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ジニーたちが上の階に消えてちょうど一分後、同じ場所に現れた二人連れにしばし注目してみましょう。
たとえるならばヴィーナスとマーズ、ゴージャスな美しさを誇る彼女と、元気でキュートな彼女の二人連れ、いずれおとらぬ二輪の花は、
財前 華蓮
と
畑中 華菜子
なのでした。
「そういえば」
突然、なにかに気がついたらしく華蓮は片眉を上げました。
「どうしたアル?」
華菜子のほうはいたって平然としています。飛び乗るようにしてエスカレーターに足を乗せます。
「そういえば今から行く映画館、kenzakiシネマねこじま……なんだか臭い名前ですわねぇ」
「どこがですー?」
「なんとなく寒気を覚えるというか、不穏な気持ちになるというか……」
「『ねこじま』の表記がひらがななのは可愛いと思うアル」
「違いますわ。そこじゃなくて」
「念のため言うと、『シネマ』っていうのは『映画』って意味アルね」
「わかってますわよそれくらい! あのアルファベット部分がなんというか……」
とかなんとか言っている間に、二人は映画館の窓口に到着していました。前売り券を座席券に換えるころにはその話は立ち消えになってしまい、華蓮と華菜子は映画の話題に移っています。これから観る予定の『京都の恋と、水無月と』の話に。
「水無月って、『六月』って意味だけじゃなくて、和菓子の名前でもあるそうですわね。なんでも、京都の人間は和菓子の水無月を食べないと夏が来た気がしないとか……」
「風情があって素敵アルなー」
「ところでポップコーン食べません? おごりますわよ」
「嬉しいアル! でも、いいアルか? 映画のチケットももらったのにー」
「気にしないで下さいまし。元々映画に誘ったのは私ですもの。それに、この前畑中さんに商店街を案内してもらったお礼ですわ」
と、大きなポップコーンを抱えて歩き始めたところで、ロビーの一角で華蓮はハタと足を止めました。
「……ん? あのダッサイ縦ロールは……」
みるみる華蓮の表情が変化していきました。
宿敵を見つけたときの顔です。
「……
剣崎 エレナ
!?」
華蓮から見たエレナは『永遠のライバル』です。エレナのほうは華蓮をどう思っているのかはわかりませんが、少なくと華蓮は彼女を、どうしても意識せずにはいられないのでした。エレナがいるとその一挙一動を、目で追わずにはいられない。ベッドに入っていてもつい、エレナのことを考えてしまう……なんだか、恋するように情熱的に敵視しているのです。
ところがその華蓮の気持ちを知ってか知らずか、
「剣崎先輩ー!」
華菜子は手を振ってエレナに呼びかけたのでした。
「あら、畑中さんに、ぜんざいさん」
エレナは、悪戯っぽい笑みを眼に浮かべていました。
「違います! ざ・い・ぜ・ん! 財前ですわ!」
絶対わかってて言ってる! と思うのですが、それでもカッカせずにはいられない華蓮なのです。
「ふふ……失礼。お二人とも映画鑑賞?」
「はい、そうアル。もしかして先輩も『京都の恋と』を観に?」
――エレナも同じ映画を観に来たのだとしたら……。
なんだか嫌ですわ、と華蓮は思いました。
この映画館は指定席制ですけれど、こういうとき、ライバル同士が不幸な偶然で隣あう席になったりするのって、セオリーじゃないですか。
そうなったら、肘掛けの奪い合いをすることになったりするのではないでしょうか。
厚かましいエレナ(※華蓮のなかではそういう設定です)が、ポップコーンを取りに手を伸ばしたりするのではないでしょうか。
それは広い気持ちで許してあげるとしても、そうするとエレナの伸ばした手が、自分の手と触れあってしまったりするかもしれません。
――そうなったら私……どうしたらいいのか。
ところが、
「私? 『グチャドロゾンビーズ』」
「ええっ!? 剣崎先輩そういうの好きなんですか!?」
「ホラーものって観た後スッとしない? ありえないほどB級であればなおさらね」
言いながらエレナの頬も紅潮しているのでした。けれどそれは華蓮と違って、好きなものについて語るときの、キラキラした眼をともなう性質のものです。
