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【星幽塔】第三階層 黄金砂漠には砂行く船
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隔壁を打つ轟音が一際大きく町に鳴り渡る。
(……多分、デバッファーが要るのよね)
昇降機の中から見た巨大な『竜の尖兵』が頭を過って、志桜里はともすれば乱れそうになる呼気を整える。目前の現実をゲームになぞらえ、化物との戦闘にざわめく心を落ち着かせようとする。
(まずは大きい方の竜の尖兵を弱らせましょう)
それは盾の仕事ではなく、己が身に宿るろっこんの仕事。
隔壁を破ろうと突進を繰り返す巨大な竜の尖兵の姿は正に破城槌そのものの姿だった。周りに控える三体も脅威には違いあるまいが、要になっているのは巨大な尖兵だ。
兵士に教えられた通りに石橋を渡って駆ければ、目的とする広場はすぐ目の前。真っすぐ道を突っ切ろうとして、志桜里と夏朝は足を止める。
「ん──」
そう広くない幅の道に土嚢を積んだり屋根の上に岩塊を積み上げたりする兵士たちを指揮していた栗色の髪の女性が青い瞳を小さく瞬かせた。
種族特性として軒並み背の低い土の精霊たちの間にあって、百七十センチ近い彼女の姿はどう見ても外から訪れた者の姿。
「君は」
小さく首を傾げる夏朝に、盗賊兼踊り子たるティオレはあっけらかんと笑って見せた。
「いつのまに、とか、どうやって、とかは秘密だよ」
第三階層の黄金砂漠に隠されているかもしれない宝物を探していて砂賊の船の浮上に偶然居合わせたことも、船長と
リア・トト
のもとから土の竜へ向かう人々の注意が互いを向いている間に盗賊の本領発揮とばかり船へ忍び込んでいたことも、何もかもを鮮やかな笑顔に隠してみせる。
「皆、助けが来たよ!」
ティオレの声に、竜の尖兵に対する罠を張っていた兵士たちが歓声を上げた。
「その家の大きさくらいのが一体と、その道の端に転がっているのと同じくらいのが三体、……居たよ」
何の因果か場の取りまとめ役となっているらしいティオレに、夏朝は隔壁破壊を目論む『竜の尖兵』たちの概要を手短に伝える。
「大きいのはひとまず私が」
重厚過ぎる盾を手にした志桜里が先に立つ。
ティオレや兵士が何か口にするより先、隔壁が悲鳴を上げた。耳をつんざく轟音を立て、鉄と石で出来た隔壁が崩壊する。舞い上がる砂煙を纏うたまま、破城槌の役を果たした『竜の尖兵』のその巨躯が露わとなる。
「行きます!」
一声吼えて、志桜里は駆ける。盾の重さなど感じさせぬ素早さで巨大な尖兵の前に立つ。
突っ込んでくる竜の尖兵の、己の身ほどもある顎が己に届くその直前、志桜里は闘牛士じみてひらりと身を躱した。舞踊にも似て優雅に翻ったその身は、一瞬先には尖兵の巨躯より高く、凄まじい勢いで跳躍を果たしている。
「っ、ぁあぁああ!」
落下の勢いと自重の全てを掛け、構えた盾鉈を尖兵の鰭の横にピッケルの如く突き立てる。途端に激しく身を捩り鰭を震わせる尖兵の背の上、志桜里は突き立った盾に両足と片腕でしがみついた。
膂力と根性で以て残る片腕に籠めるはろっこん【ウチデノコブシ】。
「押し切ります!」
鰭に滲んで跳ねた麻痺毒が避けようもなく腕に触れるも構わず、片掌を尖兵の肌に触れさせる。岩石の冷たさを感じる一秒がひどく長い。
「それしか、」
激しく揺れる背に突き立てた盾鉈がぐらりと傾ぐ。麻痺毒の飛沫が飛んだ腕が感覚を失くす。二秒。
「それしか私には無いのでっ!」
命無き者を相手取っているのならば、これはただの蛮勇に終わる。けれど生きているならば。
なんと言えど、腹を空かせるというのは生きている証左。
(生きているならば魔物でも化物でも、その地の主だって、)
三秒。
振り回された盾鉈が尖兵の背から抜ける。同時に志桜里の身体が傾ぐ。
竜の尖兵の背から振り落とされながら、志桜里は確かに見た。
(縮めてみせます)
ろっこんが発動している。象の巨体を誇っていた竜の尖兵の身が、見る間に縮み始めている。
【ウチデノコブシ】は人を虫けらの身ほどに堕とす技。象が如き巨躯にまで同様に効くわけではない。それは理解している。けれど、
(破城槌の役目は絶対に奪います)
最小を念じて縮められる限りまで縮めた敵は、通常の竜の尖兵の二倍ほどの大きさでその縮小を止めた。
ガアッ、と己に向けて振り立てられた尻尾を、渾身の力で盾で払いのけてシールドバッシュとする。そうして距離を取って、──そこまでで、身体に麻痺毒が回った。
「今です!」
どうにか受け身を取って地面に落ち、それでも必死に叫ぶ志桜里の声に応じたのは、
「うん」
家の屋根の影から飛び出した白い影。一度幻のように掻き消えた白髪赤眼の少年の姿は、瞬きのうちに竜の尖兵の頭上に現れる。
「手伝いに来たよ」
何でもないように言うサキリの手にする戦斧の刃が、ろっこんの進化能力により赤光を帯びる。鋼鉄をも切り裂く破壊力を宿らせた刃に己の重量をも乗せた一撃をその頭に叩き込む。
