裏にも湧き上がる、強烈な狂気の奔流。脳をかきむしりたくなる衝動。這い回る悪寒、皮下を蠢く違和感。ちらちらと七色に瞬く視界、こみあげる嘔吐感に付随する多幸感。吼えるA10神経。
「うわっ、わあっ、あああ……! お姉ちゃん! お姉ちゃん! ああ! お姉ちゃん? あああああ?」
「くそっ、蒼ちゃんまで! どうなってんだこりゃあ!」
やたらに大げさなマサの声がぐわんぐわんと頭に響き、足はふらふらと震えながら喜び、嘔吐感は絶頂にさえ届きそうな昂揚に取って代わられ、蒼もまた狂気の只中へと、
「こんっ……のおおおお!!」
堕ち切るところまで堕ちずに踏み止まることができたのは、彼女もまた幾度となく寝子島で奇怪な現象に直面し、立ち向かってきた経験の蓄積の賜物でしょうか。
蒼は気力を振り絞り、秘子とヒロの腕を引っつかむと、頭上に浮かぶ人型の視線から逃れるよう、コンテナの陰へと飛び込みました。
「痛っ、膝打った!」
「ナイスだ蒼ちゃん、ど根性だぜー!!」
蒼といっしょに倒れ込んだ秘子とヒロは、しばしぼうっと瞳を泳がせた後に、はっと正気を取り戻したようです。
「はっ……僕は今までなにを? マサ! 今の撮った? すごく貴重な体験だったよ!」
「さすがヒロ、今日もブレないぜ! 秘子ちゃんのほうは、大丈夫かい?」
「あがががが。あがががが」
息つく暇もありません。なにせここはもはや異形の庭。針金めいたスーツ姿の男は音も無く近づき、絡め取られた秘子はたやすく狂気の中へ。
「や、やばいよマサ! 引き剥がして!」
「っつったって、こんな化けモン相手にどうすりゃ……」
「……下がって!」
かりり、奥歯で飴玉を噛み砕き、蒼は天を仰ぎます。
「私だって……!」
途端、降りそそぐのは飴玉の雨。ちょっとした牽制程度にしかならないだろうとは思いつつ、なんの抵抗もせずされるがままは、蒼の性には合わないようです。
飴玉はひょうのように固く、スーツ姿の異形へ確かに、伸ばした触手を引っ込めさせることには成功したようです。
サキリ・デイジーカッター
が見下ろす光景は、狂気に満ちています。
(正直ガセネタだと思ってたんだけどね……)
異形の存在が人へともたらす、精神に紐づく狂気。
それに、
(……なにか、どこか……既に……なにかが)
見上げた月。その輝きに差し込む、ちらちらとかすかな陰り。
恐らくはとうに始まっているのだろう、そうサキリに思わせてならない、見えざる狂気。
認識はできないとしても、けれど確かに。
(ま、僕としてはそのほうが嬉しいけどね。異形の怪物たち、いわくありげな謎の物体。日常では味わえない、このヒリヒリとした危機感)
とはいえ無論、サキリにとっても優先すべきは仲間たちの安全を確保すること。そして、フツウを守ることです。完全に『あの頃』へ戻るつもりはなく、あくまでこの日常を侵す異質な存在を相手取るのが、今のサキリのスタンスなのです。
秘子やヒロ・マサたちから先行し、安全確保に努め、有事あらば即座に刃を振るうのが役どころ……と、
「! しまった。後ろか」
瞬間、反転。ナイフを振るい斬空赤刃、危機の中へと飛び込みます。
地に伏した秘子。逡巡するヒロ、眉をしかめたマサ。
針のように鋭利な先端を持つ四肢により、コンテナの壁面へと縫い付けられた蒼。
サキリの刃は閃いて、斬り飛ばされた腕の先にスーツの男はぎいとくぐもった音を発し、蒼は尻もちを突きました。
「あ、ありがと、助かったわ……!」
「胡乱路は無事かい? 意識が無いようだけど」
「たぶん大丈夫、目回してるだけ!」
ならいい、とサキリは右にマチェット、左にナイフを構え、まごつく異形へ追撃の二刀を叩き込みます。
しこたま打ち据えられてなお抵抗するスーツ姿の背に、ざわざわと幾本もの触腕が蠢き、たちまち斬り結ぶ剣閃。目にも留まらぬ剣戟。
「おいおいおーい! とんでもねーぞこりゃ!」
「ニャンプのマンガでも見てるのかい? 僕ら」
呆けたようにつぶやいたヒロマサコンビをよそに、サキリの振るう剣先は加速。
刃がかち合うたび、自身の内に狂気や妄執が育っていくように感ずるのは、それそのものが敵の攻撃なのでしょう。
それでもサキリは、動じることもなく。
「楽しいね、けど長引かせるつもりもないよ」
目に追えぬほどの一閃。首を斬り飛ばしました。
異形の数を正確に把握することはサキリをもってしてもできず、彼らはひとまず視線の届かない奥まった一角へ退避することにしました。
「んふふ、貴重な体験でした。皆さま、撮影はされていましたか?」
「秘子ちゃん、ヒロと同じこと言ってるぜ、わはは」
「仕方ないじゃないか、好きなんだから……」
程なく目を覚ました秘子へ、サキリは尋ねます。
「なんだかずいぶんとはぐれてしまったみたいだね。志波先輩や恵御納、白は?」
「はて? あらら? 皆さんどこへ行かれたのでしょう。あ! もしやお花を摘みに?」
尋ねる相手を間違えたようです。サキリが肩をすくめ、蒼へ目をやると、
「はぐれちゃったり、自分から単独行動したりって感じ。いちおう止めたんだけどね」
「なるほど。まあ仕方ないよ、僕もそこは人のこと言えないし……ところで、誰か管理棟へは向かってるのかい?」
蒼はきょとんと首を傾けます。
「いや、ね。なにか資料や情報でも手に入れば、今後に活かせることもあるんじゃないかってね。それに」
サキリはちらと月を見上げ、すうと赤い目を細めました。
「ロケット打ち上げの責任者……確か、アンソニー・コヤマ。彼がなにか、知っているかもしれないよ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年06月20日
参加申し込みの期限
2020年06月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年06月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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