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【口をつぐむそれぞれの過去】
「ええと、そうだ、こういうのを作る人っていうのは、何を考えながら作っているんだろうな」
やや硬い声で、ぎこちなく、
弓弦原 譲
が
七草 八兵衛
に話しかけた。
一緒に美術館を訪れたのはいいものの、適切な話題が思いつかずに譲は焦る。
「さあ……」
「そうだな。わかりっこないよな。おかしなことを訊いた、気にしないでくれ」
「……ん」
「……あ、そうそう、この虎と猫の彫刻、七草はどっちが好きだい」
「べつに、どっちがとかはないけど」
「そう、だよな。それじゃあ……、七草、美術館って、この静謐な空気が居心地がいいと思わないか」
「まあねぇ。美術館とか、わりと興味があるよ。……ねえ、弓弦原クン」
「な、なんだい」
愛想のない声で返事をしていた八兵衛が、見かねて口を開く。
「何を緊張しているのか知らないけど、無理して話題を探さなくてもいいんじゃないの」
「……そういうものか?」
「展示品を見るために来たんだしねぇ、それだけで十分楽しいし」
八兵衛がそう言うと、目に見えて譲の肩から力が抜けた。
「そうだな、七草を退屈させてはいけないと、緊張していたようだ。そう言ってもらえると気が楽になるよ」
「うん」
「……これが、『停滞』か」
(まるで、俺の現状を暗示するような、皮肉なタイトルじゃないか。姿形まで、俺に見えてくるような……)
譲は、自嘲気味に眉根を寄せて、片手で像の背に触れた。
(そうだ、これは俺の姿だ……)
記憶が渦となり、譲を飲み込む。
実母の死後にひきとられた、父の本宅で暮らした日々が、痛みとともに記憶に焼き付いている。
自分を憎み、陰湿な虐めをくり返す、義母の眼差し。
(母の形見のアルバムを燃やされたこともあったな。写真を破るよう命じられたことも……)
肩身の狭い思いをして暮らすなか、妹だけが唯一の味方だった。
(妹……か)
その妹が、自分をかばって、義母を刺した。
(過ぎてしまったことなのはわかってる。けど、他にどうしようもなかったのか……?)
命に別状がなかったのが、まだ救いではあるが、事件がもみ消された後、譲は家を捨てて寝子島に来ることを決めたのだった。
(……思い出したくないのに。俺はこれから、どうすればいい)
胸を押さえて、うなだれる。
「おーい、弓弦原クン、顔色悪いけど、大丈夫……?」
「ん、ああ、少し、気分が……」
(ん~、何か悪いものでもついてるのかなぁ?)
八兵衛は、こっそりと手を伸ばして自分でも『停滞』に触ってみた。
(あ~、どうして今、こんなことを思い出すのかなぁ)
ふいに思い出したのは、縛られて、泣いて許しを請うている男子中学生の姿だった。
いかにも普通っぽい見た目をしているが、因果応報というではないか。
(こいつは、まぁ、しょうがなかったよねぇ)
嫌がらせの対象が自分だけのうちはまだよかったが、家にまで迷惑をかけたのだ。
(そういえば、初めて誰かに暴力をふるったのは、このときだったかなぁ)
この後、この生徒が不登校になり、自分とクラスメイトとの距離がひらいていったのだ。
(……って、そんなの今関係ないよねぇ?)
ちらりと、青ざめる譲に目をやる。
(まぁ、話さないほうがいいか。知らないほうがいいと思うし。それより……)
「ねぇ、弓弦原クン。向こうのロビーで少し休もうか。ソファーがあったよ」
「すまない」
「謝ることはないよ……」
ふらつく足取りの譲を支えて、ロビーに出る。
「ここに座って……、炭酸飲める? 自動販売機で何か買ってくるけど」
「ありがとう。冷たいものなら、何でも……」
「りょーかい」
【よりそう姉妹の言葉と情と】
常設展示室を仲むつまじい様子で、
花風 冴来
と
花風 もも
が手をつないだまま見て回っていた。
「物珍しいものが色々あるわね、もも」
しっとりとした声音で冴来が語りかければ、花の開くような愛らしさでももは義姉に笑顔を向けた。
「素敵だね、大好きな姉様と、きれいなものを見ていられるなんて」
「まあ、ももったら」
「見て、姉様。この絵は九夜山を描いたものかな? つがいの鳥だね、きっと」
「ええ、互いに寄り添って、自然の中にたたずんでいるのね。素敵だわ」
濃い緑の山中を流れる川のほとりに、大きな二羽の鳥が羽を休めている。
「仲良しなんだね。……えへへ、僕と姉様みたいだね?」
「あら、そうね。私たちも、ずっとこんなふうにいられたら素敵よね」
「うん! 姉様」
「ええ、もも」
言葉にされなくても、冴来には義妹の全面的な好意が伝わってくるようだった。
(もも、なんてまっすぐな眼差しなのかしら)
ももの瞳に、自分はどう映っているのだろうと、冴来は思った。
(ねぇ、もも。私の誰より愛しいあなた。大好きよ、大切なかわいいもも)
澄んだももの瞳は、これからもずっと自分を見つめていなくては。
寄せられる情に心を満たされて、冴来の唇がきゅっと弧を描いた。
「さあ、もも。向こうの工芸品も見て見ましょう」
冴来に手を引かれて、ももは素直に足を運ぶ。
「ちょっぴりいじわるだけど、強くて優しくて、大好きな姉様。……ずっとずっと、一緒にいようね」
冴来にも聞き取れないほど小さな声で、ももはそっとつぶやいた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月18日
参加申し込みの期限
2013年08月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月25日 11時00分
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