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【星幽塔】第三階層 黄金砂漠には砂行く船
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「デッカイなあ」
黒銀竜アルスや翼持つ老馬さえ共に乗り込める『昇降機』に剛は左右色の違う瞳を輝かせた。
「ほんまに艦内見てもええん?」
振り返って問うのは、どこか楽し気な様子の船長。
「魔物に襲われて数十年ぶりに緊急浮上したとは言え、久々の客だ。しかも船を救ってくれた英雄さまとあれば案内しないわけにいくもんか」
「おおきに! テレノとユランへの土産話にしたいねん!」
「ふたりとも元気にしているかな」
剛の言葉に、動き出す昇降機を物珍し気に眺めていた彰尋が穏やかに微笑んだ。
戦闘時とは全く違う少年たちの屈託のない様子に、船長は金色の瞳をぱちりと瞬かせた。
「あ、テレノ言うんはな、今は土の竜ん中に居る土の精霊の仔や。ユランは竜の仔。また大きなっとるんかなあ」
口にしてから気が付いた。船長も船員たちも船内に住まう人々も、みな──
「あの精霊たちと袂を分かったものか……」
隣で呟いた悠月に、剛は思い至る。そういえば、船長とテレノはどこかしら似ている。白髪金眼、同族であれば髪や目の色が同じなのはあり得るとして、横顔や瞳のかたちがまるで親子か姉弟のようにも思える。
「船の案内船の案内!」
首を捻る剛には構わず、アリスが歓声を上げて船長の肘に腕を巻き付かせた。
「こういうの寝子島じゃあ絶対に見られないからな!」
こちらも戦闘時とは全く違い、年頃の少年なりに楽しみでたまらなさそうに瞳を輝かせる刀に、アリスは大きく頷いて返す。
「砂の中を行く船って初めて乗るから楽しみ!」
「そうかいそうかい、何なら砂漠の地底湖の氷石英でも進呈しようか」
「わ、珍しい鉱石ほしい!」
「氷石英?」
刀の問いに、船長は腰のベルトに結わえ付けた革袋から小さなメダル状のものを取り出した。丸く削り出された白い石は、てのひらに乗せればひんやりと冷たく、手の熱に反応して碧く透き通り始める。
「くれるの? ありがとう!」
水色の髪を揺らしてアリスが嬉しそうに飛び跳ねたとき、昇降機が一度大きく揺れた。
格子状の扉が持ち上がる。巨大な通路を潜り抜けたその先に現れるのは、土と砂と鉄で出来た迷路のような町。
町の中空を蜘蛛の巣じみて複雑に渡された石橋のどれもこれもには何に使われているのかも判別つかぬ煤けた導管が無数に張り巡らされ、水が流れるような葉が擦れ合うような音を立てている。
白石を積み上げた家の壁にも、ともすれば石畳の道にも、導管が埋め込まれている。
「うわ……」
遥かに高い天井を仰いだ彰尋が見たのは、絡み合う石橋と導管の更に上、天井と思しき場所に塗りこめられた鮮やかな瑠璃の色。
「それにしてもこんな船をよく作れた物だね」
街角から足音もなく現れたサキリが彰尋の視線を追い、天井の青に気づいて静かに微笑んだ。お疲れさま、と艦橋で共に戦った皆や船長に手を振る。
「実に圧巻だよ」
「……皆は」
船長の息を吐くような声に、サキリはもう一度笑った。
「被害は惨憺たる状況だけど──」
赤い瞳を巡らせ、掌で指し示すのは道の先。天井から降る透き通った青の光に照らし出されて、道の先の広場では立て籠もっていた人々が次々と外に飛び出し、ともかくも生き残ったことに快哉を叫んでいるその光景。
「僕たちの勝利だ」
勝鬨の声を上げていた船員や住人たちが、昇降機から降りてきた船長の姿を見つけた。駆け寄ってきては互いの無事を喜ぶ声を掛けられ背中や肩を叩かれ、船長は泣き出しそうな顔で笑った。
「身体に辛いところはないですか」
住人たちと共に船長のもとへ掛けてきたまりえが船長の手を取る。傍らにじっと控えている翼持つ老馬を仰ぐ。
「元気元気、ありがとよ!」
『問題ない』
ふたりの返答に頷き、他の皆の身体の具合を目視で確かめ、看護師は素早い動作で踵を返す。無事を喜ぶ人々に優しいまなざしを向けながらも、負傷者の集められた広場の一角へとすぐさま戻る。
「助かったよ!」
船長の感謝を背中に受けて、まりえは肩越しに振り返った。ローズブラウンの髪を白いローブの肩に揺らし、どこまでも優しく強く微笑む。
「私の仕事ですから」
