せんせいといっしょ：鷲尾先生編｜リアクション

せんせいといっしょ：鷲尾先生編

●絶叫マッサージ

　添木牡丹が淹れたお茶を飲みながら雨崎荒太郎、宇佐見望月、後木真央、尾鎌蛇那伊、御鏡聖は、鷲尾先生と一緒に、保健室でランチタイム。
「先生……私が淹れたお茶……美味しいですかぁ～？」
「ええ。お茶を淹れるの、上手ね」
　微笑む鷲尾先生を見て「ありがとうございますぅ～」とニッコリ笑う牡丹。
「私は自分で作ったお弁当ですけれど、先生はお昼をどうしているんですか？」
　聖の質問に、鷲尾先生は自分で作る時もあれば、学食で生徒達と話ながら食べることもあると答えた。
「そうなんですか。また、こんな風に、皆さんとお話しながらお弁当を食べたいです」
「そうね」

　皆がそれぞれの教室に戻ろうとした時、御剣刀が保健室に。
「失礼します」
　保健室のドアを開けるなり、刀の目の前に蛇那伊が。
　最近、剣術の稽古がハードだったからか、身体が傷んでいるのでマッサージ頼もうと思っていたのだが、ばったり会うとは思わなかった。
（何で尾鎌がここにいるんだ？　ああ、確か保健委員だったっけ）
「し、失礼」
　すぐさまドアを閉めて教室に戻ろうとしたが、迫ってきた蛇那伊に襟首を掴まれ、強引に連れ込まれた。
「マッサージを頼もうって思ったけれど、日を改めるよ」
「遠慮しなくて良いのよ。マッサージして、身体をほぐしてあげる」
「って、引っ張るなーーーーー！　あっ、鷲尾先生、こんにちは。怪我や病気じゃないんです。尾鎌にマッサージを頼みに来たんです」
　彼のマッサージは効くから先生もどうです？　と勧める。
　その理由は何となくだが、胸の大きい女性は肩こりになりやすいと聞いたので、鷲尾先生も凝っているのではと思う刀だった。
「じゃあ、遠慮なくしてもらいなさい。空いているベッドを使うと良いわ」
「ありがとう、先生。さあ、刀くん、マッサージを始めましょう」

　蛇那伊はろっこんを発動してから、体にかけた負担に対するマッサージを行うことに。
　海パン一丁で発汗しないと発動しないので、女の子達に見られるのはちょっと……とカーテンを閉める。
「全身全霊を込めて、全身マッサージをねっとり、くっきりしてあ・げ・る♪」
　ウフフと笑い、言葉通りのマッサージを。

　　　　　　「いてっ！　いやマジで！　って痛いって、いたーーーーーっ！？」

　刀の絶叫が、保健室に響き渡る。
　それを聞いた保健室にいる全員は、マッサージ効果が如何ほどのものか気になって仕方がない。
「あーっ、効いた！　ありがとう、尾鎌！」
「どういたしまして。またマッサージしてほしかったら、遠慮なく言ってちょうだいね」
　マッサージ中は痛くて叫んでいた刀だったが、ベッドから起き上がると、スッキリ、爽やかな表情に。
「キミは、身体を酷使しすぎているようね」
　保健室に来た時の刀を見て、疲れているのがすぐにわかった鷲尾先生が心配する。
「心配しなくて良いのよ、先生。彼。色々頑張って疲れているだけなんだから」
「そうなんです。ちょっとフツウのために、色々と頑張ってまして」
　剣術の稽古のし過ぎで、とは言えず。本当のことを言えば、稽古を休みなさいと言われるからだ。

　昼休みが終わりに近づいているにも関わらず、鷲尾先生目当てで、仮病を使い保健室で休もうとする男子生徒達がやって来た。
「本当の病気になってから保健室に来なさい！」
　不届き者には実力行使。男子生徒達の仮病を見抜いた蛇那伊は、懇切丁寧に体を揉み解すという名の体畳み折りをしてから、順番に強制退場。
　本来なら保健室の窓から外に全力で放り投げたかったのだが、雨が降っているので、保健室のドアに放り投げ。その際、手加減はしている。
「やりすぎよ、尾鎌くん」
「仮病を使う不届き者には、これくらいのお仕置きが必要よ」

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