this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
ふしぎ超特急『七ッ星』、しゅっぱつしんこー!
<< もどる
1
…
8
9
10
11
12
…
31
つぎへ >>
★スチームパンクの街並み
オーバル形した眼鏡のレンズに、真夜中の森のような星空が映り込んでいた。
厚みのあるシートに背をあずけ
浅葱 あやめ
は、車窓の外を右から左へ、来ては流れ去る星の光を見つめている。
砂また砂のなめらかな丘陵も悪くはなかったが、星くずの海もまた悪くないものだ。
あやめは知らない。
どのような原理でこの列車が走っているのか。どこへ往こうとしているのか。
たとえ知りえようとも、無意味なことかもしれないが。
「……うん?」
あやめは目を眇(すが)める。前髪のあいだから見える光景が変わった気がした。
はじめは、それこそ気のせいかと思えるほどのわずかな変化だった。
しかし着実に、黒と銀の空間は色づきはじめているのだった。
まず琥珀色に。
やがてそれがワインのような赤紫、桑の実色から茜色へのグラデーションへと移ろいゆく。
あらたな世界への乗り入れがはじまったのだろう。
「……ええと……」
と言うあやめの、遠慮がちな視線を受けたのは同乗者の
天馬 ひびき
だった。
「うんうんっ」
わかってるよと言わんばかりにひびきは大きくうなずいて、コンパートメント内の皆に告げるように呼びかける。
「にゃ! 見て見て、大きな街が見えるよっ!」
ひびきのさす指の先、都市らしき存在が浮かび上がっている。近づくにつれ塔や橋など、さまざまな建造物も見えてきた。
「街……?」
窓枠に頭を乗せてうつらうつらしていた
野菜原 ユウ
が、まぶたを重そうに持ちあげた。
「やっと起きたー」
ユウの顔をのぞき込んでいるのは
鬼河内 萌
だ。
「ユウくんったら、さっきから船を漕ぎっぱなし!」
「船? これ電車だろ?」
「電車て!」
ちょめっ☆ と萌はユウの額を指で弾くのである。
「汽車って呼んでほしいなっ。それか夢の列車、銀河トレイン☆」
そもそも船を漕ぐっていうのはそういう意味じゃなくてー、と萌は腰に手を当てて言うのだが、もうユウはあまり聞いていない様子だ。イテテと額をさすっていたが、
「なんかさ、あれ駅みたくね?」
気がつくと、がばと窓を開け身を乗り出している。
「にょえええ!?」
ひびきがたたらを踏み、両手で椅子の背にしがみついた。
遠心力を感じる。車体がかしいだのだ。ネジを力一杯締めたときのような、ギギイときしむ音も立つ。
いつの間にか汽車は、力強く車輪を回転させ線路の上を走っているのだった。
かぎりなく『J』の字に近い大きなカーブを曲がったところだ。
トンネルに入る。列車の速度が落ちてゆく。
あやめは眼鏡をやわらかな布で拭い、かけなおした。
「あそこに……とまるようですね」
トンネルの先、明るくなり始めたところでようやく、駅を含む都市の全容を一望することができた。
十九世紀の倫敦(ロンドン)を思わせるアンティークな都だ。
建物のほとんどは煉瓦ないし石造りで、河にかかる巨大な橋とて例外ではない。超特急『七ッ星』が滑り込もうとしているのも、まさしくそうした古き良きたたずまいの駅舎なのである。
しかしその実体は古くささとは無縁だ。むしろ未来的だ。
空を飛行船が飛んでいる。現代世界のそれのように悠然としたものではなく、ジャンボジェット並みの航力で。
自動車も数限りなく走っておりいずれも、クラシックを通り越して骨董品みたいなフォルムながら、なめらかな走行を見せている。
駅のホームを行き交う人々は、パリ万国博覧会のモノクロ写真さながらだ。ボンネットを着用した貴婦人にシルクハットの紳士たち、連れ歩いている犬までレース飾りを着ている始末。しかしよく見れば少なくない歩行者が、歯車を埋めた金属製の補助腕を装着しているのだ。顔面の右半分を、スイス時計のような機械パーツで覆っている姿もあった。警官らしき者が帯同している銃も、光線でも発射できそうな形状をしている。そもそも歩いているレース飾りの犬は、滑車をむき出しにしたからくり細工ではないか!
開いた窓から風が吹き込んでくる。湿った空気も。煙まで。
煙?
「火事……いえ、違いますね」
御巫 時子
の何気ないつぶやきに、
「蒸気、でしょうか」
五十嵐 尚輝
が応じる。
たしかに、水が沸騰しているような湿度こそ感じこそすれ、火災のようなきな臭さはない。
それです、と時子は声を上げた。
「この街、いえ、この世界のかなりの部分は……蒸気機関で動いているのではないでしょうか」
街の中心にあるのは動力源らしき高い塔、そこから、しゅうっ、と定期的に吹き上げているのは水蒸気のようだ。勢いよくあがるスチームは暁の空にのぼり、流れる雲と一体化している。
自動車もマフラーは横向きではなく真上についており、たえず蒸気を立ち上らせていた。半身が機械じかけの紳士、その関節から漏れているものも間違いなくスチームだ。
古典とアンノウンテクノロジーの融合、まるでジュール・ヴェルヌの世界。
徐々に速度を落としやがて列車は、短くも甲高い金属音をあげて停止した。
外に面したドアが、がらっと開く音が聞こえた。
「降りてみませんか?」
豊田 華露蘿
は呼びかけて席を立った。
扉の外では金属製の鳥が、カシャカシャと心地良い羽音を立てて飛び交っている。体は鉄色だが金の縁取りがしてあり、大きな目もあって愛らしい姿だ。
うち何羽かは白い布を協力して運んでいた。
布の上につまれた黄色や紫、白に赤の花が、歓迎の意を表するように舞い落ちてくる。
「わあ……」
花吹雪を手で受けるようにして華露蘿は列車からホームに降り立ち、ふと着衣の違和感に気づいて目を丸くした。
マーチングバンドを思わせるパンツルック、そこにカシミヤのインバネスコートを合わせた姿に一変していたのだ。かけた丸眼鏡まで、明治の文人がかけていたようなヴィンテージラウンド形になっている。
「皆さんも!」
素敵です、と華露蘿は手を叩いた。
萌にユウ、あやめ、ひびき、尚輝も時子も駅に降り立つや服装が変化していた。
チェスターコートにコルセット、乗馬服、ゴーグル、黒いリボンにガンベルト。さりげなく飾られた、トグルという輪の付いた留め具。いずれも懐かしくそれなのに新しく、モダンでもクラシカルでもないレトロフューチャリズムにあふれている。
「ありがとー!」
からくり鳥から一輪の百合の花を受け取ると、萌はこれを胸にさして告げた。
「せっかくだし、ちょっとこの街を見て回ろうよ♪」
反対する者はない。
「いいですね」
時子はくすっと笑った。短い滞在かもしれないけれど、この不思議な世界を見ていきたい。
みなを見送るように超特急『七ッ星』は、静かに煙をあげている。
<< もどる
1
…
8
9
10
11
12
…
31
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
ふしぎ超特急『七ッ星』、しゅっぱつしんこー!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
笈地 行
桂木京介
KAN
黒羽カラス
墨谷幽
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
グリーンシナリオ(0)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
57人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年06月22日
参加申し込みの期限
2019年06月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!