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【星幽塔】第三階層 黄金砂漠には砂行く船
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(これくらいの攻撃)
身体全ての力を奪おうとする疲労感にも構わず、悠月は歌を歌い続ける。
脳裏にあるのは、以前土の竜の顎で囮となったときのこと。己の張った障壁に食らいついた竜の尖兵たちを怒涛の水流で押し流し潰した仲間の凄まじいまでの魔水の力。
(あれに比べれば何ともない)
「獅子目ェッ!」
剛が吼える。障壁に食らいつき、その中の人々を食らうことしか頭にない竜の尖兵目掛け戦斧を振りかぶり、毒液の滲む鰭ごと丸太じみた胴体に叩き込む。
「っ、ぅおおぉおぉおお!」
楔の如く斧を打ち込まれて暴れる竜の尖兵の巨体が、剛の気合に合わせ、ぐ、と浮く。力任せに持ち上げられた身は、
「近づくな言うたやろがァ!」
乾いた空に響き渡る咆哮と共、柵の外へと吹き飛ばされた。
宙に舞ってなお大口を開けて食べ物を求める尖兵の顎には、
「弾とつむじ風を召し上がれ」
アリスが魔風の力を纏わせた弾丸を叩き込む。風と弾の威力で宙にもんどり打つその巨体の割りに小さな目にも、寸分違わず銃弾を撃ち込みトドメとする。
艦橋から落ちた竜の尖兵の身は、幾度か艦体に当たり、当たるたびに蒼白い光をまき散らした。最後には砂漠の砂の上で一握りほどの揺らめく光となる。
仲間が完膚なきまでに叩きのめされたことに怖じたか、艦橋内の竜の尖兵たちが動きを止めた。ガァガァと耳障りな声で鳴いては後退る様子さえ見せる敵を確かめ、刀は小さく息を吐く。
共に前線に立っていたサキリと視線ひとつ交わし、一度退く。尖兵たちの動きを観察しながら艦橋の外、船長たちの居る柵の内へと移動する。
「怪我は」
悠月と剛に手持ちの星の滴を渡していた彰尋に問われ、刀とサキリは首を横に振る。知らぬ間に僅かな手傷を負うてはいるが、動きに支障はない。それに、
(負けたみたいで嫌だ)
負けず嫌いの刀はちらりとサキリを見やる。
「それにしても」
当のサキリは刀の視線に気づいているのかいないのか、表情をさして動かすこともなく竜の尖兵たちを観察している。
「戦術的な動き方をしているのが奇妙だね……」
艦橋と居住区、二組に分かれて片方が司令部を制圧する──彼らはそんな知恵のある生物なのだろうか。
「偶然そうなっただけかもしれないが」
サキリの一瞥を受け、船長は僅かに首を傾げた。
「食い物が、……ひとの気配が多い場所を襲っただけかもしれないね」
なるほど、とサキリは頷く。
「食い物、か」
「アタシらよりあんたたちの方が食い出がありそうだけどねェ」
そう行ってカラリと笑う船長も船員たちも、この場で一番小柄なアリスより更に背が低い。
「こいつらを倒せばいいか?」
艦橋内に蠢く竜の尖兵たちを見据え、刀が短く問う。
「それともあんた達が行きたい場所まで一緒に行くか?」
トト家に突っ込まれるのは困る、と刀は笑った。
「仕方ないからあんた達に手を貸すよ」
「助かる」
血まみれの顔で船長も笑う。
「行きたい場所は後で決めようかねェ、こちとら自由気儘な砂賊だ」
ただ、と船長は気づかわしげな視線を己の船へと投げた。
動いてくれるかどうか、と呟く船長の声はひどく小さい。
刀は小さく頷いた。残りの尖兵を片付けるべく、日本刀を構える。
「船長」
