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【お正月】賑やかで華やかな一時を
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島外
一月一日の早朝、
落合 まゆら
は目を覚ました。
「……どこよ」
口にして、あー、と納得した声を漏らす。
「埼玉の実家ね」
安心したように瞼を閉じた。窓の明かりを嫌うように寝返りを打った。もぞもぞしてガバッと上体を起こす。
長い髪に手櫛を入れながら大きな溜息を吐いた。
「寝正月の予定が……」
いつも通り、午前六時の起床となった。声優のトレーニングは行わず、さっさと普段着になった。
「お腹も空いたし」
自室を出ると一階に降りていく。リビングに顔を出すと母親が忙しなく動いていた。
「これ、居間に運んで」
「明けましておめでとうくらい言わせてよ」
「はいはい、あけおめ」
母親は背中を向けた姿で言った。コンロの鍋の状態を見ながら俎板の上の水菜を包丁で切った。
「忙しないんだから」
言いながらお節が詰められた重箱を居間のテーブルに運ぶ。
「これもお願い」
「わかってますよー」
間延びした声で取り皿と箸を手にした。
「これで全部ね。他は!」
「ないわ」
母親の一言でまゆらは自分の場所に落ち着いた。お節に目がいく。引き剥がすようにテレビのリモコンを手に取った。
「なにか、あるかな」
テレビを点けるとスーツを着た二人組の男性がマイクスタンドの前で言い合っていた。長身の男性が小さな小太りの頭を平手で叩いた。複数の笑い声が上がる。ぱらぱらと拍手が混じった。
「漫才ね。イマイチだけど」
チャンネルを変えた。刺身の舟盛りが映った瞬間、即座に変えた。次々とボタンを押してテレビを消した。
目がお節に向かう。小さく腹が鳴った。
そこに父親と兄が現れた。
「あけましておめでとうございまーす」
笑顔が零れた。
「これ、お雑煮ね」
母親がお盆で人数分を運んできた。
家族が揃ったことで新年、最初の朝食が始まる。
まゆらは嬉々としてお節に箸を伸ばす。取り皿に数の子と伊達巻がこんもりと山を作る。
「これ、好きなんだよねー」
「取り過ぎだろ」
兄の鋭い指摘が飛ぶ。
「早い者勝ちって言葉を知らないの?」
まゆらは数の子を一口にした。口を動かしながら伊達巻を押し込む。冬籠り前のリスのように頬を膨らませて空の取り皿を見せ付けた。
「そっちが、その気なら」
兄は残っていた数の子を奪った。取り皿に載せて箸で掻っ込む。
「ちょっとー!」
「早い者勝ちだ」
兄は空になった取り皿を見せてニヤリと笑う。
「あんた達、いい加減にしなさいよ!」
母親の一喝で隣にいた父親は苦笑いを浮かべた。
賑やかな朝食が終わると父親がポチ袋を差し出した。
「え、あたしに!?」
「学生だからな」
「ありがとう、パパリン!」
「パパリン?」
首を捻る父親を余所にまゆらはポチ袋の中身を確認する。
「二万円、ラッキー!」
その喜びを目にした兄は隣にいた母親に、ママリン、と甘えた声で言った。
「あるわけないでしょ。あんたは社会人なんだから」
一言で望みを絶たれたのだった。
自室に戻ったまゆらは上機嫌でMewTubeを楽しんだ。飽きるとネットで無料の漫画を読み漁った。目が疲れて寝転がっていると、いつの間にか眠っていた。
「今は何時?」
部屋が暗い。スマートフォンを手にして驚いた。
「始まる時間じゃない!」
自室を飛び出し、階段を駆け下りると居間に飛び込んだ。
驚いた顔の母親を無視してテレビを点けた。
「オープニングは見逃したけどセーフよ」
「もう、そんな時間になるのね」
母親は置き時計を見て言った。
「これを観ないと正月が始まらないって!」
テレビ画面の中で司会進行役がマイクを片手に人物を紹介する。
「トップバッターは老舗のデパートの若社長、東西健一さんです。甘い歌声に注目です。では、張り切ってどうぞ!」
呼ばれた本人はスーツ姿で手と足を同時に出して歩く。ステージの中央で立ち止まり、鬼気迫る笑顔を見せるとマイクスタンドに頭突きを入れた。
「ち、違います。今のは挨拶で」
生演奏が弁解を阻む。直立不動となったところに売り出し中のアイドルが駆け込んでバックダンサーを務めた。
甘い歌声は緊張の果てに裏返る。観客から笑い声と拍手が同時に起こった。
まゆらは笑ってテレビを観ていた。
「微妙なカオス感が相変わらずね」
盛大な拍手のあと、社長と副社長が登場した。
副社長が演歌で熱唱している横で社長がタップダンスを軽やかに披露。半ばで体力が尽きて息切れを起こし、もっとゆっくり、と注文を付けた。
副社長は、そんな無茶な、と小声で返す。
「マイクで筒抜けだよ」
会場と同様にまゆらも笑った。
五組目も会社の社長であった。バックには男性社員が立ち並ぶ。裸ネクタイにビキニパンツで怪しげな踊りを始めた。
その中の一人を目にしてまゆらは噴き出した。
「ブッ、フフ、あ、兄貴、何してんのよ。アッハハハ!」
「バカよねぇ」
母親は湯呑みの茶を啜りながら笑っていた。
終わり近くになって仙人のような姿の会長が杖を突いて現れた。
歩くだけで盛大な拍手が起こる。黒子のように側にいて世話を焼いているのは父親であった。
「え、ええ!?」
まゆらはテレビの画面に釘付けとなった。
生演奏が始まると会長の背筋が伸びた。音程を外さず、齢を感じさせない力強い歌声であった。
父親は一人で横断幕を広げて『会長日本一!』と少しずつ横に移動しながら閉じては開く。
「そんなことしても、プッ、一人にしか、見えないし」
堪え切れず、まゆらの声が震えた。
毎年恒例の番組は笑いと少しの感動で終了した。
母親は立ち上がるとまゆらに聞いた。
「夕飯はどうする?」
「家で食べるけど、その前に近所の神社で初詣を済ませてくる」
「気を付けていくんだよ」
「わかった。少し笑い過ぎて夜風に当たりたい気持ちもあるんだよね」
まゆらは上からコートを着ると元気に出掛けていった。
小さな神社に人の姿はなかった。まゆらは賽銭箱に百円を入れた。紐を使って鈴を鳴らし、二礼して二拍手した。
「間近に迫った収録が無事、成功しますように」
一人なので声に出して願う。
最後に一礼して踵を返す。まゆらは番組で耳にした歌を口ずさんで帰っていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
41人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年06月14日
参加申し込みの期限
2020年06月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年06月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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