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【お三夜】猫と鼠と人と悪魔、四つの世界が交わる夜
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仙藤 蒼
が最初に境内に足を踏み入れた。灰色のパーカーのフードには猫耳が付いていた。猫のように俊敏に踵を返すと大きく手を振った。
「お姉ちゃん、遅いよ」
「慌てなくてもお祭りは終わらないわ」
落ち着いた様子で
仙藤 紫
が歩いてきた。薄紫のブラウスの上に白いコートを羽織っている。
のんびりとした紫に蒼は諭すように言った。
「もっと機敏に動かないと時間までに全部を見て回れないよ。今回は猫の露店だけじゃなくて鼠もいるんだから。時は金なりだよ」
「遊びに費やす時間に、その諺を持って来られると少し引っ掛かるわ」
「もう、時間がないって。時金(ときかね)だよ」
「その省略も、どうなのかしら」
紫は頬に軽く指先を当てた。空いていた手を蒼が握り、行くよ、と強引に引っ張って突き進む。
蒼の勢いが増した。
「お姉ちゃん、面白そうな夜店を見つけたよ。あそこに行ってみようよ」
「何かしら。『ネズミ射的』って」
「行けばわかるよ」
集まっていた人々を避けて前に出た。
「おや、お客さん。挑戦するのでチュか」
露店の横手に座っていた鼠が声を掛けてきた。
蒼は台に置かれた銃を手に取った。
「射的みたいだけど、当てる的がないよね?」
「的はいるでチュ。みんな、出てくるでチュ」
奥から鼠の群れが現れた。腹部の横にはそれぞれ違う数字が書かれている。
「走る鼠が的になるでチュ。当てると数字によって色々な景品が貰えるのでチュ。台の上にある紙が景品のリストでチュ」
鼠は空気銃が置かれた台の隅の方を指差した。
蒼は示されたところに顔を寄せる。人の爪くらいの紙が置いてあった。書かれた文字は相応に小さく、びっしりと書き込まれていた。
「まあ、景品は的に当てればわかるからね」
「ウチの射撃は甘くないでチュよ。お代は百円でチュ」
「これもゲームみたいなものだから負けられないよね」
蒼は自信ありげに笑うと代金を支払った。空気銃の銃口に詰める玉を貰って早々と構える。
「これ、当たっても痛くない?」
「大丈夫なのでチュ。鍛え方が違うのでチュ」
言い終わると鼠は軽く手を挙げた。的の鼠達が一斉に走り始める。目にした人々から驚きの声が上がった。
「……かなり速いわ」
蒼の銃口が小刻みに動く。鼠達は縦横無尽に駆け回る。それでいて衝突することがない。見事な手並みと言えた。
「でもね」
蒼は集中する。狙いを定めて引き金を引いた。一匹に玉が当たり、その威力で舞台から転げ落ちた。
横手に座っていた鼠が勢いよく立ち上がる。
「なんでチュとー!」
「これが偏差射撃よ。簡単に言うと、的の鼠の動きを先読みして少し前を撃ったってわけよ」
「あの速さを目で追えるはずがないでチュ!」
「シューティングゲームで鍛えられた動体視力を甘くみないことね」
新たな玉を詰めて構える。射出された玉は一匹を弾き飛ばした。次々に玉を込めて鼠に当てる。
一発必中、全ての鼠が舞台から消え去った。
「ま、こんなものね」
「景品が……全部、持っていかれたでチュよ。お祭りは始まったばかりなのに、店じまいでチュよ……」
鼠はぱたりと倒れた。不貞寝した姿で嘆き悲しむ。
蒼は苦笑いとなって話し掛ける。
「私は楽しく遊びたかっただけだし、景品にはあまり興味がないから適当に選んでくれていいよ」
「え、本当でチュか!?」
「うん、だからちゃんと仕事をしてね。次はお姉ちゃんの番だよ」
蒼は紫に空気銃を渡した。
「でも、いいのかしら。当てられたばかりなのに」
「平気でチュ。ウチの精鋭は頑丈なのでチュ」
「それなら一回分でお願いするわ」
料金を支払うと再び鼠達が舞台を走り回る。
紫は玉を込めた空気銃を構えた。隣には蒼がいて、偏差射撃よ、と耳元で囁いた。
「動きが速くて蒼のようにはいかないわ」
揺れる銃口で紫は言った。
全ての玉を撃ち尽くした。当たった数は三匹で蒼と比べて極端に少ない。しかし、店主の鼠はまたしても失意に打ちひしがれる。
「……一等を当てられたのでチュ。『巨大鼠のふかふかクッション』を取られたら、ウチの店のウリがなくなってしまうのでチュ。売り上げに響くのでチュ~」
「私も景品が目当てではないので」
「そうでチュか! 二人の女神には超豪華、鼠のストラップを進呈するのでチュ!」
ガバッと起き上がった鼠は嬉々として言った。
射的を終えた二人は人波に乗った。
蒼は鼠のストラップを摘まんで目の前で揺らす。
「これが戦果ねぇ」
「商売上手な鼠さんね。でも、これはこれで可愛いわ」