血みどろの船長の前に彰尋が立つ。癒しの力を宿した少年の真っすぐなまなざしを受けて、船長は大人しくその力の恩恵に預かる。
「居住区のひと達は俺たちの仲間がきっと助ける」
船長の額や腹の傷を星の力で癒しながら、彰尋は静かな声で船員たちに告げる。
居住区が全滅したかもしれぬ、と絶望的な声で喚いていた船員の動揺を収めようとする。
「だから、……まずは船の安定を優先したい」
「ここで回復したからと言って、艦橋を取り戻さない事には艦は沈むばかりだろう」
「戦えん人はアルスに乗り。ひとまず安全なとこへ避難させたる」
彰尋の提案を悠月と剛が支える。
「まだ戦えるって人は、……俺らと艦橋奪還についてきてもらえんかな」
諦めんのはまだ早いで、と雄々しく笑う竜騎士に惹かれる格好で、比較的軽傷な船員数名が進み出る。
「鴻上の、……そっちの白いのが言うた通り、居住区の人は俺らの仲間が必ず助けるさかい」
「想いを胸に、歌を歌え」
進み出てきた船員たちが第二の星の力──もれいびに触れることでそのもれいびのろっこんを一定時間写し取って使うことの出来る、『虹』とも呼ばれる力を悠月は与えてゆく。
「それがお前たちの武器となる」
銃弾を使い果たした船員たちの手に触れ、そうすることで護りの手を幾つも重ねてゆく。
「アタシにも貰えるかい」
手にこびりついた血を服の裾で落として手を差し出す船長とも、悠月は掌を重ねる。手を握り返して来た小さな掌の力強さに小さく目を瞠れば、船長は磊落な笑顔を見せた。
彰尋の治療によって致命傷からは回復したものの未だ動くことに支障のある船員をアルスの背に乗せつつ、剛も笑う。
「こっからが反撃や。……せやろ?」
返事のその代わり、船長が小柄な身体に見合わぬ朗々とした声で歌い始めた。それは砂漠の海を渡る砂賊の唄。一条の光すら差し込まぬ昏い砂礫の只中を征く、故郷を棄てても生き抜くことを選んだ民の唄。
そこに悲しみはない。ただ選んだ道を進もうとする意志だけを、船を前に進ませようとする動きだけを彼らは声にする。
ろっこんの力を得たその唄は、彼らを護る壁となる。
背後に護らなくてはならぬものから解放され、再び艦橋内へ、敵の只中へと飛び込んだのは刀とサキリ。
ろっこん【斬空赤刃】を駆使した超短距離での瞬間移動を繰り返しながら、サキリは蠍毒匕首の切先で以て恐ろしく正確に竜の尖兵の目を刺して回る。
突っ込んできたサキリの攪乱に対応しきれず混乱を極める艦橋内に向け、刀は歩を進める。悠月から分け与えられた護りの力を使っているとは言え、これ以上船長たちを疲弊させまいと、敵の意識を向けさせまいと、唯一の武器である日本刀を鞘に納めたまま敢えてゆっくりとした動きで前に出る。
周囲の竜の尖兵たちの注意が己に向いた瞬間、刀はろっこん【加速】を発動させる。同時に相対的に速度を落とす世界を睨み据える。ぬるりとした動きで飛び掛かかり食らいつこうとして来る尖兵の攻撃に合わせ、腰を落とす。柄に手を掛ける。納刀したままの刀身を鞘に引っ掛けるようにして力を溜める。
抜刀は、引き絞られた矢が一気呵成に放たれる速度を得る。鍛えられた刃は鍛え抜かれた身と技に拠り敵を斬る。
飛び掛かるとほぼ同時に鼻先から顎までを白刃に一閃され、竜の尖兵は黒い血を撒き散らして床に落ちた。転がる尖兵の頸にとどめの一撃を見舞い、刀は次の敵へと鋭いまなざしを向ける。残り、二体。
一体一体に時間を掛けたくなかった。そうなればなるほど、敵が船長たちに向かう可能性が高くなる。
(出来るだけ少ない手数で倒す……!)
