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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
生き残るのは誰だ！ アンチ納涼がまん大会！
「まったく、何言ってんだ……」
そう言う御剣 刀だったが、ふと見ればシダ 美穂戸ののびやかな肢体が目に入る。気になるものを見つけてしまって、刀はついつい視線を注いでしまっていた。
「ん？ どうした」
シダが気づいて刀に問う。
「美穂戸の水着……それ、何だ？」
「水着着てきた サオラ柄 ヴァン なんでわかった？」
薄地のアオザイの下にシダが着ているのは、彼女のシンボルともいえるサオラ、ベトナムで発見された幻の動物、その希少性から幻獣ユニコーンにも喩えられる生き物をイメージした柄だ。刀の注目する先に気づいたシダは、大きな赤い瞳をすうと細める。
「のぞきか？ のぞきだな」
「い、いや、違うんだ」
「かたな 今日も むっつりか」
「違う。透けてたから」
泥沼、やぶへび、いらぬ一言である。刀は自分で言った言葉に自分でうろたえてしまっていた。
「ああ すけてるな すけてる アオザイ 薄いからな」
一人で納得してくれたシダに、刀はほっと胸をなでおろした。これで大分、精神統一を乱されてしまったかもしれない。焦ったせいで急に暑さが負担となって襲い掛かってきた。目を逸らしたつもりが、悪いことにその先には極楽部屋があった。刀の見る世界につい大写しになってしまうのは、金髪と、それに似たきらめきを持つ金糸のアクセントも美しい、あでやかなチャイナドレス姿のブリジットであった。じろじろ見てはいけない、と思うのに気になって気になって、目が離せない。ブリジットが、と言うよりも、あの事件の影響なのか、チャイナドレスがなぜか刀の心を捉えて離さないのだ。
（なぜかときめいてしまう……いやいや！ 俺はこんなことを考えに来たわけでは！）
頭をぶるぶると振り、ひとり苦悩する刀。それをブリジットは不思議な顔をして見ていた。
「……刀から妙な視線を感じるわね。応援でもしてほしいのかしら」
怪訝な顔のまま手を振ると、刀の表情はますます複雑なものになってしまった。
新井 すばるは熱に浮かされたように、視線をふらふら泳がせながら思い出していた。今、自分がここにいるわけを。昨日のことを。
「ふふふ。聞きましたよ、新井さん」
橘 舞がにこにこと笑いながら語りかけてきた。いつも笑顔を絶やさぬ彼女だが、今日の笑みは格別だ。
「舞さんこんにちは……え？ どうしたの？」
「がまん大会のことです」
切り出されてもすばるは合点がいかず、きょとんとした顔をして、次に笑った。
「がまん大会？ あはは、舞さんそんなのに興味あるんだ？」
「あら？ 新井さんのことですよ？」
「えっ？」
聞けば、すばるも小耳に挟んでいた、理事長の気まぐれで始まるらしいイベント、がまん大会。その出場者としてすばるはほぼ決定した状態になっているらしい。しかも、すばるを推したのはほかならぬブリジット・アーチャーなのだという。
「なになに？ ボクは期待されているってこと？ おー！ 流れがわかんないけど、俄然やる気が出てきたよ！」
舞の暖かい励ましと、「私が推薦したんだから、しっかりやりなさいよね」と言うブリジットの笑顔に送り出されて、今のすばるがあるのだ。
「うん……暑いね」
炎天下、ちくわくん着ぐるみを身につけてのイベント参加を何度も経験しているすばるにとって、どてらの暑さはそれと大差なかった。正座も剣道部員の端くれ、足が痺れてたまらないなどということは断じてない。もちろん、この異常な環境下にあっては暑くて苦しいことに変わりはないのだが。
「ろっこんを使えば楽勝……っぽいけど、それはなしなし。正々堂々とだよね」
（それに、ブリジットさんはそんな勝ち方は望んでいないはず！）
「んっ。何かいったか、ちくわ？」
シダの突っ込みにすばるは気づく。どうやら思いの一部は言葉になって出ていたようだ。
「ちょっと気合いを入れただけさ。今は勝負のためにここに来ているからね。ボクも負けられないんだよ」
「そんなに賞品ほしいか ちくわ よくばりだな」
「なぜかって？ ふふふ、君にはまだ早いよ」
（そう、僕はブリジットさんの特別な期待を受けてここにいるんだからね……！）
地獄の座布団対極楽のソファ。少しだけ視線の高い位置にいるブリジットを見上げると、彼女は優雅に手を振って微笑んだ。
（ほらね！ ここで音を上げたら男じゃないよ！ 死んでもその想いに答えなきゃ！）
しかし、ブリジットはふと地獄部屋から顔を背け、傍らのあずさや舞と語らいを始めてしまった。少し寂しい。いつかこっちを向いてくれるかとも思ったが、談笑は続き、ブリジットの視線がすばるに注がれることはしばらくなさそうだ。
