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★地底の世界
土の匂いがする。
それと苔だろうか、緑の匂い。
肺に吸い込む空気は冷たくて清らかだ。
しかしそんな風情を楽しむ間もなく、
「きゃ」
小さな悲鳴をあげて冬華は尻餅をついた。きめ細かな砂利が飛び散る。
光の蝶は人間を恐れないのか、うちひとつが冬華のすぐ鼻先を、すいっと泳ぐぐようにしてかすめたのだった。驚きのあまり冬華は足をもつれさせてしまったのである。
綺麗だとは思う。それは認めたい。
でもやっぱり虫なのだから、多少は遠慮してほしいところだった。
「冬華、大丈夫?」
月が駆け寄るも、冬華は気丈に告げる。
「はい……少し驚いただけですので……」
八の字になってしまった膝にスカートをもどしつつ、冷たい地面に手を付けた。
「すぐ立ちま……ひゃ!」
ところがまた悲鳴を上げてしまう。今度はあわっと口を大びらきにして。
まさか蝶も心配してくれたのだろうか。つがいのようなペアの蝶がすうーっと、冬華の眼前に舞い降りてきたのだった。
もちろん立ち上がることなどかなわなかった。
「ちょ、チョウチョさん! ケガなどありませんからお構いなくっ!」
甲高い声でしかし大真面目に冬華がそんなことを言うものだから、月も思わず笑ってしまった。一応おもんばかって口元に手をやるも、声が漏れるのは致し方ないところだ。
「もうっ、月さんたら……」
そんなに笑わなくたっていいでしょう、と彼女にしてはめずらしく、冬華はぷうとむくれてみせるのである。
「ごめんよ冬華。可愛くて、つい」
とっさに口に出して、まさにその気持ちであったことに月は気がついた。
可愛いよ、冬華――。
さしだした月の手を、冬華はしっかりと握った。
英二は手をさしだしたわけではなかったけれど、ののこはしっかりと握っていた。
そのまま駆け出している。
「ね? もっと奥に行ってみようよ!」
蝶さんたちが呼んでる、とののこは言う。
進むたびに洞窟は明るさを増していく。蝶の数も増えていく。
彼女の制服の胸のリボンが揺れる。スカートのひだも揺れる。
けれども英二が見ているのは、ののこの黒い後ろ髪。
揺れる。波打つみたいに。
そして輝く。前照灯を受けて蝶の光を受けて。いつの間にか紫や青に輝きだした洞窟の鈍い燐光を受けて。
「わーっ、きれいきれい、ビューチホー!」
まったくその通りだと英二は思うのだけど、でも、とも思うのだ。
野々さんの髪のほうが、もっと『きれい』でもっと『ビューチホー』だよね……。
唐突にののこは足を止めて振り返る。
「どうしたの?」
なんて言う。
「英二君、頬赤いよ?」
「え? そう? 急に走ったからかも……」
まさか言えやしないじゃないか。
野々さんに見とれていたから、なんて――。
そんなののこの頬もいくらか、上気しておりほの赤い。
ふたりの手は、つながれたままだ。
趣深い、と暦はため息する。
なにか考え込んでいるかのように首を傾げたキノコがふたつ。
いずれも暦の頭くらい大きい。
ひょっこり飛び出した菌糸が、腕かあるいはアホ毛みたいだ。
赤紫のやわらかな光を発しており、ゆえにスケッチする手元も確かである。
さらさらと鉛筆を走らせ、止めては見、見てはまた描く。地上世界にはなさそうな形状、だけれど懐かしく思えるのはなぜなのか。
「きのこのこのこ。ひょこひょこ歩く♪」
即興で思いついた歌詞、それをこれまた即興のメロディに乗せて暦は歌う。
実際キノコは歩いたりしないわけだが、それでも、一緒に歩いてくれたら嬉しいなと思った。
「……おや」
うっすらと暦は笑みを浮かべる。
楽しげな歌に惹かれてきたというのだろうか、きらきらとした光の蝶が、音もなくキノコの頭に止まったのだった。そのまま、翅をゆっくりと動かして暦のほうを見ている。
「気になるんですか? なにをしているのか」
それはですね、と暦は、内緒話を打ち明けるような囁き声で言った。
「この場所、このひとときの記憶を残しているんです。ほら……」
こんな風に、とスケッチブックを蝶に見せる。
キノコがふたつ、描かれている。
さあっとしたためたラフ画ながら、蝶もちゃんと描きこまれていた。
ほんのわずか眠っただけだけど、いくらか頭はすっきりした。
するりと座席から滑り降り、寝ぼけ眼をこすりながら伸幸はペタペタと車内を歩く。
スリッパ履きで、開いている扉から車外に出てみた。
ふわあ、と大きな欠伸をして、天つくように伸びをする。
服装のことなど考えもしなかったから、頭にはずりおちそうなナイトキャップが乗ったままだ。
ひんやりしっとり、気持ちいい空気だなあ、と伸幸は思った。
それになんだか明るいな。
音もなく飛びかう蝶たち、にょっきりと生えている不思議なキノコたち。
ぼうと照らし出される洞窟の奥部。
苔かなにかが光っているのだろうか。
よく見ると洞壁からは、水晶みたいなものまでつきだしている。
「まだ、夢のなかにいるみたいな気持ちなのよー」
ぽつり独りごち、ふわりと笑う。
だとしたら素敵な夢だねぇ。
自分も蝶になり、きらめき舞いながら洞窟を遊ぶところを伸幸は想像した。
しかしこのときシュウっと音が立ち、伸幸は振り返って機関車を見上げたのである。
煙突から蒸気がのぼっている。どうやらそろそろ、運行再開みたいだ。
「みんなー、そろそろ戻る時間なのよー」
枕を持ったまま、おーいと声を出し呼びかける。
伸幸の声は洞窟に、りんりんとこだまするのだった。
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グリーンシナリオ(0)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
57人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年06月22日
参加申し込みの期限
2019年06月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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