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【星幽塔】第三階層 黄金砂漠には砂行く船
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ひとひとりかふたりが漸く立っていられるほどの艦橋外の柵の中、身を寄せ合うようにして立ち尽くしているのは、白い髪を血糊で赤く染めた船長とその部下数名。
弾の尽きた短銃をベルトに捻じ込み、部下たちを己の背の後ろへと追いやり、船長は手にした剣を構える。割れた窓の内側、盾で以て竜の尖兵の群の只中へと突進し、仲間の少女と女性を護りつつ居住区へと向かう勇猛な少女の背に向け、
「頼んだよ!」
願いを籠めて一声叫ぶ。頬を伝う鮮血を拳で拭い、短い息ひとつで呼吸を整える。次いで見やるのは、空より現れた黒髪の少年と、宙より現れた銀髪の少年。抜き放たれた刃の如き光を瞳に宿したふたりは船員たちの誰もが恐れ怯えた化け物たちと真正面から対峙して、一抹も不安を見せていない。それどころか、今にも床を蹴って艦橋内に蠢く群に殺到しそうな闘気を噴出させている。
彼らの気迫に圧されてか、飢えた化け物はこちらに近寄る速度を落としている。寄らば斬られると本能で悟って、それでも身を蝕む飢餓には耐えられず、鰭から滲出させた濃紫の麻痺毒液を床に零してはじりじりと近づいてくる。
「だめだよー!」
艦橋の中から船長たちに食らいつくべく飛び出そうとした尖兵──刀に傷つけられ気の立ったその一体に、快活な声と共、風よりも速い銃弾が寸分の狂いもなく撃ち込まれた。銃声とほぼ同時、魔風の光の力をも纏った弾が刃による傷口を抉る。つむじ風を纏った弾は尖兵の体内に留まることなく、その身を穿ち貫く。頭部から腹まで風穴を開けられ、竜の尖兵は黒い血をまき散らしてその場で喚きのたうち回った。
「怪我してるみんなには近づけさせないよ」
翼ある老馬の背で銃を構え、アリスは鮮やかに笑う。
断末魔を上げて暴れる竜の身体に押され、他の尖兵たちが僅かに後退する。そこを狙い、アリスは突風を尖兵たちに叩きつける。風で押し、船員たちから出来る限り遠ざけようとする。
群れを一点突破した少女たちの背が壊れた扉の奥へと消えた。少女たちを食い損ねた数体が悔し気に吠えたてては艦橋内へと戻って来る。風に押されて動けぬ仲間をその背からぐいぐいと押し、強引に進もうとする。
艦橋内をほとんど埋める竜の尖兵たち──毒々しい色した地を這う鮫の姿を見とめ、悠月はアルスの背で熱砂の風と太陽の光を胸に満たす。
(先ずは、護る)
風と光を歌に変え、唇から溢れさせる。悠月のろっこん【Holly Knight】は、歌が続く限り、自身や視界に入る範囲で守りたいと意識した人物の周辺に半透明の障壁を作り出す。
第一階層で教わった歌を高らかに歌い上げることで竜の尖兵から船員と船長をその障壁の内に護る。
(……ひとまず、だが)
命の危機を回避させるも、このまま現状維持ともいかないことは理解している。
己と剛の間に座す彰尋がどこか不安げに身じろぎした。アルスの背と艦橋との高さと距離を行き来する彰尋の視線を追うて、悠月はちらりと笑む。風の中に舞う黒銀竜の背から艦橋へとどう降りるべきか、怪我をしまいかとまごつく彰尋の横顔に、
「舌を噛むなよ」
歌の合間に短く告げるなり、問答無用で肩を抱き寄せる。目を瞠る彰尋には全く構わず、両膝の裏をぐいと片腕に引き寄せる。
「んな、ちょっ……?!」
彰尋の驚きの声と共、悠月はアルスの背から躊躇なく飛び降りた。
重力に掴まれ引きずり降ろされるはずのふたりの身は、悠月が身につけたウィングブーツの力により、ふわり、衝撃ひとつなく艦橋外の柵の端に着地する。
「って、何姫だっこしてんねんお前ら!」
アルスの背から降る剛の呆れた声に、悠月は何でもない様子でひらりと手を振る。
「……ええー……」
背丈も体重もそう変わらない、むしろ若干高かったり重たかったりする自分がこともあろうにお姫さま抱っこされてアルスの背から降ろされたことが腑に落ちず、彰尋は不満の声を思わず零す。
(なにその王子様? 王子様的な?)
