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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
ふしぎ超特急『七ッ星』、しゅっぱつしんこー！
★蒸気越しの風景
音もなく走る自転車は、前輪がやたら大きく後輪が極端に小さくて、ぱっと見走りにくそうなのだが、またがってみると案外そんなことはない。
「自動制御、なんですね」
おっかなびっくりペダルをこぎつつ、尚輝が時子に話しかけた。
「面白いですね。電気自転車ならぬ蒸気自転車でしょうか……」
同じく自転車に乗る時子はすいすいと進んでいる。
こんなオールドファッションドな見た目だというのに、取り付けられた蒸気システムは車体を安定させ、楽な走行を実現していた。ペダルも軽い軽い。坂道だってへっちゃらだ。もちろん、ときおりジュッと勢いよくあがる水蒸気には要注意だが。
舗装されているとはいえ石畳、しかしそのでこぼこ道でもほとんど自転車は揺れない。もともとこの道を走るために作られたとでも言わんばかりではないか。
「少しスピードを出してみませんか？」
かろやかに笑って時子は振り向く。
「ま……待って下さい」
尚輝は慌ててハンドルを握り直そうとして、リンリンとベルを慣らしてしまう。
「……職業病……でしょうかね……」
猫背気味の背をさらに丸めてあやめが見ているもの、それはガラスケースに陳列された眼鏡なのである。
眼鏡を通して見る眼鏡、それも異世界の眼鏡だ。
「かもしれません」
でも、と華露蘿は笑った。
「私も似たようなものですから」
華露蘿はといえば、すぐ隣の文具売り場を見ている。
鵞ペン、万年筆、銀製のブックマーカー（しおり）、文鎮やペーパーナイフにしても優れたものがあった。
あやめと華露蘿は百貨店らしき場所を訪れ、それぞれ興味のある分野に直行していたのだった。
それにしても面白い。あやめはため息をつく。
スパイグラスと呼ばれる単眼鏡がある。美術品を鑑賞するためにつかう原始的な眼鏡だが、繊細な装飾が施されており、これそのものが美術品とも言えた。
しかし単に美しいだけではないのがこの世界だ。
パンスヌと呼ばれる弦のない鼻眼鏡にも、ご存じ怪盗紳士風モノクルにも、歯車とパイプのような装置が取り付けられており、装着者の顔のサイズに自動調整される。原理は不明だがハイテクではないか。
「これいいですねえ」
華露蘿はスパイグラスを手にした。クジャクのような絵が彫られている。ためつすがめつしていると、クジャクの顔がくるっと180度回転したので驚きのあまり取り落としそうになった。
「ひゃっ！？ やはり異世界の品……！」
華露蘿の言いっぷりに、あやめもごくわずか、目視できるかできないか程度だが口元をほころばせた。
じゃーん、と銃（ガン）を構えて登場、腰に手を当てポーズを取って、にししっとユウは笑うのだ。
「どーよこれ、いけてんじゃね？ どーよどーよ？」
蒸気の世界がもつ謎のオーバーテクノロジーが実現したという、小型ハンドガン型光線銃なのだ。
同じく百貨店、ごくカジュアルな存在として武器売り場のフロアを発見するや、ユウと萌はここに直行していた。
「ビームの強さがさ、『ショック』『気絶』『致死』って三段階になってるっつー大雑把かげんがオレ好みっつーか、マジ買って帰りたい」
ほれぼれした様子でガンを撫でり撫でりするユウなのだ。
ところがたちまちホールドアップするはめとなる。
「手を挙げろ☆」
ついーっと長い長い尖端が出てきて、次に、
「うーん、いい女にはビッグなガンがよく似合う、とはよく言ったものだね☆」
萌が登場。ひとかかえもある火炎放射器のようなものを手にして。
「それなに！？」
「武器」
「見りゃわかるっつーの。どんな武器だって！？」
「わからないけど実弾入ってたらたぶん、ユウくんのこと原子分解できそう♪」
「撃つなよ、マジ撃つなよ。ぜってー撃つなよ……って、これ『撃て』ってフリじゃねーから……！」
ペガサスのぬいぐるみその名は『はやぶさ』と、ひびきは街を探索中だ。
現地住人にとってはなんでもない光景かもしれないが、ひびきにとっては目に入るもの聞こえるもの、触れる空気すら新鮮で刺激になる。
見た感じ昔のロンドンって感じなんだよねえ、とはやぶさに話しかけながらひびきはそぞろ歩く。
「だとしたらやっぱり、アレに乗ってみたいじゃない？」
そう、二階建てバス！
……と、思ったが、自動車はあれど小型で、乗合馬車のようなものは見つかっても大型バスとなると見当たらない。
「うーん、さすがに無理だったかなあ。そろそろ戻ろうか、はやぶさ？」
仕方がないとあきらめかけて、にゃ！ と大きな声を出しひびきは駆け出していた。
見つかったのだ。二階建てのバス……ならぬ、二階建て乗合馬車が！（※本当のロンドンにもあったらしい）
なお馬車を引く馬は、スチーム装置のからくり細工であることは言うまでもない。
