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滑るように走る電車の窓から、神木煉は遠ざかる寝子島シーサイドタウンを見つめています。
手には果物カゴ、リンゴの一つでも買うつもりが、お見舞い用の立派なものを購入してしまったのは、はてどうした理由ですやら。
――ったく、なにやってんだ、俺。大げさな。相手は入院患者でもあるまいに……。
なにを買ってあげるべきか悩んでいたら、つい――色々入っているほうがいいか――という結論になったためです。
苦笑交じりですが、まあいいか、という気もします。
――あいつにはとっとと元気になってもらいたいからな。
でなきゃ張り合いがないではありませんか。
「待ってろよ」
と煉はつぶやきました。
維都月茉菜を送っていくというので、八神修たちとは別れ、はぐれた者たち三人、つまり霧生深雪と鷹取洋二、工藤耀の三人は、仲良くなった記念(?)に、なんとなく喫茶店でとりとめのない話に華を咲かせていました。
やがて耀が言いました。
「そういえば、二人は芸術科ですよね。芸術科の人と話すのは新鮮……」
「工藤クンはなにが専門だったかな」
「……サッカー。ボールは相棒ッス」
うんうん、とうなずいて洋二はさらに訊きます。
「やっぱ将来は、その道に進みたいの?」
「将来……っていうとちょっと遠いけど、今後っていうのなら目標、あります」
待ってましたとばかりに耀は言いました。
「それは強くなること! 昔の俺にボールを蹴りつけるくらい……負けず嫌いでしょ? でも、あいつら……つまり、部の上手い連中と同じフィールドに立ちたいからなんですよね。だから逃げない」
ここまで一気に語ったものの、急に照れくさくなったのか、後頭部をかきながら耀ははにかみました。
「……あ、これは他言無用ッスよ! 『俺は上に行く』って言っていて……か、かっこつけて悪ぃかよ……」
「ははは、頼もしい頼もしい」
「そういう鷹取は?」深雪が問います。
「僕もヴァイオリンで一流になりたいな。少なくとも国内コンクールには入賞したい。そのために腕を磨いているよ」
洋二がかなりヴァイオリンに打ち込んでいるのは、深雪も認めるところです。
そして洋二は、「霧生クンは?」と深雪に水を向けました。
「そうか、二人ともちゃんと考えてんだな。……あ、俺の話だったか」
咳払いして深雪は言います。真剣な表情でした。
「俺は……留学したいと思ってる。やっぱり本場で音楽の勉強してぇよ。将来はプロになりてぇし……それに俺には音楽しかない。音楽が生きてる証だし……家族との絆だから……」
熱く語ると、ちょっと気恥ずかしくなるのは深雪も耀と同じようです。洋二たちの視線に気づいて、早口で言いました。
「なに言ってんだろ俺……恥ずかし……忘れてくれ」
「いやあ、覚えたよ」
「俺も」
どっと笑います。
この日、三人にはそれぞれ、新しい友人が増えたようです。
「いいのか? 俺は決まり切った料理くらいしか作らないし、料理に詳しくもないのだが」
「いいんです。自炊されている方から、客観的なご意見をお聞きしたかっただけですから……」
駅ビル地下のスーパーで、カートを押す男女二人の姿がありました。
若夫婦? いいえ、それは御巫時子と海原茂です。
本屋で偶然出会った二人でしたが、このとき時子が申し出たのは「夕飯とお弁当の食材を買いに行こうかと思ってます。一緒にお買い物をしたいです……」というものでした。
茂もひとり暮らし、自炊しているらしいと聞いていたので、時子は買い物に付き合ってほしいと言ったのでした。
「そろそろ、ピーマンやトマトが旬になるみたいですね……」
「旬か……あまり意識したことがなかったな。どちらも一年中売っているから」
「ええ。でも、そうはいっても、やはり野菜は、旬のものが安くて栄養価も高いんですよ……」
「トマトはともかく、ピーマンも夏野菜なのか。知らなかった」
どうやら茂の食料品のチョイスは、かなり大雑把である模様、「トマトを買うんだったな」と彼が無造作に赤い野菜に手を伸ばしたので、時子はやんわりと止めます。
「待って下さい。もう少し、鮮度を見てから良い物を選ばせてもらえませんか……」
「そうか。鮮度……頭では分かっていたが、あまり気にしたことはなかったな」
「ほら見て下さい。同じ値段のトマトでも、ヘタの様子が違いませんか……?」
時子はトマトのヘタ部分を指しました。
「そういえば」
「トマトは、ヘタが緑色でいきいきしているものほど新鮮だと言われます……あと、ヘタ近くにヒビ割れがあるものは味が落ちるようですよ……」
「なるほど、勉強になるな。俺がつかもうとしたのは外れのようだ」
素直にうなずく茂でした。頭脳明晰にして高いリーダーシップを持つ茂が、時子の前ではまるで小学生です。
「そういえば茂さんは甘い物が苦手とか聞きましたが、煮付けや卵焼きも甘めは苦手でしょうか……?」
「ああ。いずれも醤油の味が勝っているほうが好きだ」
どうしてそんなことを知りたいんだ? などと、勘ぐるようなことは言わない(思いつきもしない?)茂です。ただ、彼だって何も考えていないわけではなく、
「今日は助かりました……」
と、レジを終えてから頭を下げる時子の袋詰めを、ごく当然のように手伝って、しかも、
「俺ももう帰るつもりだ。途中まで、荷物は持つ」
ためらいもせず、彼女の買い物袋すべてを手に提げたのです。
「え、でも……」
「気にするな。今日は醤油も砂糖も買っていたから重いだろう」
これだけ告げると、あとは問答無用とばかりに、茂は時子の荷を運んでくれるのでした。その姿はごく自然で、まるで生まれたときから、こうすることが当たり前だった人のように見えました。その凛々しさはいにしえの騎士のような、あるいは、戦前の映画に出てくる紳士のような……。
――茂さん……!
なんだかたまらなくなって、時子は彼に言いました。
「今日、買い物に付き合って下さり、本当にありがとうございました……。とっても楽しいひとときでした……」
「俺もだ」
このとき、うっすらと彼の唇には笑みが浮かんでいたのです。
楽しかった、そう述べた時子の気持ちに嘘はありません。そればかりか、彼とすごした時間は、とても安心できる心地良いひとときでした。
――そばにいるとドキドキするのが恋なら……。
時子は、思います。
――そばにいると安心したり、自然体でいられるのはなんというのでしょうか?
少なくともまだ今日は、その解答は出そうにありません。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月10日
参加申し込みの期限
2013年09月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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