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【一歩、前へ、隣へ】
休憩するうちに気分も落ち着いて、
弓弦原 譲
は隣に腰かける
七草 八兵衛
を横目で見た。
(家の事情を話さずにいるのは、不誠実なのだろうか……)
譲にとって、八兵衛は初めてできた友人だ。
(だが……)
どうしても、話せそうにはなかった。
(まだ、無理だ。……怖いんだ)
「休んだら良くなった。すっかり付き合わせてしまったな、展示室へ戻ろうか」
「……そう。無理は、しないようにね」
「ああ。ほら、『前進』を見損ねただろう、見に行こう」
そうして二人で『前進』をじっと見つめ、譲は像に手を触れさせた。
(……行き詰まっているようでも、少しずつ、変わっていくこともあるはずだ)
譲は無言のまま立つ八兵衛に向き直った。
「七草。この像を見ていて思った。俺は、変わりたい」
「ん?」
「具体的にどうとかは言えないけど、俺もお前のように、肩の力を抜いて自然体で在りたいと思う」
珍しく、八兵衛の目が少しばかり見開かれる。
「……変わってるなぁ、弓弦原クン。俺なんかを直視して、そんなこと言う奴、初めてだよ」
譲が軽く肩をすくめる。
「そうか? お前と一緒にいるのは、居心地が良くて楽しい」
「ふぅん。弓弦原クンは前向きだねぇ、俺のほうがうらやましいくらいだよ」
「七草は、触らなくていいのか」
「あ~、これ? うん、俺はいいやぁ」
譲に促されても、八兵衛にその気はなかった。
(いやぁ、だっておかしいじゃない。俺みたいに、前がどっちなのかもわからないような奴が、どこかへ進もうとするなんてさぁ)
「弓弦原クンがどこを目指すにしても、俺みたいに『諦めた』人間にはならないでね……」
譲の耳に届いたかどうかはわからない。
八兵衛は小声でつぶやいた後、今度はきちんとこう声をかけた。
「今日はね、楽しかったよ。気が向いたら、また誘ってよ」
「そうだな、ぜひまたどこかに一緒に行こう」
【奏でる未来】
「これが、『前進』だね」
目を閉じて、祈るように、
市橋 奏楽
が像に触れた。
「……奏楽?」
振り向いた奏楽の真剣な眼差しに、
市橋 誉
は動きを止めた。
「誉に話したいことがあるんだ」
「うん……、何だよ」
像から少し離れたところで、奏楽と向き合う。
「音楽のことだよ。……俺は、お父さんの跡を継ぐため、音楽をやめると言ったね。誉はそれに反対してくれた。正直なところ、嬉しかったよ」
「……それで?」
話し始めた奏楽に、身構えてしまう。
「俺はね、俺の音に自信なんてまるでなかった」
(そんな……)
「誉の多彩な音が羨ましくて、……嫉妬、していた。それに、音楽は失った物を思い出すからね。辛いというのもあったし」
「奏楽……」
噛みしめた唇が震え、握る拳に力がこもった。
「だから、かな。お前に音楽の道を進ませるという理由をつけて、俺は音楽から逃げたのかもしれない」
誉の体がこわばり、胸がつまる。
「けど、
先日ある人に
ね、『音楽も事業もどっちもやればいい』って言われて……、迷ったんだ。馬鹿だろう、自分からやめると言っておいて――」
「本当に馬鹿だよ! 奏楽は勝手だ! 自分ひとりで、そんなの……」
声を荒げて、顔をゆがめた誉は、うつむいた。
(何だよ、それ。何だよ、今までちっとも、そんなこと言わなかったくせに!)
胸中に、驚きとやるせなさがこみ上げる。
(俺、知らなかった。奏楽の気持ちに、気がつかなかった……)
奏楽を避けていた自分も悪いのかもしれない。けれど、気づいたら奏楽の携帯の番号すら知らずにいて――。
(兄弟、なのに)
言葉につまる誉の唇に、奏楽の伸ばした指が当てられた。
「誉、しーっだよ。美術館で大きな声を出さないの」
取り乱す誉をなだめる奏楽は、声も態度も落ち着いていて、いつだってこうして気にかけてくれるから。
(だから俺、気がつかなかったのかな。けど、やっぱり、言ってもらわないとわからないし)
「俺は……、奏楽の音が好きだ」
震える声で、どうにか言葉を絞り出した。
「優しく包み込む、奏楽の音色が好きだ……。だから俺、音楽を止めてなんか欲しくない」
「うん、ありがとう、誉」
けれどこの人は温厚そうな顔をして、意外と頑固なのだ。
「もう、俺は逃げないよ。音楽の道に進むことはないけど、……趣味としては続けるつもり」
(奏楽。音楽が好きで、昔からずっと音楽の道を目指していたのに)
近くでずっとその姿を見てきた。
だから誉は、その道を諦めた奏楽を見るのがつらかった。
「奏楽は、本当にそれでいいのか? 確かに家族のことを思い出すのは、辛いかもしれないけど。でも、それ以上に音楽が好きなんじゃないのか!?」
押し殺した声で、どこかすがりつくように誉は問い詰めた。
(そんなの、俺は嫌だ。奏楽を犠牲にして、俺だけ好き勝手に音楽を続けるなんて……!)
「俺は……、奏楽と同じ道を進みたいんだ」
少し困ったように眉を下げて、奏楽は優しく誉に声をかけた。
「誉、プロを目指す事だけが、音楽の道じゃないよ」
返す言葉がみつからなくて、誉はきゅっと唇を引き結んだ。
「ねえ、今度誉が家に戻ってきたら、二人で連弾をしよう」
そう言って奏楽は、そっと誉の頭をなでた。
かつて何度もくり返された仕草が懐かしく、手のひらの温もりが心に染みて、不意に誉の視界が潤んで揺れた。
「……なんだよ、奏楽の馬鹿。――そんなの、しないわけないじゃないか……」
顔は上げられなかったが、微笑む気配がして、奏楽が腕を広げるのがわかった。
「ほら、おいで?」
幼い頃のように抱きしめてあげようという意図が伝わり、一気に顔に血の気が差す。
「なっ、ばっ……! するわけないだろ、だから子ども扱いするなって……!」
かみつく誉に、奏楽は穏やかで楽しげな笑い声を返すのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月18日
参加申し込みの期限
2013年08月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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