あまりの出来事に混乱しがちだった脳内は、
「もー、そっち頼んだで!」
剛の明るくはあるものの切迫した声で落ち着きを取り戻した。
「アルス!」
剛が吠える。応じたアルスが艦橋内に向けて衝撃波を放つ。
轟、と叩き込まれた黒銀竜の目に見えぬ攻撃に、竜の尖兵たちが圧されて怯む。その隙を突き、剛はアルスの背から飛び降りた。その場の誰よりも長身筋肉質な身に鎧をまとい戦斧を担いだ騎士は、竜の尖兵から船長たちを阻む位置に降り立つ。
「おまたせ! 手ぇ貸しに来たで、船長さん!」
艦橋の周囲を油断なく周回する黒銀竜を背景に鮮やかに現れた竜騎士は、仲間が作り出した半透明の障壁を背に戦斧を構える。艦橋内で奮闘する刀とサキリ、翼ある老馬の背から魔風の力を帯びた弾丸と弾丸にも似た風を放つアリスの攻撃の隙を突いて襲い掛かって来る竜の尖兵へと戦斧を振るう。
それでもじりじりと距離を詰めてくる飢えた尖兵たちに向け、アルスの衝撃波が飛ぶ。
「近づけさせへんで!」
「頼む!」
剛の力強い背中と歌い続けることでろっこんを発動させ続ける悠月に声を掛け、彰尋は艦橋外の狭い柵内にへばりつくような格好の船員たちを確かめる。
頭から胴体までどこもかしこも血まみれな船長を筆頭として、艦橋外に逃げ延びた船員の誰もが多かれ少なかれ負傷している。
「動けないほどの怪我人から治療する」
怪我人の多さに怖じそうになる心を隠し、凛と声を張れば、血まみれの船長が頷いて身を引いた。十人ばかりの船員たちが割れるように輪を解く。彼らが身を挺してでも守ろうとしていたのは、麻痺毒を受けた上に腹を齧られ大量出血した船員。
「おれたちは構わねえから」
「こいつを」
「頼む」
どこかしらに傷を負いながら仲間を助けてくれと願う船員たちには、持参した『月希』を渡す。
「口しても傷口に塗っても効く」
液状の薬の使い方を説明する彰尋の足元、
「これも使ってー!」
丸薬の入った小さな布袋が投げ込まれた。ひゅるり、布袋に巻いていた風がほどけて笑う。
「【にがにが】! あとから苦くなるけど飲み込めば大丈夫!」
翼持つ老馬の背に乗ったアリスも笑う。怪我に効果は認められないが、疲労は回復する。ついでに瞬発力や攻撃力も上がる。
「元気になってねー!」
水色の髪をなびかせ、服の上からでも分かる大きい胸を揺らして笑う可愛い女の子の姿に、負傷してもまだまだ動ける船員たちが見る間に元気を取り戻した。わあわあと拳を突き上げて応じる現金な男たちに彰尋は思わず笑みを零す。彼らであれば、治療を終えても未だ動けぬこのひとを避難させるための護衛も任せられる。
意識さえ失った蒼白な顔の船員の前に膝をつく。血に濡れた腹に掌でそっと触れ、己の身に宿った癒しの光を掌に集中させる。
飢えて猛る竜の尖兵たちの声が間近に聞こえてはいるが、悠月の声が聞こえている限りは悠月のろっこんが発動している。障壁の外では剛も護ってくれている。
竜の尖兵の顎がここに届くことは決してない。彰尋はそう信じる。
「大丈夫、すぐに治すよ」
怪我人と自分に言い聞かせたそのとき、
「おどれ何さらすねん!」
剛の罵声と共、悠月の張った障壁全体に重いナニカがぶつかる衝撃が響いた。半透明の障壁に、幾重にも重なった牙がガリガリと立てられる。
「この……!」
障壁の内側で剣を抜き放とうとする船長を、悠月はひどく重い腕をもたげて止める。ろっこんによる障壁は、攻撃を受ければその反動に疲弊を与える。
飢餓に耐え兼ねて全身の力で以て宙を跳ね、剛の護りさえかいくぐって艦橋外に飛び出した竜の尖兵が障壁を破ろうと牙を立てるごと、悠月の身に疲労が圧し掛かる。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年06月18日
参加申し込みの期限
2020年06月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年06月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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