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レディ・ロゼッタの未来観測
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昼過ぎ、一緒にやって来たのは
新井 すばる
と
橘 舞
だった。
「占いはボクも少しかじったことがあるんだ。手品の演出用に覚えただけだから、本の丸暗記だけど。元気のない人を力づけたくて。タロットを使うんだよ」
「こちらのお店と同じ占術ですね」
すばるは舞にうなずく。
「うん。でもね、ボクのはマジックだから。いいカードが出るようにコントロールしちゃうんだ」
「と、いうことは……?」
「そ。いんちきの、うそんこ。でもそれでいいと思ってる。元気をあげるホワイトライ・マジックってことかな」
眼鏡越しに、少し恥ずかしげに笑ってみせる。
「すてきですね。実は、私も元気になるものを持って来ました」
舞は小首をかしげて小さな箱を掲げてみせる。明らかに中身はケーキだ。
「わあ! ボクはいつもの、これ……」
紙袋の中には肉厚のちくわが並んでいる。
「いちおう手作りなんだけどね、舞さんのと比べられると負けた感がすごいなって……」
「何を言うんですか。新井さんにしかできない手作りですよ」
それに、と舞はもう一つの小箱を取り出した。
「これは新井さんを元気にするための分です」
「え、ボクのもあるんだ! ありがとう!」
すばるは感激した様子で小箱を受け取った。早速中をのぞいている。
「きれいだなー。これ、なんてケーキかな」
「イタリア発祥のチーズケーキ、ティラミスです。『私を引っ張り上げて』つまり、私を元気づけてという名前のケーキなんですよ。自信作です」
「あ、それって……」
「新井さんの占いと同じです。食べた人を元気にするお菓子なんです」
アプローチは違っても、二人の思いは同じところに向かっていることを確認する。自分だけでなく、周りの世界を幸せにしたいという暖かい思い。すばると舞は顔を見合わせ微笑む。
「いいところごめんなさぁい。今、開いてまぁす」
突如、女の声で水が差された。二人はぎくりとして声のした方を見る。
「ロゼッタがお待ちしてまぁす」
力ないのに重たい声が不気味だ。
と、そのとき入り口の赤い扉が開いた。姿を見せたのは長身の青年。
市橋 奏楽
だった。
「ん? 盛況だな」
「ああいえいえ! ボクたちちょっと休憩モードで。お先にどうぞ!」
「ええ、ぜひ……」
内側からは妙な声、外からは来客。舞もすばるも軽いパニックに陥る。
「いいのか? それなら、お先させてもらうけど」
焦る高校生たちを不思議に思いながらも、奏楽は青い扉を開いた。
(元気な子たちだな。弟と同じぐらいか……)
「カップルさんが入ってくるかと思ったのに、違ったわ」
妖艶な雰囲気の女占い師が待っていた。
「ん? 順番は俺でよかったのかな」
「もちろんよ。私はロゼッタ」
そういう女の頭には花のヘアピンが3つも留まっている。黒髪とヴェールが絡まりもつれていた。
(変わった人……だなぁ)
「よろしくお願いします。占いは、弟のことを。俺は養子で……弟と血は繋がっていないんですが」
奏楽は占い師にそう語る。
「……聞かせてくれる?」
「はい。俺たちは幼馴染で、俺も、弟も、ピアノが大好きで……よく連弾したりしたものです」
言葉にすると、押し殺していたさまざまな思いが湧き上がってくる。その奔流に流されないように、懸命に踏みとどまりながら。
「けど、俺が弟の家の養子になって……俺は音楽をやめました。養父の事業を俺が次いで、弟の誉には音楽を続けてもらう。ベストな選択をしたと思ってます。でも誉は納得していないみたいで。……やたらと避けられてるんです。自宅から通学できるくせに、寮に入ってしまうし。俺が音楽を続けるというまで口を利かないそうで」
「なかなか弟さんも頑固ね」
「俺は自分の考えを曲げる気なんてないんです。誉のピアノを聴ければ……それでいい。本音を言うと、才能に嫉妬すらしてるんです。音楽の道をあきらめたのは……誉に負ける自分を見たくないから、かもしれません」
「弟さんを大切にしているのね。占ってみるわ」
「はい。……おかしいな。こんないろいろ話すつもりはなかったんですが……」
うつむく青年に、ふざけた前髪の女占い師はやさしげなまなざしを向けた。
「あなたが自分の考えを曲げない、事業を継ぐと決めた心のまま進んだらどうなる? そして、もし今の考えを変えたら? カードはこの二つの道の行く末を示すわ」
奏楽の指は頼りなげに迷い、カードの波の上をさまよう。ようやく二枚を選び取ると、ロゼッタがそのカードを読む。
「カップのクイーン。芸術的、直感的センスに優れた繊細な魂。その魂は優れた才能を持ちながら、それを抑圧する。大切な人の陰となって生きる」
上下対称に二つの女王の上半身が描かれたカード。凛としたクイーンの横顔は、奏楽自身と誉の横顔に変わっていった。奏楽の顔がこわばる。
「やりたいこと、我慢してない? このカードはそう言ってるわ」
(言われなくても……!)
握り締めたこぶしに力が入る。自分のことは誰よりもわかっている。音楽をあきらめきれないことも、養父の後を継ぐことに納得と覚悟をしていることも。その決断はすべて、誉のためであることも。
「こちらはコインの8。知識や経験を生かして、あなたの世界をさらに広げていく」
カードを読んだロゼッタは、ふむ、と得心したようにうなずいた。
「奏楽くん。事業と音楽、どちらもやればいいのじゃない?」
「え?」
「趣味で楽しむぐらいできるでしょ。たまに兄弟ユニットとして活動するとか、ご当地ピアニストとしてイベントに参加するとか、方法はいくらでもあるわ。0か、1かだけが選択じゃない。プロでなければいけないの?」
「あ……」
「ピアノ、好きなんでしょ。やめる必要なんてないわ。実はピアノもうまい若き社長、なんていいじゃない。弟さんに言ってみたら?」
――今度帰ってきたらまた連弾しよう。それだけで伝わるはずよ。
その声が奏楽の心にいつまでもこだまする。ロゼッタは二万円の封筒を受け取ってくれなかった。大学生の料金は四千円よ、と押し切られてしまったのだ。奏楽はつぶやく。
「連弾しよう、か……」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
清水るね
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月11日
参加申し込みの期限
2013年07月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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