音もなく走る自転車は、前輪がやたら大きく後輪が極端に小さくて、ぱっと見走りにくそうなのだが、またがってみると案外そんなことはない。
「自動制御、なんですね」
おっかなびっくりペダルをこぎつつ、尚輝が時子に話しかけた。
「面白いですね。電気自転車ならぬ蒸気自転車でしょうか……」
同じく自転車に乗る時子はすいすいと進んでいる。
こんなオールドファッションドな見た目だというのに、取り付けられた蒸気システムは車体を安定させ、楽な走行を実現していた。ペダルも軽い軽い。坂道だってへっちゃらだ。もちろん、ときおりジュッと勢いよくあがる水蒸気には要注意だが。
舗装されているとはいえ石畳、しかしそのでこぼこ道でもほとんど自転車は揺れない。もともとこの道を走るために作られたとでも言わんばかりではないか。
「少しスピードを出してみませんか？」
かろやかに笑って時子は振り向く。
「ま……待って下さい」
尚輝は慌ててハンドルを握り直そうとして、リンリンとベルを慣らしてしまう。
「……職業病……でしょうかね……」
猫背気味の背をさらに丸めてあやめが見ているもの、それはガラスケースに陳列された眼鏡なのである。
眼鏡を通して見る眼鏡、それも異世界の眼鏡だ。
「かもしれません」
でも、と華露蘿は笑った。
「私も似たようなものですから」
華露蘿はといえば、すぐ隣の文具売り場を見ている。
鵞ペン、万年筆、銀製のブックマーカー（しおり）、文鎮やペーパーナイフにしても優れたものがあった。
あやめと華露蘿は百貨店らしき場所を訪れ、それぞれ興味のある分野に直行していたのだった。
それにしても面白い。あやめはため息をつく。
スパイグラスと呼ばれる単眼鏡がある。美術品を鑑賞するためにつかう原始的な眼鏡だが、繊細な装飾が施されており、これそのものが美術品とも言えた。
しかし単に美しいだけではないのがこの世界だ。
パンスヌと呼ばれる弦のない鼻眼鏡にも、ご存じ怪盗紳士風モノクルにも、歯車とパイプのような装置が取り付けられており、装着者の顔のサイズに自動調整される。原理は不明だがハイテクではないか。
「これいいですねえ」
華露蘿はスパイグラスを手にした。クジャクのような絵が彫られている。ためつすがめつしていると、クジャクの顔がくるっと180度回転したので驚きのあまり取り落としそうになった。
「ひゃっ！？ やはり異世界の品……！」
華露蘿の言いっぷりに、あやめもごくわずか、目視できるかできないか程度だが口元をほころばせた。
じゃーん、と銃（ガン）を構えて登場、腰に手を当てポーズを取って、にししっとユウは笑うのだ。
「どーよこれ、いけてんじゃね？ どーよどーよ？」
蒸気の世界がもつ謎のオーバーテクノロジーが実現したという、小型ハンドガン型光線銃なのだ。
同じく百貨店、ごくカジュアルな存在として武器売り場のフロアを発見するや、ユウと萌はここに直行していた。
「ビームの強さがさ、『ショック』『気絶』『致死』って三段階になってるっつー大雑把かげんがオレ好みっつーか、マジ買って帰りたい」
ほれぼれした様子でガンを撫でり撫でりするユウなのだ。
ところがたちまちホールドアップするはめとなる。
「手を挙げろ☆」
ついーっと長い長い尖端が出てきて、次に、
「うーん、いい女にはビッグなガンがよく似合う、とはよく言ったものだね☆」
萌が登場。ひとかかえもある火炎放射器のようなものを手にして。
「それなに！？」
「武器」
「見りゃわかるっつーの。どんな武器だって！？」
「わからないけど実弾入ってたらたぶん、ユウくんのこと原子分解できそう♪」
「撃つなよ、マジ撃つなよ。ぜってー撃つなよ……って、これ『撃て』ってフリじゃねーから……！」
ペガサスのぬいぐるみその名は『はやぶさ』と、ひびきは街を探索中だ。
現地住人にとってはなんでもない光景かもしれないが、ひびきにとっては目に入るもの聞こえるもの、触れる空気すら新鮮で刺激になる。
見た感じ昔のロンドンって感じなんだよねえ、とはやぶさに話しかけながらひびきはそぞろ歩く。
「だとしたらやっぱり、アレに乗ってみたいじゃない？」
そう、二階建てバス！
……と、思ったが、自動車はあれど小型で、乗合馬車のようなものは見つかっても大型バスとなると見当たらない。
「うーん、さすがに無理だったかなあ。そろそろ戻ろうか、はやぶさ？」
仕方がないとあきらめかけて、にゃ！ と大きな声を出しひびきは駆け出していた。
見つかったのだ。二階建てのバス……ならぬ、二階建て乗合馬車が！（※本当のロンドンにもあったらしい）
なお馬車を引く馬は、スチーム装置のからくり細工であることは言うまでもない。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年06月22日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年06月29日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年06月29日 11時00分
