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NECO MUSIC FES 1370!
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「もーう、カップルばーっかりー!」
パラソルの下のシートに寝そべって音楽を聴いていたはずの友人が唐突に叫んだ。ごろんごろんと転がる水着姿の友人を座ったまま見下ろし、
仙藤 紫
は小首を傾げる。そうね、と淡々と同意を示した途端、別の友達に清涼剤入りの冷たい日焼け止めをこれでもかと水着の背中に塗りたくられた。
「きゃ……!?」
「もー、紫はここでもテンション変わんないし!」
シートで転がっていた友人が匍匐前進で近づいて来て膝に顎を乗せる。
「キョーミない?」
「退屈?」
ネコフェスに誘ってくれた大学の友人たちに恨めし気な眼差しを向けられ、紫は静かに首を横に振った。普段と様子は変わらないけれど、音楽を聴いているのはそれなりに楽しい。
(あの子は楽しんでいるかしら)
ふと思うのは、今日はキャットロードに行くとか言っていた妹のこと。
――お姉ちゃんも楽しんできてね!
溌剌と我が道を行く妹は、今頃きっとコスプレやゲームを楽しんでいることだろう。確か最近は、カプセルギアというスマホ連動のゲームにのめりこんでいた。一度熱中すればとことんまで突き詰めて行ける集中力の高さは、妹が誇るべきものだ。
イベントごととなれば一緒に楽しむことも多かった妹と別行動を取るのは、頼もしくもありちょっぴり寂しくもあり。
(……そうね)
妹の言葉を思い出して、お姉ちゃんの紫は水着の背筋を伸ばす。あの子の言う通り、自分は自分できちんと楽しもう。
「……ネコフェス、楽しんでますか?」
そう思ったところに折よく声を掛けられて目を上げれば、そこにはネコフェスのロゴ入りTシャツ姿の
恵御納 夏朝
の姿があった。片手にゴミ袋、片手に火ばさみを装備した後輩は、どうやらバイトの真っ最中らしい。
「お疲れさま。……そうね」
紫は柔らかく微笑む。
「楽しんでいるわ」
良かった、と向日葵のような笑顔を見せて仕事に戻る後輩にがんばってねと手を振る。
「紫! 見て見て!」
「もうすっごいイケメン! しかもジャズピアノとか!」
かっこいい、と声を揃えてはしゃぐ友人の声に催促され、紫は視線をもたげる。
見遣ったステージの上では、兄弟らしい二人組がジャズテイストのピアノを奏でていた。いくつもの夏の音楽を詰め込んだメドレー形式のピアノ曲。そのうちの何曲目かのイントロを耳にした、その瞬間。
潮風になびくでもなく、紫の黒髪が微かに揺らいだ。清楚に伏せられがちだった黒い瞳が幾度となく瞬く。
(……)
胸の内、紫は去年の夏休みに別れた彼氏の名を呟く。
今しも会場に流れている曲は、ジャズテイストではあっても、別れた彼氏が好きだった曲だった。涼やかなメロディと、夏の木陰で一休みするような柔らかな歌詞のこの曲が特に好きだと、確か言っていた。
そう言っていた彼氏と別れたのが、去年の夏の終わり。出会ってから別れるまでちょうど一年の短い恋だった。
恋が終わりを告げてから今まで、元彼氏が好きだったアーティストの曲を聴くのは意識してずっと避けていた。特に、この曲は。
だってもし聴いてしまえば、彼のことを思い出してしまう。自分だけに向けられていた優しい眼差しや掌の温もりを思い出してしまう。同時に、それがもう決して自分には向けられないのだと痛感させられる。そうすれば間違いなく心がかき乱されてしまう。
だってあんなに好きだった。別れたことで心に得た傷は二度と治らないのだと思っていた。きっとことあるごとに瘡蓋が剥がれて血が溢れるのだと。この先、彼のことを思い出させる物事に出会う度に心はどうしようもなくかき乱され続けるのだと。
そう思っていた、のに。
(……ああ)
さざ波ほどの揺らぎすら感じぬ自分の心に、紫は眉をひそめる。
あの恋は、もう自分の中で過去となったのだろうか。
凪のままの己の心中を少し寂しく思うも、
(これが『過去になる』ということ?)
