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NECO MUSIC FES 1370!
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心臓がまだどきどきしている。
(『星灯』)
結城 日和
は征一郎と響也の奏でた楽曲の名を心に繰り返す。耳に覚え込んだ音楽を心の内になぞる。
ふたりが一緒に演奏すると知ってから、ずっと楽しみにしていた。どんな音が聴けるだろうと想像したりもしていた。
(すごい、……すごいすごい!)
その場で跳ね飛びたくなる気持ちをぐっと抑え込む。想像していた音よりもずっとずっと、
(すごかった!)
興奮のあまり今はそれ以上の言葉を思いつけず、その言葉ばかりを胸に繰り返す。
「ネコフェス、まだまだ行けるかーー!!!」
「ネコフェス、まだまだおわってないよーーーーーーー!!!」
ステージから聞こえた寝子高軽音楽部のふたりの声に、日和は思わずぴょんと跳ねた。夢から覚めたように瞬きするうち、ステージから聞こえて来たのは夏風のような疾走感のある曲。爽やかに駆け抜けるギターとキーボードと、ふたりの息の合った歌声。
爪先が自然にリズムを刻んでいて、日和はくすりと笑う。出番はもうすぐ。抱えたヴァイオリンと弓を持つ手に力が籠る。
(今年も、ネコフェスに出られた)
胸を過るのは去年も出演したネコフェスのステージ。
(去年のネコフェスから私は変われた)
その自覚はある。だからこそ、今年もまたここに立っていられるのはとても感慨深かった。
深呼吸を繰り返す。幾度となく練習した演目を頭と指先で辿る。日和が奏でるのは、クラシックのロックアレンジ。
(この間の音楽祭の演奏も盛り上がってもらったし)
初夏の頃、海浜公園のステージでもヴァイオリンを弾いた。あのときは、人気バンドのヴァイオリンアレンジ曲だった。
(今回も楽しんでもらえたらいいなぁ)
あの日の海に臨んだ舞台よりも、今日のステージはずっと大きい。ともすれば緊張してしまいそうな肩に、ふと、あの日の征一郎の掌の熱が蘇る。演奏の熱を熾火のように滾らせた眼差しが瞼の裏を過る。
興奮した面持ちのふたりが戻ってくれば、次は日和の出番。
「日和センパイ、がんばって!」
「ありがとう。雨寺さんは頑張ったね、お疲れさま!」
興奮した面持ちで拳を握りしめて応援してくれる凛に大きく頷き返し、日和は舞台袖に立つ。そっと、手の甲にキスをする。
(ちょっとした)
たんぽぽの色した瞳に、太陽よりも眩い光が笑みと共に宿った。
(おまじない)
キスした掌を優しい拳に代える。よしっ、とお腹にぎゅっと力を籠めて舞台に踏み出す。
(頑張ろう……!)
大きなリボンのついた黄色いドレスでステージの央に立つ。お辞儀をひとつ、ヴァイオリンを構える。最初の一小節目は静かに、けれど次の二小節目には弾ける笑顔と共に音を爆ぜさせる。
空に伸び伸びと翼を広げて歌うカナリアのように音を奏でていて、日和はつと音を途切れさせた。小首を傾げ、音が足りないジェスチャーをする。芝居じみた大仰な仕草で一緒に演奏しないかと観客に向けて朗らかに誘っていて、――最前列、眩しいような眼差しで己を見上げる征一郎と目が合った、気がした。
花を投げかけるように弓で征一郎を示す。
一緒に、と唇だけを動かし、更にウィンクして誘う。そうしておいて、征一郎が隣の響也になにごとか告げてステージに真直ぐ向かってきてくれたときには心底驚いてしまった。
(え、……え?)
これはただの演出で、まさか本当に来てくれるなんて、と言葉に迷う間に、先ほどステージに立っていた征一郎は再度檀上の人となる。客席は大いに盛り上がり、大歓迎の拍手が沸き上がった。
「呼んでおいてその反応は何だ」
片手に提げて来たケースからヴァイオリンを取り出し、征一郎は唇の端を勝気に笑ませる。
「自分を指名した事、後悔はさせねぇ」
言うなり、征一郎はヴァイオリンの弓を引く。躯に響く重低音からの軽やかな旋律に合わせ、日和は曲の続きを奏で始める。ともすれば聞き惚れてしまいそうになるほどに蠱惑的な征一郎のヴァイオリンの音を合わせてから、気が付いた。即興のその癖、征一郎の音色は自分の音を邪魔しない。むしろ、カナリアの舞う青空に似て日和の音を引き立たせてくれている。日和の音の翼を空高くへと押し上げてくれている。
(もう、……)
日和の胸を弾ませるだけ弾ませて、征一郎は舞台を去ろうとする。
「時間があったら、あとで」
歩み去る背中へひとことだけ告げ、日和は客席に向けて深く深く、一礼をした。聞こえていた拍手が一際大きくなって、下げた頭を上げて、日和は再度驚く。立ち去ろうとしていた征一郎が戻って来て並んで頭を下げてくれている。ちらりと目配せを受け、揃って舞台から去れば、客席からはちょっぴり羨ましそうな歓声があがったりもした。
「ありがとう、神嶋くん」
舞台袖に引き、舞台裏の一角で日和は改めて礼を言う。
「あれからもう一年か」
「去年のネコフェスで私、変われたんだよ」
征一郎の深く蒼い瞳に、日和は笑いかける。
「一年の間に、色々あったよね」
「……そうだな」
「神嶋くんの意外な一面とか知れて嬉しかった」
僅かに言葉を詰まらせる征一郎の顔をしばらく見つめ、日和はお守りのように隠し持っていた小箱をそっと差し出した。ドレスの端をちょこんとつまみ、どうか受け取ってくださいと芝居じみて笑って見せる。
「ふふ、ホワイトデーに誕生日プレゼントを貰ってびっくりしたから」
今度は私が驚かせる番、と悪戯っぽく手渡す箱の中身は、深海を思わせる深い蒼のグラデーションのネクタイに、銀の魚のネクタイピン。
(やっぱりこの蒼は貴方の色だから)
銀色の小さな魚に願いを籠めて、八月の終わりが誕生日の征一郎にプレゼント。
「気に入ってくれると嬉しいなぁ」
「自分は……」
頬を薄紅に染めて睫毛を伏せる日和を見下ろし、征一郎は低く静かに囁いた。
「お前に言わなきゃならねぇ事がある」
不思議そうな日和の肩を、けれど征一郎は今は軽く叩くだけ。
「今度、時間がある時に」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
70人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年03月28日
参加申し込みの期限
2019年04月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年04月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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