「──さあ、宴だね!」
住人たちに向き直って船長が声を張れば、待ってましたと歓声が上がった。
「手伝うよ!」
早速準備に取り掛かる住人たちに彰尋がするりと混ざりこんだ。悠月と剛とアルスにひらりと手を振る。沢山頑張ったアルスや剛、悠月も『船』の皆も、きっとお腹が減っている。
空腹ばかりは星の力では癒せない。それに、料理好きとしてはこの船の人々がどんな料理を作るのか、どんな料理を好むのかを知っておきたい。
「私も手伝うよ!」
「楽しみにしとるでー」
満面の笑みで彰尋やアリス、ついでに住人たちにさらわれた船長と刀とサキリを見送って、剛は見知らぬ町の中に佇む悠月を見遣る。
「俺らはどないしよか」
「船の中を、彼らの生活を見せてもらいたいな」
ええな、と笑った剛が悠月とアルスと共に足を向けたのは、町の中心部らしい通り。様々な生活用具が散乱し、竜の尖兵に襲われた爪痕は残っているものの、住人たちは締めきっていた窓を開け、台所からかき集めた食材や酒類を広場に持って行こうと大わらわ。中にはもう通りで食べ物や細工物の屋台を再開しようとしている逞しい商人まで居る。
「あの、……」
色とりどりの鉱石から削り出した腕輪を売る露店の前、夏朝は足を止める。猫好きな夏朝が惹かれたのは、ビーズ紐に結わえ付けられた瑠璃色石の小猫。
商人が口にしたのは『猫』ではなく夏朝の知らない名称ではあったけれど。
「物々交換でも、構わないかな……?」
通貨の有無がわからず、交換できそうなものがないか鞄を探る夏朝のてのひらに、商人は瑠璃猫のブレスレットをそっと握らせた。
隠れて戦闘を見ていたという商人から、格好良かったぜ、と憧憬にも似た笑みを向けられ、夏朝は白い頬を薄紅に染めて小さく笑い返す。
ふわふわとした足取りで歩きだそうとして、
「……大丈夫……?」
道の端っこ、大きく広げた外套の上で長い手足を思うさま伸ばし、大の字になって転がる志桜里と、マントにくるまり人通りの多さにも関わらず熟睡している風のティオレを見つけた。
そっと近づいて覗き込めば、志桜里がぱちりと栗色の瞳を開く。平気です、と笑う彼女もティオレも、どうやら対巨大竜の尖兵による重労働で疲れ切った風。ことが終われば体力回復に努め、次に備えるあたりは武人の気質にあるがゆえか。
「お疲れさま」
「夏朝さんもお疲れさま」
たおやかに微笑んで淑やかに起き上がり、気持ちよさそうに伸びをする志桜里の耳に届いたのは、戦勝を祝す会の開催を知らせる声。
「出番だね」
むくり、盗賊兼踊り子のティオレが起き上がる。跳ねるように立ち上がり、屈託なく笑ってくるりと踵で美しいターンをしてみせれば、傍らの夏朝と志桜里が感嘆の声と共に拍手をくれた。
戦闘に乱れた髪を整え、踊り子たるティオレは周囲を見回す。
竜の尖兵の襲撃に遭い、数十年ぶりに砂中より現れた船。砂賊の船の出現は、この第三階層に如何なる変化をもたらすのか。
何か起こるのかも何も起こらないのかも、今は分からない。
「ま、とにかく」
共に戦った少女たちと一緒にティオレは戦勝の宴へと急ぐ。
八百年以上を生きる彼女にとって大切なのは、
「今を楽しめ、ってね!」
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あとがき
担当マスター:
阿瀬春
ファンレターはマスターページから!
お待たせいたしました。
黄金砂漠での冒険譚、お届けに上がりました。
毎回そうなのですが、今回のお話も、わたしの好きなものと言うのでしょうか、浪漫! なものをめいっぱい詰め込んでみました。お楽しみ頂けましたらうれしいです。
ご参加くださいまして、お読みくださいましてありがとうございました。
またいつか、お会いできましたら幸いです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年06月18日
参加申し込みの期限
2020年06月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年06月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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