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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
＜鈴島海賊の秘宝I＞海賊女王のピラミッド
●遮られる行く手
【SIDE:青】
「なんだこれ？」
ひとり先に進んでいた握 利平は、床に白い×印を見つけていた。印は書かれて間もないように見えた。何の印だろう。そう思って一歩踏み出した利平の身体が、がくんっと落ちた。
「ぬぅわああああっ！！」
青の道に響き渡る悲鳴。
突然床が抜けたのだ！
砂埃が舞い上がる。
「亡霊の次は落とし穴かよ！」
四角く開いた天井を見上げる。
（さっきの印は、罠を教えてくれてたのか！）
そう思ったがいまさら遅い。
幸いなのは、穴の中は砂で満たされており怪我がなかったことだった。
元の道から落ちること、約２メートル。頑張れば、上れなくもなさそうだ。
「びっくりさせやがっ……」利平の安堵のため息は途中で呑み込まれた。「うそだろ、砂が……！」
利平の目の前で、砂が高く盛り上がり、頭と二本の腕を持った化け物のような形になった。
砂の腕が利平を薙ぎ払おうと振るわれる！
「危ない！」
見ていたマウル・赤城・スティックが咄嗟にブーメランを投げつけた。
巨大なブーメランがバケモノの右腕を薙ぐ！
利平だってただでやられてやるわけにはいかなかった。拳を握り、解き放つ！
「くっそ、＜にぎりっぺ＞でも喰らいやがれ！」
凝縮された空気が一気に放たれ、砂の左腕を吹き飛ばす！
腕を失くしたバケモノは残った胴体を震わせた。
すると散った砂がふたたび集まり、腕が元通りに再生される。
「ノーダメージかよ」
「先輩方！」
赤羽 勇樹と稲場 舞が角を曲がって走ってきた。
鎌鼬にやられたのか、あちこち切り傷が出来ている。ふたりともかなり消耗しているようだ。
その後ろから仕留め損ねた亡霊が追ってきていた。
「あいつで最後なんッスけど……ってそっちは、砂のバケモノだと？」
肩で息をしながら走ってきた勇樹は、持っていたミネラルウォーターを神薙 焔に放り投げた。
「落とし穴に落ちた先輩にこれ頼むッス！」
受け取った焔はすぐにピンときた。
「砂を水分で固めるのね！」
「漫画で見たッス。この手の敵はそうやって倒せるって」
そういうと勇樹は血液入りの瓶を歯でこじ開け、追ってくる亡霊目掛けて投げつけた。
「正義執行！」
炎が上がる。
自分がしんがりなのだ、と勇樹は自分に云い聞かせる。踏みとどまってやる！
焔は勇樹のミネラルウォーターと自分が持っていた水筒をもって走った。
砂の中のバケモノ目掛けてぶちまける。
「いまよ、握くん！」
「さんきゅー神薙！」
利平は再び拳を握った。
「にぎりっぺ、最大出力！！」
力強く前に突き出した手のひらから、爆風が起こる。
砂のバケモノはばらばらに飛び散った！
横殴りの雨みたいに勢いよく壁に打ち付けられる砂粒。
砂はふたたびバケモノを形作ろうと蠢くが、濡れているせいか戻りが緩慢だ。
「ちっ、完全には倒せないか。でも今のうちに……」
砂の中を泳ぐように縁に戻る利平に、声が掛かった。
御剣 刀だった。次いで巴から借り受けた太いロープを木刀の中央に結び、足を掛けられるようにしたものが投げ入れられる。
「乗れ！」
利平がロープを掴み木刀に足を掛ける。刀は傍にいたマウルとともにロープを力いっぱい引く。間もなく、利平の身体は穴の中から引き上げられた。
「助かった。礼を云うぜ。だが、このバケモノを何とかしねぇと先に進めないんじゃないか？」
利平が頭を掻きむしったその時だった。
『……もしもーし、誰かいますか？ こちら赤の道です……』
天井から壁に沿って下りている金属管。その先の朝顔ほどの大きさのラッパから洩れる声。
傍にいた黒依 アリーセが飛びつく。
「これ海賊モノや、飛行船モノの映画で見た事あるわ。伝声管よね、確か」
呼びかけると、管を通って鬼崎 あやめの声が聞こえてきた。
『黒依さん？ 鬼崎です。通じてよかった、こちらはちょっと困っていて……そちらはどうですか？』
「残念ながらこちらもよ」
アリーセとあやめは互いに状況を伝え合う。
そのアリーセを守ろうと、小さなナイト李 小麗が懸命にライトを振りかざして、亡霊を牽制している。
「正義執行！」
勇樹の炎が、最後の亡霊を撃破した！
「やったのだ！」
小麗が勇樹の肩をばんばん叩く。
「いてっ、いててっ！」
舞がすっと手を差し出す。身体は傷だらけだが、その表情は晴れやかだ。
言葉はいらなかった。勇樹はにやっと笑うと、差し出された舞の手を固く握り返した。
それを見ていた焔が愉快そうに口唇を舐める。
「助かったわ。これでちょっとは落ち着いて謎解きできそうね」
【SIDE:青】
「なんだこれ？」
