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寝子島高校
ふしぎ超特急『七ッ星』、しゅっぱつしんこー!
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★『七ツ星』の車窓より
ランプの温かな光に真っ白なテーブルクロスが柔らかく照らし出されている。緋色の椅子に腰を掛ければ、包み込まれるようにふわりと体が沈んだ。
「わ、……」
胡桃色した瞳を縁取る黒い睫毛をしばたたかせ、
天満 七星
はびろうどの肘置きに着物の袖から覗く白い指先を触れさせる。さらさらと指先に触れる布地の心地よさに瞳を細め、染みひとつないテーブルクロスの上に置かれたグラスに視線を移す。
銀色の星雲を抜けて、ふしぎ超特急の走行は安定した。グラスに注がれた空色サイダーの水面を波打たせるのは、だからぴちぴちと小さく跳ねる空気の珠ばかり。
窓に額をそっと寄せる。金、銀、珊瑚、琥珀、瑠璃、柳、──射干玉の闇にあって輝きを失わぬ数多の星々にしばらく眼を奪われる。
「……すごいねぇ、綺麗だねぇ」
向かいのテーブルで同じように車外を眺めていた焦茶色の髪の少年、
万条 幸次
におっとりとした声に七星は柔らかく微笑んだ。
「ええ、とても美しいですわ」
同じ高校に通う同学年のふたりがふわふわとした笑みを交わしたそのとき、ことん、と小さく列車が揺れた。
「あら?」
「んー?」
七星が淑やかに小首を傾げ、幸次が眠たげにふわふわと瞬く。幸次の膝でうつらうつらしていた幸次の愛猫花遊が三角耳だけをぴぴぴっと震わせた。
ついさっきまでは何の振動も感じさせなかった車体が、今はととん、ととんと心地よいリズムを刻み始めている。
「次の星に到着するヨー☆」
食堂車の扉が勢いよく開いた。
志波 武道
が明るい声を響かせる。
「ご覧ください、窓の外! ふしぎ超特急『七ッ星』の次なる目的地はアチラ!」
賑やかに言いながら窓にはりつく武道に倣い、幸次と七星も窓の外へと再度視線を投げる。
漆黒の宙には、いつのまにかキラキラと七色に光る線路が架け渡されていた。金平糖のように色とりどりの小さな小さな星屑がかたちづくる線路の先には、空に浮かぶ朱色の巨大な鳥居。
「デッカーイ!」
武道が心底楽し気に笑った。
寝子島の人々を運ぶふしぎな汽車が悠々と潜り抜けられる鳥居の先には、入り口にそそり立つ鳥居よりも一回りは小さな、それでも十二分に巨大な鳥居が何千何万と連なる鳥居の隧道。
挨拶代わりのように汽笛を鳴らす機関車に応じ、線路をかたち作る星屑が眩い光を放つ。シャラシャラと涼し気な鈴の音を奏でて歌う。
鈴音の線路を渡り朱色の鳥居を潜るうち、鳥居のまにまに見える宙が漆黒から藍へ、藍から黄昏金へ、紅花の色へ、涼しい空の青へと色を変えて行く。窓の下に薄青の海が見え始める。
金平糖の線路がシャラシャラと歌いながら解けて行く。速度を落としたふしぎ超特急『七ッ星』が透明な漣を静かに立てて着水する。
底の白砂が見えるほどに浅い水面に映るのは、等間隔に並ぶ朱色鳥居の隧道。青い水面に映る鳥居を波打たせて進む黄色い汽車の行く手に見えるのは──
「次の駅だ!」
コンパートメントの大きな窓に貼りつき、
卯木 衛
ははしゃいだ声を上げる。隣に座る
壬生 由貴奈
を振り返る。
「街が見えますよ、由貴奈さん!」
「んー?」
ふかふかのソファじみた長椅子にゆったりと腰掛け、窓に額を押し付けては飽きずはしゃぐ衛を見つめていた由貴奈は淡く微笑んだ。眠気を誘う車体の揺れはまだ続いている。そっと立ち上がり、衛の隣に並ぶ。
「お社みたいな街だねぇ」
青い空と朱い鳥居を映す碧い水の先には、青空に向けてそそり立つ朱い壁があった。壁のあちらこちらには入り口らしい鳥居が貼りついている。墨痕鮮やかな読めない文字の看板が存在を主張している。深緑の瓦屋根の楼閣にはどこから伸びているのかも分からない朱色の橋が架けられている。
どこか東洋的な建造物を照らすのは、無数に吊るされた赤い提灯。
「そうですね、神社みたいにも見えます、ね……」
すぐ傍に聞こえる由貴奈の声に、すぐ傍に立った由貴奈の気配に、衛は向日葵色の瞳をぱちぱちとしばたたかせる。
無数に輝く提灯の光に照らされ、窓に由貴奈の姿が映り込んでいる。
