猫鳴館、星降る夜に宴会を。｜リアクション

猫鳴館、星降る夜に宴会を。

●宴会はまだまだ続く

「この島も猫鳴館も知らなかった世界でぇ～来てみて本当によかったんですぅ～」
　アイオ・キャンドライトにとって、寝子島と猫鳴館は、とってとってもとっても大事なところだ。
「だからぁ～生徒にしてくれたっていいじゃないかって思いますわぁ～ひっく……」
　酒浸朱蘭に寄りかかりながらアイオは愚痴っている。
「わ、わかったんだぜ……」
　あたし以上の絡みだぜと困った朱蘭は、ずれている帽子を直すとアイオを宥めたり、機嫌を直そうと、ろっこんジュースを勧めたりした。

「アイオさん、嫌なことは食べて忘れるのが一番よ」
　落ち込んでいるように見えたので、楡宮遠海はカットした星屑ケーキを差し出して励ました。
「ありがとうですわぁ～」
　朱蘭から離れ、アイオは星屑ケーキを一口。これを食べていると、何だか元気が出てきた気がした。
「皆で美味しいものを食べるの、楽しいでしょう？」
「そうですわねぇ～」
　気分が落ち着いたようで良かった、と安心した遠海は楠瑠璃を呼び、一緒に料理を食べようと誘う。
「他の皆の料理も美味しいけど、私の料理も美味しいでしょう？」
「回鍋肉、美味かったぜ。チャーハンもだぜ。遠海も瑠璃も、これを飲むんだぜ！」
　朱蘭はそう言って２人に紙コップを手渡し「飲みねぇ、飲みねぇ」と星屑ジュースを注ぐ。
　ちょうど喉が渇いていたのでありがたい、と思いながらジュースを飲んだ２人だったが……
「な……何これ……！？　お酒……！？」
　一口飲んだ瑠璃が驚く。
「味はジュースなのに……何で……！？」
　酔いが回ったせいで頭がフラフラする状態で遠海は、どうしてこうなったのか考える。
「あたし特製のジュースだぜ。皆で酔うんだぜ！　本物の酒じゃないから未成年でも問題ないんだぜ！」
　そういう問題じゃない……と酔ってしまった遠海と瑠璃は思ったが、その言葉を口にできず。
「いやー、いい感じに酔えるねぇ。飲んで楽しむのはいいが、ほどほどにしろよー」
　ろっこん水を適当に飲んでいる北里雅樹は、居酒屋女子会みたいだなとその様子を楽しそうに見ている。

「飲み物と料理……持ってきたにゃー……」
　料理等が少なくなってきたので、恵御納夏朝は追加分を宴会場に運ぶ。
「恵御納さんも一緒に飲みましょう～」
　女の子同士で楽しみましょう、と遠海が料理を勧める。
「いいわね～皆で楽しくやりましょう～」
　瑠璃も絡んできた。
　酔っているのに料理を作ったりして大丈夫？　と夏朝を心配していた２人だったが、酔った勢いもあり、そのことを忘れてしまったようだ。
「男も女も関係ないぜ。皆で楽しく、飲んで食べて宴会するんだぜ！」
　夏朝も飲もうぜー！　と朱蘭はろっこんジュースを差し出す。
　着ている服が豊満な胸が見えそうなほど乱れているが、酔っている面々は気にしていない。
「アイオも飲みますわ～ジュースのお替りください～」
「いいぜ。どんどん飲むんだぜ！」

　宴会場を抜け出した神野美野梨は、星屑が入った透明な容器と小さくした星屑を持って食堂へ。
　猫鳴館を襲ったネズミ騒動で発覚した「ねず」の鳶色彦におすそ分けしようとねずの社に星屑をお供え。
「鳶色彦さん、この星屑、甘くて美味しいわよ」
　両手を合わせ、鳶色彦に喜んでもらえますように。猫鳴館の皆と宴会を楽しんでくださいと願った。

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