そう言う御剣 刀だったが、ふと見ればシダ 美穂戸ののびやかな肢体が目に入る。気になるものを見つけてしまって、刀はついつい視線を注いでしまっていた。
「ん？ どうした」
シダが気づいて刀に問う。
「美穂戸の水着……それ、何だ？」
「水着着てきた サオラ柄 ヴァン なんでわかった？」
薄地のアオザイの下にシダが着ているのは、彼女のシンボルともいえるサオラ、ベトナムで発見された幻の動物、その希少性から幻獣ユニコーンにも喩えられる生き物をイメージした柄だ。刀の注目する先に気づいたシダは、大きな赤い瞳をすうと細める。
「のぞきか？ のぞきだな」
「い、いや、違うんだ」
「かたな 今日も むっつりか」
「違う。透けてたから」
泥沼、やぶへび、いらぬ一言である。刀は自分で言った言葉に自分でうろたえてしまっていた。
「ああ すけてるな すけてる アオザイ 薄いからな」
一人で納得してくれたシダに、刀はほっと胸をなでおろした。これで大分、精神統一を乱されてしまったかもしれない。焦ったせいで急に暑さが負担となって襲い掛かってきた。目を逸らしたつもりが、悪いことにその先には極楽部屋があった。刀の見る世界につい大写しになってしまうのは、金髪と、それに似たきらめきを持つ金糸のアクセントも美しい、あでやかなチャイナドレス姿のブリジットであった。じろじろ見てはいけない、と思うのに気になって気になって、目が離せない。ブリジットが、と言うよりも、あの事件の影響なのか、チャイナドレスがなぜか刀の心を捉えて離さないのだ。
（なぜかときめいてしまう……いやいや！ 俺はこんなことを考えに来たわけでは！）
頭をぶるぶると振り、ひとり苦悩する刀。それをブリジットは不思議な顔をして見ていた。
「……刀から妙な視線を感じるわね。応援でもしてほしいのかしら」
怪訝な顔のまま手を振ると、刀の表情はますます複雑なものになってしまった。
新井 すばるは熱に浮かされたように、視線をふらふら泳がせながら思い出していた。今、自分がここにいるわけを。昨日のことを。
「ふふふ。聞きましたよ、新井さん」
橘 舞がにこにこと笑いながら語りかけてきた。いつも笑顔を絶やさぬ彼女だが、今日の笑みは格別だ。
「舞さんこんにちは……え？ どうしたの？」
「がまん大会のことです」
切り出されてもすばるは合点がいかず、きょとんとした顔をして、次に笑った。
「がまん大会？ あはは、舞さんそんなのに興味あるんだ？」
「あら？ 新井さんのことですよ？」
「えっ？」
聞けば、すばるも小耳に挟んでいた、理事長の気まぐれで始まるらしいイベント、がまん大会。その出場者としてすばるはほぼ決定した状態になっているらしい。しかも、すばるを推したのはほかならぬブリジット・アーチャーなのだという。
「なになに？ ボクは期待されているってこと？ おー！ 流れがわかんないけど、俄然やる気が出てきたよ！」
舞の暖かい励ましと、「私が推薦したんだから、しっかりやりなさいよね」と言うブリジットの笑顔に送り出されて、今のすばるがあるのだ。
「うん……暑いね」
炎天下、ちくわくん着ぐるみを身につけてのイベント参加を何度も経験しているすばるにとって、どてらの暑さはそれと大差なかった。正座も剣道部員の端くれ、足が痺れてたまらないなどということは断じてない。もちろん、この異常な環境下にあっては暑くて苦しいことに変わりはないのだが。
「ろっこんを使えば楽勝……っぽいけど、それはなしなし。正々堂々とだよね」
（それに、ブリジットさんはそんな勝ち方は望んでいないはず！）
「んっ。何かいったか、ちくわ？」
シダの突っ込みにすばるは気づく。どうやら思いの一部は言葉になって出ていたようだ。
「ちょっと気合いを入れただけさ。今は勝負のためにここに来ているからね。ボクも負けられないんだよ」
「そんなに賞品ほしいか ちくわ よくばりだな」
「なぜかって？ ふふふ、君にはまだ早いよ」
（そう、僕はブリジットさんの特別な期待を受けてここにいるんだからね……！）
地獄の座布団対極楽のソファ。少しだけ視線の高い位置にいるブリジットを見上げると、彼女は優雅に手を振って微笑んだ。
（ほらね！ ここで音を上げたら男じゃないよ！ 死んでもその想いに答えなきゃ！）
しかし、ブリジットはふと地獄部屋から顔を背け、傍らのあずさや舞と語らいを始めてしまった。少し寂しい。いつかこっちを向いてくれるかとも思ったが、談笑は続き、ブリジットの視線がすばるに注がれることはしばらくなさそうだ。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2013年09月01日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年09月08日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年09月08日 11時00分
