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摂狐は走る。結局逃げているだけなのが悔しかった。許せなかった。昔は山を思うがままに走った。少年のころの鹿沼を、牛に化けて追い回したりもした。走るのはいつも、自分が勝利する時だった。
「なぜだ。ここは俺の山、俺の島ではなかったのか。なぜこうなった」
「アハハ★ 見いつけた」
少女の声。頼りないひらひらとした着物のようなドレスを着た
添木 牡丹
……、いや、今は『のばら』に成り代わった少女が立っていた。
「エレノアさーん! 見つけましたよ。待望の妖狐のお出ましです」
のばらの声に、もう一人の少女が現れる。暗闇からにじみ出るように現れた、白い肌、グレイの髪の彼女は当然、
エレノア・エインズワース
だ。
「はて? お供の狐ちゃんがいませんね? 鹿沼さんのお家に伺った時には、きょうだい狐がいるらしいとか聞いたんですけどねぇ」
鹿沼の名を聞き、摂狐の表情が変わった。
「あいつは関係ないだろう! 俺の復讐は」
「彼は人間ではないとでもいうつもりですか?」
エレノアが摂狐の言葉を遮る。
「人間たちに漏れなく復讐するのでしょう? 得意の幻術で前後不覚になり、泣いて許しを請うまで心を痛めつけるのでしょう? やってご覧なさい。さあ早く」
「まだなんですかぁ~? 待ちくたびれちゃいますう!」
煽る。もっと強い怒りを呼び起こさせる。もう少し。あと少し。怒りに燃えた摂狐がこちらに夢中になり、幻術を発動させるまでもう少しだ。
「ほざけ!」
摂狐の怒りは最高潮に達する。並みの人間ならあっという間に落ちてしまうほどの強い幻惑の波が、エレノアとのばらを襲った。だが、脳を揺さぶられるような精神支配に、二人の少女はもっとも過激な方法で対抗する。
「なっ……!? お前たち、正気なのか!」
エレノアは長い髪からヘアピンを引き抜き、大の男でも耐えられぬという箇所、爪の下の肉に差し込んだ。さらに拳を握り、ピンを深くに押し込んでいく。
(私の精神は、誰にも支配させません)
驚く摂狐に、エレノアは脂汗を流しながら不敵に微笑んだ。脈打つ激痛は勝利の証だった。傍らのパートナーも、幻になど負けるはずがない。のばらはといえば、着物ドレスの袖に隠したメスを一切のためらいなく左の二の腕に突き刺していた。血を流しながらけたけたと笑っている。
「ククク……アハハ♪ こんな術しかかけられないなんてぇ……妖狐の名が泣きますね、『せつこ』さん♪」
笑い終えたのばらは狐面を正面にかぶりなおす。それが狂気と正気の境目に立つ二人の少女の合図だった。ずんと深く一歩踏み出すと、のばらの体の大きさからは予想もできないほどの衝撃が発生する。摂狐はのばらの肘技に押し出され宙を飛んでいた。のばらの左腕から流れる血が、弾かれて落ちた摂狐の帽子に散る。倒れ落ちた先にはエレノアが待ち受けていた。ペットボトルの水を腕にたっぷりとかけている。洗われた血は薄い色の流れとなって地面を濡らしていた。残った水を打ち水のように撒き散らす。町外れの街灯の明かりを受けて、濡れた地面が鈍い光を放っていた。エレノアは武器らしい武器を持っていない。片手は傷つき、無事な方の手には子供だましの水鉄砲が握られているだけだ。
なのにどうして、この人間はこれほどまでに余裕の表情を浮かべているのか。
なぜ自分は、こいつから危険のにおいを感じ取っているのか。
本能の告げる危機を理解しきれぬまま、摂狐はエレノアと距離を取ろうとした。しかしこれは彼女に絶好のチャンスを与えるだけだった。水を踏みつけた瞬間、エレノアはろっこん『ネヴァー・パーツ・ラヴァーズ』を発動させる。摂狐が気づいた時には、瞬間接着剤に変化した水ががっちりと足を絡め取ってしまっていた。
「しまった!」
体をねじり、逃げるように背を向けてもがく摂狐にエレノアはつかつかと近づき、首筋を蹴り上げた。
「誘ってんですか、『せっこちゃん』? 所詮畜生の尻なんて見せられてもうれしくありませんが」
答える代わりに、摂狐の体が縮んでいく。身に着けている黒い衣装はかききえ、肌は見る毛に覆われて、摂狐は狐の本性を取り戻した。口を大きく開き、エレノアを狙うが、彼女はそれを避けるどころか、傷ついた左腕を差し出した。深々と狐の牙が食い込み、血の筋が白い腕をつたって行く。エレノアは痛みに顔を歪めながらも、狐の食いついた左腕をじっと見つめた。腕をつたうのは血だけではない。傷を洗うと見せかけたペットボトルの水も雫となっていた。エレノアが見つめるだけで、水は再びろっこんの力で粘着力を発揮し、摂狐は白い腕に食いついたままになる。
「あ~らぁ★ 動けなくなっちゃうなんてかわいそうですね」
のばらは摂狐を指差し笑う。得意の格闘術を駆使するまでもなかったが、このこっけいな光景を見られただけで十分楽しかった。
「いっそ、金輪際動かなくしちゃったほうが、いいんじゃないかしらぁ……?」
ちらりと持ち上げた狐面の下からは、赤い瞳がのぞく。それは名案と言うように、エレノアはにっこりと微笑んでうなずくのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
清水るね
前回シナリオ
猫又川の狐化かし
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年11月06日
参加申し込みの期限
2013年11月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年11月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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