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ぞろぞろと上映室からお客さんが出てきます。
その中には、弘明寺能美子と橘千歳、
ジニー・劉
の姿があるのです。
「映画って楽しいのね! キャーキャー騒いでる人もいたし、刺激的だったわ」
能美子は一番元気です。『恐怖のグチャドロゾンビーズ』をホラーというより、エンターテインメントとして満喫したようでした。
「スクリーンも実家のホームシアターより…一回りくらい大きかったし快適だったし」
ところがそんな能美子に比べ、千歳は表情が重いのでした。
「ほ、本当に死体ばっかり……」
千歳がちょっとよろめいているのは、ショッキングな映像連発を目の当たりにしたせいでしょうか。
「なんつうか、疲れた……」
ジニーもお疲れの様子です。なにせ、上映中は人一倍怖がって、スプラッタなシーンで悲鳴を上げ、眼を覆い、ジタバタしていた彼なのです。どうやら能美子は気づいていないようだが、彼女の言う「キャーキャー騒いでる人」の一人は確実に自分だ――とジニーは思っていました。
――俺の場合、反応がでかいのは実感をともなっていたからだろうか……。
血なまぐさいものには、リアルでも接してきたジニーなのです。いやになるくらいに。だから凄惨な場面に受けるショックは、同行の二人の比ではありません。もちろん、そんな事情はおくびにも出しませんけれど。
ジニーにはショックすぎて思い出したくもない映画でしたが、女子高生ふたりは楽しそうに会話を交わしています。
だんだん元気になってきた千歳が言いました。
「主人公より、脇役の方がいい仕事してたわよね?」
「うん、そうかも。とくにあのオジサン!」
「あのオジサン有名な俳優なのかなぁ……? そういえば、あの人がもっていたアレ、結局使われずじまいだったわね。どういう意味だったのかしら……?」
「未知なる文化への憧れ……という風に私は解釈したけど」
「なるほど! 弘明寺さんそれ鋭いと思う」
――平和でいいな。
そんな能美子と千歳を見てジニーは思うのです。
――俺にゃなかったぜそんな青春。
と。
いや、いいんです。自分のような少年期を送るよりはずっといい。
いま、彼女たちの会話に加われないのは、年齢や性別というより、生まれ育った環境の差に理由があるのだろうとジニーは理解して、納得したような、寂しいような、そんな、はっきりしない気分なのです。
能美子の抱いている気持ちはジニーとは違います。まず、喜びがあります。
――今日は二人と仲良くなれて良かった。
その気持ちがあるから、彼女はさらにこんな提案をしました。
「あ、さっきのアクセの店、男性物もあったから見に行きませんか?」
「そうね。そうしようかしら」
千歳も賛成し、それなら、とジニーも応じました。
「……アクセ屋か。そうだな、カバン汚しちまった詫びだ、ダチとお揃いでなにか選べよ。あんま高いのは勘弁な」
「え、そんなわけには……」
「いいってことよ。ま、こっちは一応大人だからな、若いやつが遠慮するもんじゃない」
千歳たち三人と同じ人混みのなかに、剣崎エレナの姿もありました。
エレナの心は充足感に満ちています。それは映画が、期待通りのB級、脂ギトギトのジャンクフードみたいな痛快ホラー映画だったからです。
血みどろ祭のすさまじさやギャグの暴走ぶりを反芻しつつ……いやまったく、世間一般のエレナのイメージとは大きな差があるでしょうね……歩いていた彼女に、
「剣崎せんぱーい」
と声をかける姿がありました。
畑中華菜子です。
その隣には、
「…………」
どう声をかけるべきか迷っている、という表情の財前華蓮もいました。
ところが華菜子が肘で彼女の脇をつっついたので、華蓮は不承不承口を開いたのです。
「べ、別にあなたが出てくるのを待ってたわけじゃなくってよ。たまたま出てきたらばったり会っただけ」
華菜子がクスッと笑ったのですが気にしません。華蓮はエレナに近づき、
「さっきは……ちょっと、言い過ぎた気もしますわ。忘れてもよくってよ」
素直じゃありませんね、けれど素直じゃないといえばエレナも同じです。
「なんの話かしら。さっき? そんな昔のことは忘れたわ」
「また明日になったら思い出すんじゃなくって?」
「明日? そんな未来のことなんてわからないわね」
どっかの映画の台詞みたいアルー――と華菜子は思いましたが口には出さずにおきました。
まあともかく、これで仲直りというやつです。華菜子はうふふと笑って言います。
「ところで剣崎先輩、財前先輩なんてねえ、さっきの映画で……」
「ちょ、ちょっと! それ、今話す必要のある話題!?」
「ずっとウルウルしてたアルよ。しかも、主人公が死ぬシーンでは号泣……きゃ!」
