猫鳴館、星降る夜に宴会を。｜リアクション

猫鳴館、星降る夜に宴会を。

●じゃんじゃん飲もうぜ！

「じゃんじゃん飲めー！」
　見回りつつ、酒浸朱蘭は皆にお酌をしたり、自身も飲んだりして楽しんでいる。
　熱くなってきたので服を脱ごうとした。今は胸の谷間チラリという程度だが、ヘタすると全部脱ぎかねない。
　他の女性陣に脱ぐのを止められたので、どうにか谷間チラリ程度に留まった。
　それだけでも男性陣は目のやり場に困るのか俯いたり、視線を逸らす。中にはジト見している不埒者もいるが。
「なんだかんだでここに来て２年以上経ったんだぜ……」
　そのことに感慨深く感じつつ、皆で宴会を楽しみたいと思う朱蘭だった。
　朱蘭にお酌してもらい、ろっこん水を飲んだ北里雅樹は適当に飲みつつ、暇つぶし解消に星屑を割って遊んだり、料理に舌鼓を打ったり。
「見事に砕けるもんだな、これ」
「強度は思ったよりないようね、これ」
　神野美野梨も、雅樹と一緒に星屑を割ったりして研究の続きを。
　酔っぱらっているが、邪魔しちゃ悪いと朱蘭は美野梨にあえてお酌をしなかった。

　楡宮遠海は、楠瑠璃と一緒に星屑入り中華料理を食べたり、星屑ジュースを飲んだり、星屑スイーツを食べたりと女子会ムード。
「このケーキ、美味しい。お店で売っているのとは一味違うわ」
「あなたのラーメンとチャーハンも美味しいわよ。あ、ほっぺたにクリームがついているわよ」
　ポケットティッシュを取り出すと、遠海は瑠璃の頬を拭きクリームを取り除いた。
　
　料理を作ったり運んでいた恵御納夏朝は、一段落したので宴会を楽しむことに。
「夏朝ー、こっち来て皆で飲もうぜー！」
　紙コップを持って近づいていた朱蘭を見て、宴会を楽しんでいるんだねと思った。
「ありがとう……喉が渇いてたからお水ちょうだい……」
「だったら、これを飲むんだぜ」
　そう言って注いだのはジュースではなく、ろっこん水。
　ありがとう、とお礼を言ってから水を一口。少し飲んだだけなのに顔と身体が熱い。
「……うん、そうだった、このお水は酔う水……にゃー…」
　前にもこんなことがあったっけ……と、あることをボーッとしながら思い出すが、良く思い出せなかった。
　夏朝は酔ってボーッとして状態だったが、にゃーにゃー言いつつ料理や飲み物を運ぶのを手伝ったり、宴会を楽しんだりしていた。
　心配になった遠海や瑠璃は、危ないからと手伝うことにした。
「ありがとうにゃー……助かるにゃー……」
「酔っているのに料理できるの？　大丈夫？」
「酔っているけど……料理は作れるにゃー……」
　と言うが、瑠璃は危なっかしくて見ていられないと遠海と一緒に手伝うことにした。
　夏朝の様子を実際に見ると、酔っていても手際良く料理を作っているので大丈夫かも……と思う遠海だった。

「このろっこんジュース、ジュースなのに火照ってきましたわ……」
　星屑ジュースを一口飲んだだけだが、アイオ・キャンドライトの顔は赤い。酔っぱらってしまったようだ。
　酔った拍子で猫耳を隠している帽子が取れかかったので、見えないように元に戻す。
「あいお、猫だったのだぜ！？」
　猫耳が見えたのか、朱蘭にそう言われた。
「違いますわぁ～アイオは寝子高生って言ってますの。ほしびととか、猫とかじゃないのですぅ～文句ありますかぁ～？」
「いや、文句はねえけど……」
　アイオは、酔っぱらうと誰かに絡んでしまうようだ。
　厄介なことになっちまっったんだぜ……と思いつつ、朱蘭はアイオの話を聞くことにしたのだった。

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