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地下施設の選手用控室にひっそりと
常闇 月
が胡坐をかいていた。黒い髪は束ねられて大蛇のように黒灰色のブラウスを伝い、黒いオーバーニーソックスを履いた内腿でとぐろを巻いている。薄目を開けた状態で口元は黒いマフラーに隠され、感情まで黒に塗り潰されているかのようだった。
百合子が控室に入ってきた。メイドとしての嗜みなのか。足音をさせずに移動した。
月の瞼が微かに動いた。時間にして一秒もない。
「あら、お気に障りましたでしょうか?」
百合子は月と一定の距離を空けて言った。
影が唐突に伸び上がるかのように月は立ち上がった。小柄で可愛らしい容姿に反して目付きは鋭い。
「なぜ、そのように思うのですか」
「消していた気配に揺らぎが生じましたので」
「……放たれた殺気のせいかもしれません」
月の物言いで百合子が動じることはなかった。失礼いたしました、と微笑んで言葉を返した。
「お名前を伺ってもよろしいでしょうか」
「……ウルフズベインとお呼びください」
「先にリングに上がり、ウルフズベインさんをお待ちしております」
百合子は一礼してドアから出ていった。
月は首に巻いた革製のチョーカーに指を掛ける。緩めるような動作を経て軽く息を吐いた。そのあとでミリタリーブーツの紐を締め直す。
「……自分を試す時が、きたのですね」
しなやかな動きで月は控室を後にした。
二人の少女の登場でリングはいうまでもなく、取り巻く周囲まで華やいだ。
金色の長い髪にメイド服。アンティーク・ドールのような百合子の愛らしさに観客から溜息が漏れた。
相対する月は女忍を思わせる黒ずくめの服装であった。ホットパンツから伸びた健康的な脚が男性の目を惹き付ける。
その二人にイヴが片言の日本語でヘッドギアとグローブを付けさせた。美への冒涜と言わんばかりの不満が上がる。
イヴは鉤爪のように指を曲げて笑顔で言ってのけた。
「男性のとてもとても大事なトコロ、握り潰されたいデスカー」
イヴが瞬時に握る。反射的に何人もの男性が前屈みになった。
「ここで私の出番だよねっ」
喜び勇んで絵梨菜はリングに上がった。小脇に挟んでいたスケッチブックを開いて両手で頭上に掲げる。太い文字で「1R」と書かれていた。
「やっぱり、リングにはラウンドガールが必要だよね♪」
絵梨菜は笑顔を振り撒きながら、ゆっくりとリングを回った。胸元が大きく開いたジャケットの中で黒いブラジャーに包まれた丸みが揺れる。タイトスカートのスリットからは美脚を披露した。
「地下にこれほどのものがあるなんて、すごいなぁ」
イスに座った景貴はリングに向かって目を見張る。真央は大きく手を振りながら側を通った。
「あ、にくきゅうマカロンのケーキ屋さんなのだ!」
一旦は通り過ぎた真央が駆け戻ってきた。景貴が答える前に心配そうな顔で詰め寄る。
「まさか、ケーキにもお薬を使うのだ? お客さんがいっぱい来るようにケーキに媚薬を入れるのだ!?」
「そ、それはないですよ。そもそも薬局に媚薬があるとは思えないですし」
「媚薬はないのだ? なくても真央ちゃんは、にくきゅうマカロン大好きなのだ!」
「ありがとうございます」
真央は思ったことを言い終えたのか。探検するのだ、と言って歩き出した。
「始まるみたいですね」
ほのぼのとした景貴の表情が引き締まる。リングの二人に目は真剣味を帯びていった。
イヴの言葉で二人の戦いは始まった。
百合子は月に一礼した。
「手加減を御所望であれば遠慮なさらずにおっしゃって下さいませ。全力の戦いをお望みで御座いましたら……せめて痛みを感じぬように速やかな眠りをお約束致します」
「……全力でお願いします」
「了承しましたわ」
百合子は笑みを浮かべた。瞬間、月は軽やかに後方に跳んだ。
「……殺気が尋常ではありませんね。ですが、退くことは――」
月は滑るように間合いを詰める。百合子は両手を下ろした状態で前に出た。
月が跳躍した。両脚は巨大な鋏となって百合子の首を狙う。それを直角に曲がって回避した。
二人は前後を見るような姿で横に並んだ。瞬間、百合子の裏拳が月の後頭部を襲う。
月は前方に跳んで相手の間合いから逃れた。そのまま、上段のロープを利用して跳ね返り、中空で振り向き様に蹴りを放つ。百合子は背中を見せた状態で上体を斜めに曲げて避けた。
着地と同時に月は一足飛びで離れ、二人は開始前の状態に戻った。
実況席の鋭二が興奮気味に立ち上がる。
「両者の動きが速すぎる! 我々とは見えてる世界が違うのか! ビデオカメラの計測では五秒弱! これほど中身の濃い五秒の攻防を俺は知らない! いや、誰も知らないはずだ!」
呼応するかのように観客が一斉に声を上げた。両者に等しい称賛と声援が集まる。
実況席の天野はテーブルに両肘を付いて祈るような姿で見ていた。
「どちらも攻撃が当たらないね」
「様子見の段階なのだろう。黒い少女が仕掛けたのは、おそらくフランケンシュタイナーだ。意表を衝いて動揺させる目的だったのか。だが、相手が悪かった。それに現実的に効果のある技ではない」
そうだね、と天野は横目で修に返した。少し視線を落として言葉を続けた。
「相手の力量を把握したあとが勝負になるかな」
「その公算は高いと言える」
二人を見下ろす姿で立っていた言嗣が人差し指を立てた。
「決まる時は一撃だ。リング上の二人の視線で狙いの箇所も絞れた」
「それはどこだ?」
「僕も聞きたいかな」
修に続いて天野が話に加わった。鋭二は上体を傾けて露骨に耳を近づけた。
「結果はそこにある」
言嗣がリングを指差した。
対峙していた百合子が動いた。対応した月が飛び退る。だが、間合いは簡単に詰められた。
「まさか、そんな」
百合子の拳が放たれた。月は顔だけで避けた。二撃目はヘッドギアを掠めた。次々と繰り出される拳に月の速度が徐々に削られてゆく。
月は防御を捨てた。同時に百合子の攻撃が止まった。最後の一撃は等しく弧を描く。
鋭二は興奮して片袖を捲り上げた。
「なんと同時に放った前蹴りが二人の顎に炸裂! 空中で回って着地した両者にダメージはないのかッ!」
「ダメージはある。同時ではないからな」
予想が当たったのか。言嗣は納得の顔で言った。
「ウルフズベインさん、小柄なあなたにその靴は軽微な負担になったかもしれないですわね」
百合子が一歩を踏み出した。一歩を退いた月の身体が揺れる。片膝を付いて軽く頭を振った。
「勝負はあったヨー」
間に入ったイヴが百合子の勝利を告げた。
回復した月は速やかに立ち上がり、百合子に再戦を申し込んだ。
「こちらこそ、よろしくお願い致しますわ。安らかな眠りを与えられなかったことを恥じております」
「……それでは失礼」
観客の中に消え入るように月は去っていった。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
スポーツ
バトル
定員
30人
参加キャラクター数
24人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月24日
参加申し込みの期限
2013年08月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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