ひとり先に進んでいた握 利平は、床に白い×印を見つけていた。印は書かれて間もないように見えた。何の印だろう。そう思って一歩踏み出した利平の身体が、がくんっと落ちた。
「ぬぅわああああっ！！」
青の道に響き渡る悲鳴。
突然床が抜けたのだ！
砂埃が舞い上がる。
「亡霊の次は落とし穴かよ！」
四角く開いた天井を見上げる。
（さっきの印は、罠を教えてくれてたのか！）
そう思ったがいまさら遅い。
幸いなのは、穴の中は砂で満たされており怪我がなかったことだった。
元の道から落ちること、約２メートル。頑張れば、上れなくもなさそうだ。
「びっくりさせやがっ……」利平の安堵のため息は途中で呑み込まれた。「うそだろ、砂が……！」
利平の目の前で、砂が高く盛り上がり、頭と二本の腕を持った化け物のような形になった。
砂の腕が利平を薙ぎ払おうと振るわれる！
「危ない！」
見ていたマウル・赤城・スティックが咄嗟にブーメランを投げつけた。
巨大なブーメランがバケモノの右腕を薙ぐ！
利平だってただでやられてやるわけにはいかなかった。拳を握り、解き放つ！
「くっそ、＜にぎりっぺ＞でも喰らいやがれ！」
凝縮された空気が一気に放たれ、砂の左腕を吹き飛ばす！
腕を失くしたバケモノは残った胴体を震わせた。
すると散った砂がふたたび集まり、腕が元通りに再生される。
「ノーダメージかよ」
「先輩方！」
赤羽 勇樹と稲場 舞が角を曲がって走ってきた。
鎌鼬にやられたのか、あちこち切り傷が出来ている。ふたりともかなり消耗しているようだ。
その後ろから仕留め損ねた亡霊が追ってきていた。
「あいつで最後なんッスけど……ってそっちは、砂のバケモノだと？」
肩で息をしながら走ってきた勇樹は、持っていたミネラルウォーターを神薙 焔に放り投げた。
「落とし穴に落ちた先輩にこれ頼むッス！」
受け取った焔はすぐにピンときた。
「砂を水分で固めるのね！」
「漫画で見たッス。この手の敵はそうやって倒せるって」
そういうと勇樹は血液入りの瓶を歯でこじ開け、追ってくる亡霊目掛けて投げつけた。
「正義執行！」
炎が上がる。
自分がしんがりなのだ、と勇樹は自分に云い聞かせる。踏みとどまってやる！
焔は勇樹のミネラルウォーターと自分が持っていた水筒をもって走った。
砂の中のバケモノ目掛けてぶちまける。
「いまよ、握くん！」
「さんきゅー神薙！」
利平は再び拳を握った。
力強く前に突き出した手のひらから、爆風が起こる。
砂のバケモノはばらばらに飛び散った！
横殴りの雨みたいに勢いよく壁に打ち付けられる砂粒。
砂はふたたびバケモノを形作ろうと蠢くが、濡れているせいか戻りが緩慢だ。
「ちっ、完全には倒せないか。でも今のうちに……」
砂の中を泳ぐように縁に戻る利平に、声が掛かった。
御剣 刀だった。次いで巴から借り受けた太いロープを木刀の中央に結び、足を掛けられるようにしたものが投げ入れられる。
「乗れ！」
利平がロープを掴み木刀に足を掛ける。刀は傍にいたマウルとともにロープを力いっぱい引く。間もなく、利平の身体は穴の中から引き上げられた。
「助かった。礼を云うぜ。だが、このバケモノを何とかしねぇと先に進めないんじゃないか？」
利平が頭を掻きむしったその時だった。
『……もしもーし、誰かいますか？ こちら赤の道です……』
天井から壁に沿って下りている金属管。その先の朝顔ほどの大きさのラッパから洩れる声。
傍にいた黒依 アリーセが飛びつく。
「これ海賊モノや、飛行船モノの映画で見た事あるわ。伝声管よね、確か」
呼びかけると、管を通って鬼崎 あやめの声が聞こえてきた。
『黒依さん？ 鬼崎です。通じてよかった、こちらはちょっと困っていて……そちらはどうですか？』
「残念ながらこちらもよ」
アリーセとあやめは互いに状況を伝え合う。
そのアリーセを守ろうと、小さなナイト李 小麗が懸命にライトを振りかざして、亡霊を牽制している。
「正義執行！」
勇樹の炎が、最後の亡霊を撃破した！
「やったのだ！」
小麗が勇樹の肩をばんばん叩く。
「いてっ、いててっ！」
舞がすっと手を差し出す。身体は傷だらけだが、その表情は晴れやかだ。
言葉はいらなかった。勇樹はにやっと笑うと、差し出された舞の手を固く握り返した。
それを見ていた焔が愉快そうに口唇を舐める。
「助かったわ。これでちょっとは落ち着いて謎解きできそうね」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2014年11月27日
- 参加申し込みの期限
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- 2014年12月04日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2014年12月04日 11時00分
