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【お三夜】猫と鼠と人と悪魔、四つの世界が交わる夜
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軽やかな下駄の音をさせて
アイオ・キャンドライト
が寝子島神社の石段を上がる。黒地に赤い薔薇の柄の着物は周囲の目を引いた。小さな子供の興味は別で薄い灰色の髪から覗く猫耳を指差した。
「ねこちゃんだ!」
「ネコの仮装ですわ」
アイオは振り返って微笑む。隣にいた母親が朗らかな顔で会釈をした。
「お先に失礼ですわ」
アイオは弾むようにして石段を上り切った。
「……凄いですわ」
賑やかな声と煌びやかな露店の明かりに目を丸くした。好奇心に駆られた耳がクルクルと動く。
アイオは人混みへと踏み出した。軽快な下駄の音に乗って突き進む。
猫や鼠が営む露店に目がいく。商品よりも店主に関心を寄せた。
「気になるのですわ」
ゆっくりとした足取りでじっくりと見て回る。
「お面ですわ」
組まれた木にずらりとお面が並ぶ。見慣れない物が多く、アイオは引き寄せられた。
店主の鼠は小刻みに頭を下げながら声を掛ける。
「人気のヒーロー物を一通り揃えているでチュー。この品揃えは他では見られないでチュー」
「これがヒーロー物? 見たことないですわ。それとあなたは、ほしびとだったりします?」
「ほしびと? それ、なんでチュ? 鼠の世界に住んでいる普通の鼠でチュー。それよりお面を買って欲しいのでチュー」
店主は円らな瞳を潤ませてアイオに迫る。
「いいですわ。この灰色のお面が珍しいので買いますわ」
「お目が高いでチュー。それはちびっ子に大人気のチュウソウジャーでチュー」
「たぶん、ネズミ世界のヒーローですわ」
買ったお面は即座に頭の横に付けた。
「お祭りに適した姿ですわ」
くるりと回って得意げにポーズを決める。
「甘い物が食べたい気分ですわ。次はネコの店に行きますの」
アイオは気ままに歩き出す。
猫の露店が多く集まる一角。
ゼロ・シーアールシー
は小さい身ながら店主として参加していた。台には小さな紙の皿が整然と並び、その枚数に等しい団子が載せられていた。
「
謎団子
を独占販売中なのですー。天国と地獄を同時に体験できる貴重なお店なのですー。寄ってらっしゃい見てらっしゃいなのですー」
程よく力の抜けた口上を並べる。耳にしたアイオは怪訝な顔で立ち寄った。
「謎団子とはどのような物ですの」
「謎の材料と製法で作られた団子なのです。味には天と地の差があるのです。天上の美味は当たりなので、もう一つ無料で食べられるのです。地獄のゲロマズが出たら終わりなのですー」
ゼロは乏しい表情で滔々と語る。ウェーブした銀色の髪から生えた猫耳は感情があるかのようにそわそわと動いていた。
アイオはカラフルな団子を見ながら言った。
「はずれの団子を引いても笑顔で誤魔化すことができますの」
「頑張ったで賞として謎団子がおかわりできるのですー」
「かなり緩い商売ですわ。面白そうなので挑戦するとして、おいくらですの」
「謎料金なのですー」
ゼロは間延びした声で言った。猫耳の先端がピクピクと動く。
アイオは財布を取り出した。
「五円は?」
猫耳は息絶えたようにぱたりと倒れた。
「というのは冗談で百円ですわ」
「ありがとうなのですー」
ゼロは無表情で硬貨を受け取る。猫耳は左右に揺れていた。
「団子はどれに……」
アイオは台に顔を近づけた。青い団子が小刻みに揺れている。
「これ、動いている?」
「謎団子なのですー」
「こちらは光っていて、その隣からは何か聞こえるのですわ」
アイオは黒い団子に耳を近づける。
「……キィーと鳴いているようですわ」
「謎団子なのですー」
ゼロは気の抜けた声を繰り返す。
「どの団子も怪しいですわ」
台に顔を近づけて顔を振るように動かす。
その時、端にあった白い団子に目がいく。見た目は普通。柔らかそうな生地に包まれた黒い餡子がうっすらと見えている。
覚悟を決めた顔で白い団子に手を伸ばす。
「普通の団子に見せ掛けているのですわ!」
アイオの手は右に傾いた。緑色の団子を摘まむと口の中に押し込んだ。ギュッと目を閉じた状態で咀嚼した。
「美味しいですわ! 極上の甘みが口の中に広がって堪らないのですわ!」
「当たりなのですー。謎団子をもう一つ、どうぞなのですー」
ゼロはゆっくりとした拍手を送る。
気を良くしたアイオは決めていたかのように一つの団子を摘まみ上げた。
「普通の物を選んだらいいのですわ」
気楽に白い団子を一口にした。
一瞬で笑顔が歪む。口を閉じたまま、んんんんー、と言葉にならない叫びを上げた。激しい足踏みでグルグルと回り始める。
「救済措置なのですー」
ゼロは水筒を取り出して紙コップに注ぐ。地獄の真っ只中にいるアイオに無表情で差し出した。
「
謎茶
は無料なのです」
謎茶の響きに伸ばした手が止まり、強引に掴み取って呷った。
「ふぅ~、無事に生還したのですわ~」
「飲める謎茶で良かったのです」
不穏な一言にアイオの表情が見る間に硬化した。
ゼロは改めて台の団子に手を差し向ける。
「五回連続で謎団子を当てると記念にゼロがギュッとして、すりすりして、ぽふぽふもするのです。それだけではないのです。サービスとしてゼロの夢の世界(ろっこん)にご招待するのですー」
「身の危険を感じるサービスですわ!」
「謎団子は持ち帰れないのです。今夜だけなのですー」
ゼロは感情に乏しい顔をアイオに近づける。白いドレスのスカートから伸びた尻尾を振って見せた。
「も、もう、アイオは十分に堪能したのですわ」
強張る笑顔でアイオは素早く離れる。
ゼロは虚空を眺めるような顔でお辞儀をした。
「また来てね、なのですー」
呑気な声を雑踏に向けて言った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
36人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年01月12日
参加申し込みの期限
2020年01月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年01月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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