せんせいといっしょ：鷲尾先生編｜リアクション

せんせいといっしょ：鷲尾先生編

●アクシデント発生

　６限が終わり、清掃の時間に。
　雨崎荒太郎は、保健室の清掃のついでに、他の保健委員がいたので、昼休みにできなかった相談をすることに。
「先生、ぼくの相談に乗ってください。お忙しいようでしたら後でも良いんですけど……」
　そう言いつつ、またしても鷲尾先生のＦカップの胸に視線が。
「今でも良いわよ。雨崎くんの相談は、どういうものなのかしら？」
　谷間チラリズムの誘惑と戦いながら、思い切って、身体測定での出来事を話し始めた。

「む、胸が……。といっても、僕のです。この前の身体測定で胸囲を測られたんですけど、男なのに、バストが88センチなんですよ？　これって、男の身体としてフツウなんでしょうか？」
　というが、身体測定で、ではなく、女子のバストを図りまくる測量部員として捕虜になった際、無理矢理測定された結果だ。
「小学校の時にラグビーやってた影響もあるんでしょうけど……それなのに……それなのバストが……！」
　涙目で「どうしてこうなったんでしょう？」と訴える。
　溜息をつき、鷲尾先生は、保健委員の女子からその話を聞いたことを思い出した。
「その騒動は、だいたい知っているわ。キミを含めた測量部が悪いわね。そのこと、反省している？」
「はい、反省しています……」
　へこむ荒太郎を見て、あの時はドタバタしてたわね……と、身体測定の出来事を振り返る。
「バストの件だけど、ラグビーをしていた時に腕立て伏せしなかった？　大胸筋を鍛えると、男の子でもバストアップするのよ」
「じゃあ、バストの件は、深く考えなくて良いんですね？　ありがとうございます、先生！」

　悩みが解決し、気分がスッキリした荒太郎は、保健室を清掃しようと掃除用具入れを開けるが、なかなか開かない。
「立てつけが悪いね。うりゃ！」
　力任せに強引に開け、そこからほうきとちりとりを取り出す。
　その時、「鷲尾先生、お電話です」と職員室に呼び出す校内放送が。
「職員室に行ってくるわ。お掃除、お願いね」
「はーい、いってらっしゃーい！」

　清掃中、三度目のお誘いに来た八十八旗信彦が来た。
「あれ、鷲尾先生は？」
「さっき、職員室に行ったよ。ひこにゃんも、相談したいことがあるの？」
「俺は、映画のお誘いに来たんだ。いろいろあって誘えずじまいだあったから、今なら、じっくり誘えるかなと思って」
　昼休みは大勢いた、５限が終った時は思わぬ展開で誘えずだったので、今度こそ！　と意気込む。
「映画行くの？　ぼくも行くー！」
　鷲尾先生とのデート（あくまでも信彦の予定）に、半ば強引に参加希望する荒太郎。
（保健室のレディ達はともかく、男は……）
　行こうよー！　と迫る荒太郎を避けて移動しているうちに、信彦は掃除用具入れの中に入り込んでしまった。
　つまづいたショックで荒太郎も一緒に。それと同時に、ドアがバタン！　と閉まった。

　　　　　　　　　　「「え？　これってまさか……で・ら・れ・な・い？」」

　誰か！　と叫びたかったが、ベッドで寝ている人を起こしてしまっては可哀想だからと、叫ぼうにも叫べず。
　今ベッドにいるのは、横になって勉強に集中している八神修、疲れたからベッドで昼寝をしているオリガ・ドラグノーヴァのふたり。
（うるさいな。静かに閉めてくれ）
　起きているが、勉強に集中しているので修は気づかず。
「あ、空気穴から外の様子見えるね」
「どれ」
　掃除用具入れの隙間から、ふたりは、保健室の様子を窺うことに。