紫は手の中の景品をそっと握って微笑んだ。
その後、猫の露店を見つけた。猫の置物に首輪を投げ付けるもので輪投げとは少し趣向が違った。蒼は慣れない仕様に苦戦を強いられ、残念賞の猫のストラップを手にした。
先に入手したストラップと合わせて寸劇を始める。
「美味しそうな鼠だにゃーん。ガリガリでチュー。不味いでチュー。ガブガブー、チューチュー」
「蒼、あそこを見て。『高速チーズ釣り』の露店があるわ」
「私の動体視力と反射神経なら勝算はあるわ! 今度こそ、勝ち戦よ!」
被っていた猫耳フードを撥ね退けて挑む。高速で回転する皿にチーズが載せれていた。頼りない釣り針は強引に引っ掛けると千切れる仕組みで誰もが落胆の声を漏らす。
「甘いわ!」
蒼は高速の流れを見切り、次々とチーズを釣り上げて貪り食った。
「やられたでチュー」
「美味しかったよ!」
「チーズの香りがよくて少量でも満足できたわ」
「もう少し量が欲しかったけどね」
蒼は舌をぺろりと出して言った。
二人は揃って歩き出す。所狭しと立てられた露店に目を向けて気軽な会話を楽しんだ。
紫が立ち止まる。気付いた蒼が振り向いた。
「お姉ちゃん、どうかした?」
「あそこに『風船提灯』の露店があるわ」
「あるけどゲームじゃないよね」
蒼は気のない様子で返す。
「そうね。でも、少し気になることがあるから」
珍しく紫が先頭に立った。蒼の口の端が少し上がる。何かを期待するかのように弾んで付いていった。
紫は人の間を縫って露店の前に進み出た。
思わず、目を細めた。様々な色の風船が格子状の物に下げられ、淡い光を放つ。中央にはサバトラ柄の猫がいた。粋な法被を着て店主らしく小さな女の子に商品を手渡す。
「これって光ってるけど、熱くないんだね」
「そうにゃ。振り回しても消えない優れ物にゃ。お買い上げ、ありがとにゃ」
「うん、ばいばーい」
風船提灯の持ち手を掴んでブンブンと振り回す。説明の通り、明かりは消えることがなかった。近くにいた母親と手を繋ぐと跳ねるように帰っていった。
紫は柔和な顔で眺めていた。猫と目が合って軽く手を振った。
「お久しぶり」
「今年も会えたにゃ」
猫は弾む声で駆け寄った。隣にいた蒼に目がいく。
「妹ちゃんも一緒にゃ」
「どこかで会った?」
小首を傾げる蒼に紫はくすりと笑う。
「以前に家に来ていたよね。ご飯を食べるとすぐに眠くなって、よく軒先に転がって寝ていたわ」
「もしかして寝太郎?」
「正解にゃ。おめでとう、風船提灯はいかがかにゃ」
「え、正解したのに、買わせるなんて……」
蒼は目頭を揉むような仕草で項垂れた。
「そ、そんにゃ~。こちらも商売にゃ~」
「冗談はそれくらいにしてあげないと、寝太郎が本気にするわよ」
紫は笑いを堪えるようにして言った。
噴き出した蒼が笑顔で顔を上げた。
「もう少し遊ばせてよ」
「びっくりしたにゃ~。おいらは子供のために稼がないといけないにゃ」
「初めて知ったわ」
紫は軽く驚いた表情で露店の中を見回す。
「子供は商品を並べる手伝いをしているにゃ。赤い提灯が不足しているにゃ。持ってくるにゃ」
「わかったにゃ!」
店舗の奥から可愛らしい声が飛んできた。間もなくして風船提灯を抱えた子猫が現れた。寝太郎と同じ法被を着てよたよたとした状態で空いたところに飾る。
紫は慈愛に満ちた顔で寝太郎に言った。
「このお店で一番、上等な物をいただくわ」
「ありがとにゃ。一番はあちらの薄紫の提灯になるにゃ」
寝太郎が示すと子猫が急いで取りに行く。ふらつく足で商品を抱えて紫に差し出した。
「ありがとう」
受け取った紫に寝太郎が自信に満ちた顔で説明を始める。
「提灯の部分には良い素材を使っているにゃ。明るさもあって丈夫にゃ。持ち手の部分には猫達が陽気に踊る姿が彫り込まれているにゃ。握り易くて実用性も高いにゃ」
「
去年
とは違って様になっているわ。これからも頑張ってね」
「また美味しいご飯をあげるから、今度は子供も連れて家にくればいいよ」
蒼は笑顔で子猫に向かって手を振った。
「次はどこに行こうかしら」
風船提灯を手にした紫は大人っぽい笑みを浮かべた。蒼と共に賑やかな人々の中に溶け込んでゆく。
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
36人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年01月12日
参加申し込みの期限
2020年01月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年01月19日 11時00分
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