華蓮は華菜子に飛びかかると、その頭をがっちりとヘッドロックして歩き出しました。
「この話はおしまい! ほら、お茶にしますわよ!」
映画館下のカフェに三人は入りました。大正時代を模したレトロ風、ウェイトレスも矢絣袴に前掛けという、なんとも浪漫あふれるお店です。
紅茶、コーヒー、カプチーノ、それぞれ頼んで香りと味を楽しみました。誰がどれを注文したかについては、みなさん想像してみてください。
最初は映画の感想を話していたのですが、
「主人公の女の子が最後死んじゃって可愛そうだったアル。恋人と離れ離れになったら寂しいアルよね。うん、私も家族やお友達ともう会えなくなったら寂しいアル……うーん、でもこれって恋じゃないアルし……恋って難しいアル」
華菜子のこの発言からふと、話題がズレはじめました。
「そういえば、両先輩はやっぱり、恋愛について詳しいアルか?」
やはり少女三人集まれば、ついつい向かうは恋の話、略して『恋バナ』というやつですか。
「いきなり飛ぶわね。話が」
エレナの反応はこの程度でしたが、
「詳しくないとは言いませんわよ」
それを見て、対抗するかのように華蓮は腕組みしたのでした。
「おおー、お二人ともすごく大人っぽいし、お話聞いたら恋愛の勉強になりそうアルね!」
思わず前のめりになって華菜子は問います。
「二人に質問。初恋はいつですか! 好きな人とかいるんですか!」
ストレートすぎる質問に、さしもの華蓮も面くらい気味ですが、ここで遅れを取るわけには……と虚勢を張って言うのです。
「それなりに経験はありますわよ。私のタイプは笑顔が素敵で大人っぽい方ですわね。剣崎さんには彼氏は?」
「私?」
というエレナが、きっと自分と同じようなことを言うだろうと華蓮は期待していました。
ところが、
「私は……まだそういうことに興味を持ったことがないわ。単なる憧れ、というのであれば何度かは……でも、恋というほどの感情ではなかったと思う。だから当然彼氏なんてなし、ね」
特に恥じる様子もなく、エレナは平然とそう答えたのです。
そうなると収まらないのは華蓮です。
「オホホ、剣崎さん、モテないんですわね。お可哀想にー」
「そうかも」
――いやここで挑発に乗ってくれないと-!
これは華蓮の心の叫びです。もうおわかりでしょう、実は華蓮も似たようなものなのです。
「だけどね、今は……」
にこっと微笑んでエレナは言うのでした。
「恋することより、友達のほうを大切にしたいな」
――えっ!?
このとき、エレナの視線と、華蓮の視線が一瞬ですが、交わりました。
同時に華蓮は自分の心臓が、大きく強く、ビートを刻むのを感じたのです。
――友達、って私のこと!? ちょっと待って、私と剣崎さんは永遠のライバル! 友達なんかであってたまるもんですか! ええ、そうですわ!
まったくまったく、まったくもって、今日はやりにくい!
華蓮にとっては厄日でしょうか。
でも、そのわりに、なんだかときめくような、嬉しいような気持ちがあるのはなぜなのでしょうか。
まったくまったく、まったくもって……。
そんな彼女たちを見て、華菜子は満足げにうなずくのです。
――いやー、やっぱり先輩たちは仲良しアルなー。
ところで少し時間を戻して、千歳と能美子、ジニーについてあと一度だけ触れておきましょう。
ショップにてアクセサリーを選びながら三人は色々会話したのですが、一点、ジニーには気になることがありました。彼の出身地を聞いて、
「私も横浜出身なんです」
と能美子が言ったこと、そこまではいいのですが、続いて千歳との会話で、
「あと、私は『一人っ子』で……」
「一人っ子ね……私には姉がいるけど、一人っ子って少し憧れるかな」
というやりとりがあったこと、これが気になったのでした。
これ自体は他愛もない発言にすぎません。聞き流して問題のない情報でしょう。
それなのに能美子が家族構成を語ったこと、それがなぜか鮮烈に記憶に残ったのです。
どうして気になるのかわかりませんが、能美子になんとなく見覚えがあることを含め、その後ずっとジニーの頭に、彼女の発言はこびりついたのでした。
能美子とジニーの出会いは、単なる偶然だったはずです。
けれどそこには、運命的ななにかが、あるのかもしれません。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月10日
参加申し込みの期限
2013年09月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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