「御見事」
動かぬ唇で笑う志桜里のもと、
「吉住さん……!」
夏朝が駆け寄り、麻痺しても盾を手放さぬ指にねこシールを貼りつける。ろっこんで軽くした身体を抱え上げれば、志桜里はどこか楽し気に眼を丸くした。
「後は任せて……!」
自分より大柄な志桜里を抱え上げて最前線から撤退する。罠の張られた路地より更に奥、負傷者たちが集められた場所へと運び込む。
「衛藤さん、……お願い」
「ええ」
ぐったりとして動かぬ志桜里に症状を告げ、夏朝は踵を返した。
遠ざかる夏朝の足音を耳にしながら、己を抱えて敷物の上に横にするまりえの掌の温度を感じながら、志桜里はちらりと眉を寄せる。あの破城槌役が二度と役目を果たせないよう、効果が切れる前に重ね掛けしておきたいところではあるけれど、
「大丈夫、今は休んでください」
それはこの優しくも仕事に懸命な看護師が許してはくれないだろう。
痺れて動かぬ全身に困惑しつつ、志桜里は太い息を吐いた。
「これだけ重労働だと、とっってもお金儲けがしたい気分ね」
路地を駆け戻った夏朝が見たのは、土煙をあげて土嚢に突進してくる竜の尖兵一体と、
「今だよ!」
ティオレの合図を受けて屋根から落とされる石や煉瓦や鉄屑。山と降り積もった石くれは、けれど息を詰めて見つめる兵士たちの期待を裏切るように動き始めた。
「心配ない、やれるよ!」
罠の中から這い出てきた竜の尖兵の動きが鈍っていることを見極め、ティオレがショートソードを片手に突っ込む。
戦輪を手に、夏朝も駆ける。積み上がった鉄屑や岩石を跳躍して避け、戦輪を振り回して敵を牽制する。兵士たちに向かい進もうとする動きを妨害すると同時、戦輪に宿らせた呪術の光で敵を弱らせる。ともかくも、この防衛線を突破させるわけにはいかない。この向こうには、怪我人がいる。志桜里やまりえがいる。
「鰭や尾に直に触れないように気を付けて……!」
「了解!」
輪舞の動きに似てティオレが跳ねる。足元の悪さも何のその、夏朝の投擲する戦輪を巧みに躱し、竜の尖兵に肉薄する。ショートソードで斬りつけ、宙にトンボを切って後退したかと思えば、
「弓!」
短く合図する。土嚢の奥に控えていた兵士が次々に弓矢を射かける。
戦闘の僅かの隙を縫い、夏朝は星の力を回復させるサファリリオレンジドロップを口に放り込んでガリリと噛み砕く。
「もう一体、来るよ!」
ティオレの声が飛んだ。夏朝が向けた視線の先、数十と矢を受けて動かなくなった尖兵の向こう、広場から突進してくるもう一体が見えた。
「っ……!」
夏朝は咄嗟にろっこんの進化能力を使ってねこシールを飛ばす。射出されたねこシールはぺたりと尖兵の額部分に貼り付いた。
(重く……)
近づいてくる尖兵の動きが己の自重を持て余したが如く遅くなる。地を這う速度を落とす敵に、夏朝は自分から近寄る。戦輪を振り回し、掠めさせることで呪術の光を使う。更に敵の動きを鈍らせ戦輪で鰭や尾の切除を試みようとした、そのとき。
ガアッ! 竜の尖兵が顔中を口にして吼えた。重い身を捻り、くねらせ、宙に舞う。夏朝に飛び掛かる。
「ッ……?!」
跳び退ろうとした夏朝の目前、何の前触れもなくサキリが現れた。瞬間移動した刹那に赤光化し通常ならざる力を帯びる戦斧を、敵の大きく開いた口の中に投げ入れる。
それは己が身に宿る闘士の力をも全て継ぎこんだ全力の投擲攻撃。
「もう、死ね……!」
赤い光の尾を引き、戦斧が竜の尖兵の顎に吸い込まれる。身体の内部をも引き裂き、貫き、──ガツン! 鈍い音を立て、敵の腹部から突き出した戦斧の刃が地面に突き刺さった。
サキリの残る力全てを振り絞った最後の一撃によって二体目が地に伏したと同時、別の方向からたくさんの兵士たちの歓声とも咆哮ともつかぬ勝鬨の声が巻き起こった。
「わっ」
少女めいた仕草で小さく肩をすくめる夏朝に、ティオレは朗らかに笑う。どうやら別の方向に向かったもう一体がこの船の兵士たちに斃されたらしい。
「流石、砂賊の名に恥じない働きだね」
化物たちが残らず地に伏し、気が抜けたような静寂が町に漂いかけたそのとき、町のそこここに設置された伝声管から晴れやかな声が響き渡った。
『皆、生きてるかい?! 生きてるね?!』
途端、船長だ、お頭だ、と兵士たちが沸き立つ。
家屋に閉じこもっていた住人たちが歓声を上げて外へと飛び出してくる──
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阿瀬春
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年06月18日
参加申し込みの期限
2020年06月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年06月25日 11時00分
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