「今日観るのはシリーズ二作目で、前作『恐怖のグチャドロゾンビーズ、誕生編』も結構良かったのよー。ランチ抜きを繰り返してお金貯めて、ゾンビフィギュア付き限定DVDボックスも買っちゃった。もう本国では三作目の撮影が始まってて……」
うっとりするエレナを見ていて、なんだかまたムカムカと腹立たしい気持ちになってくる華蓮です。どうして頭に来るのかは、自分でもうまく説明できません。
「先輩けっこうマニアなんですね。私はホラー映画苦手アル。ゾンビが襲ってくるの怖いアルー」
「怖いのも慣れるとストレス解消になるわ」
「へー」
エレナと華菜子が楽しそうに話しています。その会話に入り込めなくて、華蓮は奥歯を噛みしめました。
――エレナと話すことなんかない、けど……。
こうなったら「私の話を聞きなさい!」と叫んで無理矢理彼女を振り向かせましょうか。けれど、そうしてなにを話すというのでしょう。
あと十五分で始まるね、と時計を見たエレナに、ふと思いついたことを華菜子は言いました。
「ところでkenzakiシネマって剣崎グループですよね? 剣崎先輩と関係あるのでしょうかー?」
えっ、と目を見開いたエレナですが、すぐに、言いにくそうに言葉を続けました。
「それは……えっと………実家」
「実家?」
むっとしたような口調で華蓮が口を挟みます。
「この劇場も、実家が……経営してる事業の一つ」
というエレナの声は、なんだか消え入りそうなのでした。
ようやく華蓮は、この『kenzakiシネマねこじま』という名前に抱いていた違和感に思い至りました。そうです、エレナは、日本の大財閥『剣崎グループ』の一族なのです。だからここは、エレナにとってはホームグラウンドみたいなもので、華蓮にとってはいわば敵地。冷静になってみればすぐわかることでした。
「あーら羨ましいこと、剣崎さんは財閥系のお嬢様ですものねー」
同じお嬢様といっても華蓮は比較的新興の投資家の娘、皮肉のひとつも言いたくなります。
「お姫様はフリーパスですわよねぇ? お席だって一番いいところを最優先で回してもらえるのではなくって?」
ですが、
「そんなことないわ!」
華蓮を見るエレナの眼は、怒っていました。
「私はそういう、特権みたいなのとか贅沢とか、遠ざけたいと思っているの。だからチケットも自分のお小遣いで買ったし、席だって、ちゃんと並んで確保したんだから……! そもそも、ここの従業員は私の顔なんて知らないはずよ。そんなこと言われるの……心外だわ」
怒っているようですが、傷ついたようにも聞こえる口調でした。
「じゃあ、もう映画始まるから」
ぷいっと背を向けると、エレナは早足で『ゾンビーズ』の上映室に去って行きました。
そういえば彼女は、「ランチ抜きを繰り返してお金貯めて」と言っていなかったでしょうか。贅沢三昧のお嬢様が、そんなことをする必要はありませんよね。エレナの言葉に嘘はなさそうです。
なら、どうしてでしょう。エレナはもっと堂々としていていいはずなのに。
――なんだか彼女、逃げ出したみたいに見えましたわ。
エレナをやり込めたのです。爽快な気持ちになっていてもおかしくないのですが、華蓮の心は晴れませんでした。
――謝ったほうが……いいかしら。
華菜子は二人のやりとりの一部始終を見ていたのですけれど、特にそのことには触れませんでした。
そのかわり、ただ一言、
「あの映画の終了時間、『京都の恋』と同じくらいアルよ」
と言って微笑したのです。
「さあ、うちらも入るアルね。普段恋愛映画って観ないから楽しみアル-」
華菜子に手を引かれるようにして、華蓮も上映室の階段を上がっていくのでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月10日
参加申し込みの期限
2013年09月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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