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遥かなる『ねこだい文明』を求めて…… ~革命編~
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【王の記憶を求めて:イルカ族の秘密研究室(2)】
ぶくぶくぶく。いつの間にやら気づかぬまま、
朝鳥 さゆる
はぬるい水のなかへと叩き落とされていました。
平衡感覚や前後左右も曖昧になりながら、さゆるは空虚な心で水中をたゆたいます。
(……どうせ……)
なにがどうなろうと、さゆるには今更どうでも良いことです。堕ちるところまで堕ちたなら、あとはそのまま摩耗されてゆくのみ。
秘密研究室へ踏み込んでより、奇怪なまぼろしがさゆるの目の前には現れました。骨のみとなって泳ぐ魚。亡者のようにさまようねこたち。けれど実際、そんなものを目の当たりにしながら、さゆるは自身の心になんらかの動きを見い出すことはできませんでした。
淡く輝く水中へ佇むさゆるを見る者があったなら、美しい人魚と見紛うかもしれません。絵画めいて美麗な光景へ、感嘆に言葉を呑むのかもしれません。
その実、さゆるという少女は大人びた美女の相貌を惜しげもなくさらしながら、その感性はぼろぼろに朽ちかけているのです。
だから、どんなまぼろしが目の前に現れようと、さゆるの胸が再び脈動を始めるはずもありません。
(……?)
そう、思っていたのに。
唐突な水からの解放に一瞬よろめきながらも、身を立て直し降り立ったそこは……どこか。なにか。見覚えがあるような。
「っ、!!」
とうに疲弊しきっているはずのさゆるの精神が、新鮮な反射を返します。
「あ……」
あの時の。記憶が。目の前に。
途端に蘇るのはあの時の痛み、苦悶、快楽、痛み、呼吸は止まり、心身ともに傷つけられ、それでも前のめりに貪り続けるあの痛み、痛み、痛み。
「……藍人」
現れたのは、父を埋めたときそのままの彼。兄。もはや届かない、かけがえのない、
「やめて」
思えばさゆるという少女が真に誕生したのは、あの夜のことだったのかもしれません。
互いに傷つけあい、蹂躙し合い、およそ愛情の交換とは似て非なる営みを交わした、あの夜。彼と。兄と。互いの全てを破壊することが最上の悦びであると信じられた、あの狂った夜。
「やめて……」
彼は笑います。さゆるへ、穏やかな微笑みを。
偽物だ。まぼろしだ。分かっているはずなのに。
どうしてこんなにも、胸が締め付けられるのだろう。
彼の伸ばした手はさゆるの首元へ、縊り折るほどに指へ込められた力、彼の微笑みがさゆるを侵し、耳孔へ侵入する舌とともに入り込む囁きはまるで、毒。
「やめろっ!!!!」
腕を振りかざせば、ぱちり。泡とともに、さゆるの意識は弾けました。
「あれ? なんだろう?」
万条 幸次
の口からぽかりとこぼれた泡が、青空めがけゆっくりと昇っていきます。
小学校の帰り道。いつもの道ばたに見慣れない白いものを見かけて、幸次はぱちくりと目を瞬きました。
「あ、猫か。白い猫だ、わぁ~かわいいなぁ」
猫は幸次を見つけると、人懐っこくてててと小走りにやってきて、足にすりすりと身体をこすり始めました。
幸次はしゃがみこみ、ぽんと白猫の頭へ手のひらを乗せます。そうして、
「……あ」
にゃあと鳴いた声。自分を見上げた青い瞳。手の平に伝わるふわふわの感触。
いつの間にかろっこんも解除し、人の姿へと戻っていることにも気づかずに。
「花見……?」
幸次はただ真っすぐに、懐かしいその姿を見つめます。
そう……小学校が終わり、家へ帰ってきた直後のことでした。
「いつもみたいに、丸まって寝ているんだって。そう思ったんだ」
ふわふわ毛並みの白猫、花見。その背中を撫でた手は、こんなに大きくはなかったはずです。
閉じられたままの瞳を不審に思い、そっと触れた手のひらへ覚えた、あの冷たさ。今でも忘れられません。
「あの後は……泣いたんだっけ。ショックで混乱して、あまり覚えてないけど、本当に悲しくて。俺は……」
ふにゃん? と白猫が小首をかしげて、幸次を見上げます。差し出したままの指先をぺろりと舐め、青い瞳をぱちくり。
白い額へぽとり、落っこちたのが自分のこぼした涙であることに気づくのに、少しの時間がかかりました。
もう、5年も前のことです。それなのに、蘇ってくるこの哀しみのなんと鮮明なことか。不意に揺さぶられた感情に、幸次は抗うことができません。
ぽとり、ぽとり。雫は落ちました。
「……花見……」
思わず抱き上げ、きゅうと胸へ抱き締めます。まぼろしだと、頭のどこかでは分かっていたはず。けれどそうせずにはいられませんでした。
にゃあ、ふにゃあと、優しい鳴き声に耳を触られて、幸次は思い返します。
花見とのお別れは、決して避けられないものでした。生き物の持つ時間は有限です。成長期であった幸次と、ともに生きられないことは必然であったのです。
それでも、たくさんの思い出をもらいました。辛いことも嬉しいことも、楽しいことも悲しいことも、花見と共有することができたのは、幸次にとってまぎれもない幸福であったはずです。
「うん……そうだよね」
そっと花見をアスファルトの地面へ下ろすと、白猫はいつの間にか暮れかけているオレンジの陽の光へと向かって、ゆっくりと歩き始めます。ゆらりゆらり、しっぽを揺らしながら。なんの憂いもなく、堂々と。
ちらと振り返り、にゃあ!
「ありがとう。忘れないよ」
そうして泡は、ぱちりと弾けました。
びくりと跳ねた身体に、さゆると幸次は我に返ります。
「ふたりとも、大丈夫……!?」
気付くと、先ほどとは逆に、
恵御納 夏朝
の心配そうな顔がふたりを覗き込んでいました。
「なんでも……ない、わ」
差し出された手からぷいと顔をそらし、さゆるは立ち上がります。意思に反して頬を伝った涙を見られたくなかったのかもしれません。
「うん。俺も、大丈夫」
「そう……? イヤなまぼろしを見たんじゃ……?」
必ずしも、そうとは言えないようです。夏朝やさゆるの見たまぼろしは、ふたりを締め上げ、傷つけるようなものでしたけれど。
「俺のは、そうじゃなかったから」
幸次は思います。花見とのお別れは、避けられないものだったけれど。
今回はおるすばん、家で幸次の帰りを待っている、飼い猫の花遊。大切なあの子がネコトピアへ拉致されてしまうなんて、そんな事態は防ぐことができるはずです。
「進もう。守らなきゃ」
再び猫となって、幸次は前へ、前へ。
そうすることが、大切な誰かを、なにかを、守ることにつながるのですから。
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遥かなる『ねこだい文明』を求めて…… ~革命編~
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
遥かなる『ねこだい文明』を求めて…… ~ネコトピア編~
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
17人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年04月15日
参加申し込みの期限
2019年04月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年04月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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