緩く波打つ紅茶色の髪、優しい星の瞬く夜色の瞳、細いうなじに柔らかそうな体に、それから、甘い匂い。
大好きな綺麗なひとは、窓の外へ聡明な眼差しを静かに向けている。
(由貴奈さん)
隣に立つ綺麗なひとのいい匂いに思わず鼻先をひくつかせて、衛は焦った。慌てて窓に額をごんと打ち付ける。このひとは、いつだって自分の心を強く強く惹きつける。
「どんなところなんでしょうね、由貴奈さん!」
向日葵の瞳を輝かせて笑う衛を見下ろし、由貴奈は淡く微笑んだ。真直ぐに見つめて来る衛の瞳が金色の太陽よりも眩しくて、思わず笑みが深くなる。屈託なく、臆面もなく、ただただ真直ぐに見つめてくれる衛の眼差しは、いつだって胸をふわりと軽くしてくれる。時にぴょんと空まで軽々跳ねあがらせてくれる。
「着いたら行ってみよっかぁ、うーちゃん」
「はい、由貴奈さん!」
金平糖の線路が弾けて消えた水面に透明な飛沫をあげて、『七ッ星』は次なる世界の停車駅へと入って行く。無数の鳥居の先、提灯にだけ照らし出された真っ暗な隧道を潜り抜ければ、そこは提灯の光にのみ照らし出された朱の街。
「わぁ……!」
客車の窓に両手と額を押し付けるようにして時空の旅の途に行きついた街を見つめ、
宮祀 智瑜
は黒く大きな瞳をますます丸く大きくする。
「先生、義弘先生っ!」
弾んだ声を上げて隣に招くは、豪華客車の椅子に惑う様子も見せず落ち着いた素振りで座している寝子島高校の数学教師、
桐島 義弘
。
「こっちに来てください、すごいですよ、すごく綺麗なところですっ」
「こちらからも見えている」
だから少し落ち着きなさい、と低い声でたしなめながらも、義弘先生は立ち上がって智瑜の隣に歩み寄る。僅かに揺れる列車の床に時折たたらを踏んでは尻餅をつきそうになる智瑜を支える格好でその背後に立つ。
(わ……!)
背中から抱きすくめられるように感じて、義弘先生に恋心を抱く智瑜はちょっと息を詰めた。背後から伸びてきた先生の大きな手が、自分の脇を過ぎて窓辺を掴む。先生の体温を背中に感じて、身体ぜんぶが熱を帯びる。
「……古い温泉街のようだ」
「はい、ノスタルジックな雰囲気です」
「神社のようにも見えるが、それにしては雑多に過ぎるだろうか」
「いつか見たアニメ映画の温泉宿とも少し似ている気がします」
振り返るには距離が近すぎて、智瑜は顔をもたげた。あたま二つ分ほどは背の高い義弘先生を見仰ぐ。
「観たことありますか、義弘先生」
「ああ、……神様がたくさん出て来る」
「そうですっ」
こくこくと頷きながら、先生との距離の近さに智瑜はなんだか恥ずかしくなってしまった。だって手をちょっと伸ばせば窓の縁にかけた先生の男の人そのものな指に触れることができる。髪の触れる位置には先生の大きな腕だってある。
(わ、うわあっ……)
知らず熱くなる頬をとっさに抑え、縮こまるような仕草で先生の腕の間から逃れる。このままずっと居たい気持ちは確かにあるけれど、これ以上先生の近くに居たら、きっと恥ずかしすぎて頭がぼうっとしてきてしまう。先生に紅くなった顔を気づかれてしまう。
熱を増すうなじを掌でぱたぱたとあおぎ、智瑜は客席の間を小走りに抜けた。窓の大きな展望車の最後部、デッキへと続く扉をよいしょと開ける。
「外へ出てみませんか、義弘先生!」
デッキから流れ込んでふわりと客席を行き過ぎる風は、どこか懐かしいような、白檀の香を帯びていた。
高く高く、煙って見えない天井まで無秩序に連なる瓦屋根に、蜘蛛の巣の如く縦横に架けられた緋色の橋。橋桁にもゆらゆら揺れる提灯、軒先にもゆらゆら輝く提灯。朱光に照らし出される街の中、『七ッ星』はゆったりと、まるで異国を訪れた貴婦人の風情で進み入る。
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3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
57人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年06月22日
参加申し込みの期限
2019年06月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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