味方を護ろうと逸り前へ前へ、敵の最中へと踏み込む刀の左右を飢えた竜の尖兵が圧し包む。一瞬解けて速度を取り戻す世界の中、息吐く間もなく敵が殺到する。
「ほらよ!」
動じず刀を構える刀の視界に飛び込んできたのは、アリスが巻き起こした風を纏い、恐れげもなく前線に飛び込んできた船長の姿。
「お頭、頑張れ!」
「船長と! お呼び!」
アリスの朗らかな声に負けじと明るい声で応じ、船長は手にした剣を振るう。全身の力を乗せたその刃にも、アリスの風が巻き付き威力を倍増させている。
刀の左から飛びつこうとしていた尖兵の尻尾を叩き切った船長を援護するかたちで、悠月の放った矢が続けざまに尖兵の胴体に突き刺さる。かと思えば、刀の正面からも飛び掛かっていた尖兵の鼻面にも連続して矢が当たる。風を裂いて飛来した矢の勢いを受け、刀に襲い掛かろうとした尖兵の動きがぶれる。攻撃の方向が大きく逸れる。
体勢を崩した一体はアリスの銃撃を受けて動かなくなる。
悠月の矢を受けた一体は刀の鋭い一撃に動きを奪われる。
「ほらやっぱり船長もすごく強い!」
「アンタらの援護が凄いんじゃないか」
ひええ、と大仰に驚いてみせる船長の脇を、戦斧を担いだ剛が過ぎた。
「獅子目! 頼りにしとるで!」
「任せろ」
振り向きもせずに掛けられた剛の言葉に、悠月は短く笑んで竪琴にも見える弓『獅子心弓』を構える。その動きひとつで、身の内に宿った狩人の光が星の力を凝縮した光の矢となる。
(たっぷり味合わせてやる)
番える手間も矢の残量を気にする必要もないその弓矢の先を竜の尖兵たちへと向けつつ、悠月は冷徹な光宿した榛の瞳に力を籠める。
(覚悟しろ)
艦橋外から弓を構える悠月に援護を任せ、剛は負傷してなおもしつこく刀の脇へにじり寄る尖兵に向き合う。背や脇腹の毒鰭を戦斧で断とうとして、ふと止める。
視界の端、艦橋外の柵に前脚で取りついた相棒の姿が見えた。動けぬ怪我人を安全な場所へ避難させて戻ったらしい。
(ここはいっちょ前線らしく)
唇に凶暴な笑みを刻み、真正面から敵へ踏み込む。反射的に顎を大きく開き前脚に相当する鰭を突き出してくる動きを見切り、踏み込んだ力さえ利用して爪先の力だけで宙に舞う。頭上に向けて突き立てられた鰭を身体を捻ることで交わし、全体重を乗せた戦斧で胴体を真っ二つにせんとばかり叩きつける。
「よっ、とぉ?!」
着地した瞬間、ほとんどふたつに叩き切られた尖兵の頭が動いた。最後の力でもって齧りつこうと飛びついてくる。
「服部!」
悠月の声と共、光の矢が流星の如く飛んだ。一矢、二矢、続けざまに尖兵の額を撃つ。弓矢の力で尖兵の動きが僅かに逸れて、
「助かる!」
その僅かの間隙を縫い、剛は龍戦斧マグナの特殊効果を己の意思でもって発動させる。それは穂先から石突きまで、カイトシールドのかたちでもって現れる光の障壁。
音もなく展開させた光の障壁で尖兵の頭突きを防ぎ、次いで押し返す。
「舐めんなよ」
『竜』騎士であるところの剛は尖兵の文字通り死に物狂いの猛攻を受けてもなお笑う。一瞬のうちに障壁を消す。つんのめる格好で突っ込んできた敵に向け、戦斧を振るう。
「アルス!」
戦斧の先に引っ掛けた竜の尖兵の巨体をその剛力で窓の外へと吹っ飛ばせば、外で待機していたアルスが待ってましたとばかり衝撃波を放った。
「すごいね!」
アルスの衝撃波に更に吹き飛ばされて宙を舞う竜の尖兵を翼持つ老馬を操ってかわし、アリスは鮮やかに笑む。胴と頭をほとんど千切れさせながら、更に衝撃波に撃たれて宙に舞っていてもまだ大きな顎を開いて食らいつこうとしてくる尖兵の執念に、アリスは水色の眉をひそめた。
「こっちだよ!」
地に叩きつけられても獲物を求めて蠢く竜の尖兵のもとに舞い降りる。艦橋から離れた甲板には、負傷から回復したものの動けぬ船員が避難している。瀕死とは言え、彼らの元に尖兵を向かわせてはならぬと誘導する。
「そう、こっち!」
目の前の獲物を食らうことにのみ死に間際の力を注ぐ竜の尖兵に向け、アリスは声を放つ。そうしながら、地に散らばっていた硝子片や砂を風に集める。砂を詰めて重石に出来るような容器があれば殺傷力の高い砲弾代わりにもなりそうではあるけれど、尖兵の様子を鑑みるに今はこれでも充分。
「逃げるなら深追いしないよ──船と船員を守ることが大事だから」
アリスの最後の警告にも、竜の尖兵は構わない。最期の咆哮を上げ、地を這う。最期の最期まで、己の肚のみを満たす獲物を、アリスを求めて大地を駆ける。
「そう、……じゃあ、仕方ないね」
竜の尖兵の飢餓に応じるのは、死をもたらす旋風。
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阿瀬春
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年06月18日
参加申し込みの期限
2020年06月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年06月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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