そう定めてしまえば、寂しさもふわりと夏風に吹き飛ばされた。紫は澄み渡る夏空を仰ぐ。
「……これで本当に、私の恋は終わったのよ」
今なら、確かにそう言える気がした。そう言ったところで微塵も心が揺らがぬ気がした。
音楽に紛れさせて小さく呟く。心が夏空と同じに晴れ渡って行くように思えて、紫は静かに微笑んだ。
「さよなら」
タイサイドビキニ――いわゆる紐ビキニの紐は解けば布が落ちる。
(なんてことは大体ないのよねー、これがねー)
ないとも言い切れないが、少なくとも、
真境名 アリサ
が副店長を務める水着ガールズバーという職場において、そういう隙の多い水着を好むキャストは多くない。
会場の喧噪の中に見つけたスペースにパラソルを広げて陣地を確保し、アリサはの持って来た鞄をひとまず置く。鞄の中には、水着ガールズバーの副店長という仕事柄大量に所持している水着の中から目を瞑って一揃い手に取り詰め込んできたボヘミアン柄の紐ビキニが入っている。
頭に引っ掛けて来た麦藁帽子に留守番させ、現地の更衣室で手早く着替える。
大盛り上がりの人込みをものともせず魚のようにすり抜けて歩く技は、ガールズバーで働くうちに身につけたもの。仕事が非番であっても染みついた職業病までは抜けたりしない。
隣のパラソルに座る、ほんの少し寂し気な表情をした大人し気な黒髪の女性に何にも考えていないような能天気な笑顔で手を振り、アリサは確保した陣地に腰を据えた。留守番していた麦藁帽子を艶やかなストレートの黒髪の頭に引っ掛け、取り出したサングラスを慣れた仕草でかける。
島中がお祭り騒ぎなこういう日は、ノリのいい音楽を聴いて盛り上がるだけ盛り上がりたい。
(よね)
そう思って真っ青な夏空の下の寝子ヶ浜海岸を訪れた。
最初に耳に届いたのは有名パンクバンドのカバー曲。半割れフルフェイスメットのリードギター兼コーラスが印象的なアマチュアバンドが奏でるその曲は、
(前に店のステージで踊ったときのBGMだったな)
激しい曲調に合わせ、頭を空っぽにして息が切れるまで踊りまくったっけ。確か副店長に抜擢されたばかりで、ただのバイトキャストだった時に比べて責任やら何やらに押し潰されそうだった。肩に圧し掛かる重圧を吹き飛ばそうとして踊りに踊った。次の日ちょっと筋肉痛になった。
あのときを思い出してその場で跳ねて拳を突き上げて、
(おー)
原曲よりも更に更に速いテンポに目を瞠る。どこか幼さを残す覆面ロックバンドではあるけれど、
(Fourmuras、ね)
その名は伊達ではないらしい。
ロックにパンク、ヒップホップにラップにクラシック。曲調も雰囲気もそれぞれに全く違うアーティストたちがそれぞれの音楽を奏でる。時に地面も揺るがすようなドラムのギターが地を這い、時にヴァイオリンやピアノの音色が空へと駆けあがる。
(……この歌が流行ったときは)
ジャズ風にアレンジされた連弾ピアノ曲のうちの一曲に思い出すのは、
(人生がつらかったな)
高校を出て、故郷を出てしばらくの頃。『憧れの東京』が悪意に満ちて見え始めた頃。
(ブラック会社の寮を出て、帰る家もなくて)
派遣の仕事で食いつなぎながら、ネットカフェで寝起きをしていた。
(うん、あれは辛かった)
ピカピカの太陽の下で思い出してもうっかり胸が痛くなって、アリサは慌てて太陽を仰ぐ。強い太陽の日差しに、周囲に溢れる軽やかな音楽と喧噪に、瞼の裏に滲みそうになる涙を干上がらせる。
(……ん)
何組か後に聞こえて来たアイドルの曲に、アリサは口元を綻ばせた。ただひたすらにご機嫌なその曲は、そのどうしようもなく辛い時期に出会ったひとが好きだった。社会から打ち捨てられて泣くアリサに同情した挙句、ごく短い時期ではあったけれど同棲までしてくれた優しいひと。
聞こえて来る音楽のひとつひとつに素直な反応を示しながら、時に踊り時にじっと耳を傾けながら、音楽祭を全身で楽しむ。時々声を掛けて来るナンパを軽くいなしたり、意外なところで出会った店の常連に愛想良く挨拶して飲み物を奢ってもらったりもしながら思うのは、あの頃には想像もしなかった場所にいる自分のこと。
(だってねえ、)
うずくまって途方に暮れていたあの頃の自分は、水着ガールズバーの副店長に収まっている今の自分のことなんてきっと想像も出来まい。
くすりと笑うおひとり様なアリサのもと、
「あーっ、アリサお姉!」
「本当だ、アリサさん!」
店で働いている女の子たちが駆け寄って来る。
「あれ?」
ここで出くわすとは思っていたキャストの女の子たちに対し、アリサは華やいだ声をあげる。
「みんなどうしたの?」
慕ってくれる子たちを邪険にも出来ず、パラソルの下に招き入れる。
おひとり様で過ごそうとしてなかなかうまくいかないけれど、
(まあ悪くない一日、よね)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
70人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年03月28日
参加申し込みの期限
2019年04月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年04月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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